「○○して欲しい」という言葉を、最近立て続けに聞く機会がありました。
その内容は「上司に○○をやめて欲しい」「会社に○○をして欲しい」というようなものでした。普通によくあることだと思います。
また、ある学校での話ですが、遅くまで残っていた生徒が、先生から「早く帰らないと警察に通報する」と言われたとか・・・。背景や事情があるかもしれないので一概には言えませんが、外の権威を借りて生徒の行動を何とかしようと考えたように見えてしまいました。普通に自分たちが注意すればいいのに、と思ってしまいました。
私も意外に無精な所があって、「自分のこだわりが無い事は人任せ」という所があります。開き直る訳ではないですが、本人にとってどうでも良いことは、それでも良いのではないかと思っています。
でも自分に任されたこと、こだわりがあること、自分のミッション(要は仕事)は違います。相手の満足プラスアルファを考えます。力不足で必ずしもそうはできませんが、常にそういう気持ちで向き合っています。絶対に人任せにだけはしないように心がけています。
しかし、これは今の立場になってからのことで、会社員時代を考えると絶対にそうではありませんでした。アイツが悪い、コイツが悪い、相手の意識が低い、環境ができてない、予算が無い、など。自分以外に原因を求めていたことが多かったと思います。
その違いは何か・・・。はっきり言えるのは組織に属しているかいないかです。組織であれば、仲間もいっぱいいるし、自分のあずかり知らない所で動いていることもたくさんあります。言い訳しようと思えばいくらでもできるのです。
組織に属しているわけではない今は、身近で起こることは、良いことも悪いことも全部自分のせいです。というより、責任をなする相手がいないといった方が正しいかもしれません。特にうまくいかない事や自分の気に入らないことがあれば、できれば人のせいにしたいのですが、それができないというだけです。
ただ、そういう環境に置かれて(自分の意志でそうしたのですが・・・)、自分の考え方はずいぶん変わりました。相手に感じる理不尽も、入り口の段階では「何か事情があるのでは・・・」と思えるようになりました。
今思うのは、会社員時代にこういう考え方ができるようになっていたら、自分の社会人人生もずいぶん変わっていたかも、ということです。
結局、人任せや他責にしている限り、自分の状況を自分の意思通りに変えることはできません。他人が自分の思った通りに動いてくれることなんて、ものすごく稀な事だし、どちらかと言えばラッキーです。でも人任せということは、その起こるかどうかもわからないラッキーを、ひたすら待っていることと変わりがありません。それならば相手の事情を考えて、自分からできる事を何かやる方が、よほど見返りがあるはずです。
人間というのは、集団行動をするがゆえに、人のせいにしたり人任せにしたりということが、本能的にあるように思います。またそうすることで精神安定を保っているような面もあると思います。
それでも、そこから一歩踏み出してみると、絶対に違う世界で見えると思います。
組織の中で何か周りへの不満を抱えている方・・・。自分の目線を変えて、何か一歩踏み出してみませんか!
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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