株主代表訴訟(問題の所在) - 事業再生と承継・M&A全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
弁護士

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渕本 吉貴
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閲覧数順 2017年03月22日更新

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株主代表訴訟(問題の所在)

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第3章 株主代表訴訟

第1 問題の所在

マスコミで話題となる株主代表訴訟は,大企業のものがほとんどですが,実は株主代表訴訟の約8割は中小企業で提起されています。

その多くが,同族同士が経営権や金銭を巡っての骨肉の争いとなるケースです。それらの訴訟の多くは裁判所からの和解勧告に基づいて解決されています。しかしながら,株主代表訴訟を起こされる何か(放漫経営,株を保有する同族・従業員との感情的な対立など)が存在すると見ていいでしょう。

ここでは,中小企業での株主代表訴訟の実態や代表的な裁判例,株主代表訴訟の提起に備えての防衛策,万一提起された場合の対応策,敗訴した場合の責任免除の要件を解説します。

なお,従業員持株会も従業員に直接,株式を保有させないようにするとともに,元従業員が株式を自由に処分することを制限できることから,株主代表訴訟の提起を回避することができ,株主代表訴訟の提起に備えての防衛策といえますが,これについては,次章で説明します。

 非公開の同族会社においては,二重課税を回避する目的で配当金を支払わず,代わりに従業員賃金又は役員報酬として会社の収益から分配を受けることが多いでしょう。会社の従業員又は取締役の地位から締め出された少数株主は,会社収益の分配にあずかることはできません。また,非公開会社ゆえ,投下資本の回収を図ることもできません。そのため,会社の従業員又は取締役の地位から締め出された少数株主としては,多数派株主に対する打撃として,株主代表訴訟を提起することが多いのです。

 株主代表訴訟は,株式を1株でも保有していれば,13,000円で(民事訴訟法費用等に関する法律4条2項・別表第1),提起することが可能です(ただし,公開会社では6カ月前から保有していることが必要,会社法847条1項)。そして,中小企業では,取締役会はおろか株主総会すら全く開いたことがない場合も少なくありませんから,いったん訴訟になってしまうと会社が証拠を揃えてこれに対抗することは極めて困難となります。そこで,事業承継の過程において,少数株主から株主代表訴訟を提起されないことが大切なのです。

 

 

 

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