日経記事;"エルピーダ,再建策作り大詰めマイクロンとも交渉"考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;"エルピーダ,再建策作り大詰めマイクロンとも交渉"考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. 事業・企業再生戦略
経営コンサルタントの活動 アライアンス(連携・提携)支援

皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月21日付の日経新聞に、『エルピーダ、再建策作り大詰め 米マイクロンとも交渉入り』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『金融機関から経営再建策を求められているエルピーダメモリが、海外のDRAMメーカーとの提携交渉を加速させている。

台湾の南亜科技に加えて、米マイクロン・テクノロジーとも資本・業務提携の交渉に入った。「日米台」の3社連合を形成し、生き残りを図るシナリオだが交渉は曲折も予想される。

マイクロンはDRAMと、NAND型フラッシュメモリーでともに世界シェア4位の総合メモリー企業。両分野で首位のサムスンとの差を縮める必要に迫られている。DRAMでサムスンと互角の技術力を持つエルピーダは格好の提携相手だ。

エルピーダは昨年末から台湾のDRAM最大手、南亜科技と資本・業務提携交渉に入った。エルピーダの技術と、南亜科技の低コスト生産を組み合わせ、事業基盤を強化するのが狙いだ。

ただ南亜科技はマイクロンからDRAM技術を導入しており、「マイクロンとの関係を断ち切ってエルピーダに乗り換えるのは容易でない」(半導体大手幹部)。エルピーダとマイクロンの提携が実現すれば、日米台の3社連合でサムスンに対抗する構図ができる。

「市場環境を考えるとDRAMメーカーの再編は業界にとっていいことだ」。南亜科技とマイクロンの合弁会社、華亜科技の高啓全総経理は18日、台北で開いた決算記者会見でこう語った。

南亜科技の2011年10~12月期単独決算は8四半期連続の最終赤字となり、赤字額は売上高の1.5倍に達した。華亜も同様に8四半期連続の最終赤字。高氏はエルピーダを絡めた再編について「ノーコメント」を繰り返したが、再編なしには展望を描けないのが現実だ。

エルピーダがマイクロンから出資を受け入れれば、金融機関が求めている財務基盤の強化につながる。DRAMとNAND型を一体化した、付加価値の高いメモリー製品もスマートフォン(高機能携帯電話)向けに提供できるようになる。

しかし、交渉の行方は予断を許さない。マイクロンはエルピーダの完全子会社化を要求しているとみられる。独立経営を維持したいエルピーダとは、条件面で隔たりがあるもようだ。

エルピーダの取引先金融機関は「交渉の進展を見守りたい」(大手行)としているが、残された時間は少ない。エルピーダは09年6月に産業活力再生法(産活法)の認定を受けた。日本政策投資銀行が300億円を出資したほか、メガバンクなどは計1100億円を協調融資した。

産活法の適用は3月末に期限が来る。それまでに提携交渉をまとめ、産活法の再認定を受けなければ、金融機関は協調融資の借り換えに応じない構えを示している。再建計画づくりは時間との戦いとなりつつある。』


世界のDRAM市場は、現時点ではサムスンの一人勝ちになっています。サムスンのシェアは、米アイサプライの調査報告書によると45.1%に達しています。

2位のシェアを持つ企業は、韓国のハイニックス半導体で21.6%となります。韓国メーカー2社で、約70%弱のシェアを持っていることになります。

エルピーダは、12.2%のシェアで3位となっています。4位はマイクロンで12.1%、南亜科技は、3.5%で5位です。

つまり、エルピーダ、マイクロン、南亜科技の三社合せたシェアは、約28%で、かろうじてハイニックスを上回る状況です。

半導体事業はその市場でナンバーワンのシェアを取らないと勝ち残るのは難しくなっています。エルピーダが、DRAM市場で収益を確保するには、サムスンからシェアを奪い取る必要があります。

また、エルピーダと南亜科技は、赤字状態が続いています。

過去の連携やM&Aの事例をみますと、しょうしょうきつい言葉になりますが、弱者連合が勝ち組になるケースは少ないです。

現時点で赤字に直面している企業が、連携して勝ち組になるためには、単に財務基盤を強化するだけでなく、サムスンにどう打ち勝つのか、シェアをどのようにして奪い取るのか、開発・製造計画の青写真が必要です。

記事には、このような打倒サムスン方針については書かれていませんが、資本・財務分野の連携だけでなく技術・製造面での強化策を明確化することを期待します。

個人的には、日の丸半導体会社であるエルピーダが再生し、サムスンに打ち勝つことを期待していますが、現時点でのシェアの差を考えるとエルピーダ単独では難しいと言えます。

この時に連携を有効に働かすことが出来れば、3社若しくは4社の連合体は、10倍以上の力の増強を可能にします。

資本・財務の改善を優先して連携しても、現在のDRAM市場を取り巻く環境からみますと、経営破たんを単に先延ばししたことになる可能性があります。

エルピーダが中心になって、マイクロンや南亜科技などと、財務基盤強化と並行して、連合体がDRAM市場で最大のシェアを獲得するための対応策作り並行して行うようにする必要がありますし、水面下でそのための話し合いが行われていることを切望します。

エルピーダを取り巻く状況は今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"日立,金型拠点を半減 プリント基板は28から5拠点"考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/26 10:56)

日経記事;"日曜に考える 日本の電機、復活できる?"に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/07/08 09:40)

日経記事;ソニー痛み伴う改革新体制,不採算事業撤退に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/02/03 09:02)