- 井門 隆夫
- 株式会社井門観光研究所 代表取締役
- 東京都
- マーケティングプランナー
対象:イベント・地域活性
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
- 宮崎 隆子
- (日本産精油スペシャリスト)
「仲居は不要」が過半数
先日、ある旅館業界団体で3,600人の一般消費者に「旅館の価値」についてWebアンケートを行いました。その結果、「安くなるなら仲居さんの接待は不要」という回答が過半数あったのです。消費者サイドとしたら納得できるものかもしれませんが、旅館業側は「え~」という感じで、ショックを隠しきれませんでした。
逆に「仲居さんのサービスが対価として認知されている証拠」という意見もあると思いますが、「価格に反映されるされないにかかわらず、食事提供などのコアサービスだけで十分」というのが多くの方々の感想なのかもしれません。
温かい料理を温かいままに
逆に、「安くなったとしても必要」なのは、「温かいものは温かいままに出てくる料理」や「清潔な大浴場」など・・・。皆さんは、どう思われますか。
「安くなるなら、人的サービスは不要」「温かい料理や清潔な大浴場は絶対に必要」という感覚が多いというのであれば、現在起きている「旅館から客が離れ、Low Cost Innと呼ぶ格安バイキング旅館やリゾートホテル感覚の高級旅館に需要が流れている」ということに関しての説明もつきます。
旅館も時代感覚を養え
仲居さん不要と回答している方の属性をみると、「年間旅行回数の少ない方」が多かったのはうなずけましたが、「年収の高い50代の男性」が一番多かったのは少々意外でした。「若い方々」が多いかと思ったのですが。おそらく、社会経験の多い方々からの、「中途半端なサービスなら要らない」「旅館も時代感覚を養え」という厳しい声なのかもしれません。
日本文化の伝承を
しかし、仲居さんのサービスが全ての旅館から失われたとしたら、何百年と旅館が培ってきた日本旅館の文化が一気に消滅するおそれをはらんでいます。ここは、メリハリをもって解釈しなくてはいけないと思います。
つまり、従業員教育もせず、団体をさばくために仲居さんを存在させるような旅館システムには、今後も消費者からは容赦のない声が浴びせられるような気がします。一方で、日本文化の伝承者として作法やマナーを熟知し、日本旅館でのホスピタリティの象徴として存在する仲居さん、女将さんについては、きちんとした対価を支払ってでも存在し続けて欲しいと思う方々がほとんどではないでしょうか。
旅館のサービスも明確化し、どういうスタイルのサービスを採っているのかの情報を個々の旅館ごとに発信すべき時代がきたようですね
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