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日経記事"ツガミオークマ工作機械国内生産強化ユーロ安対抗"考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月18日付の日経新聞に、『ツガミ・オークマ、工作機械の国内生産強化 ユーロ安に対抗』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『工作機械各社が国内工場の効率化投資に乗り出す。ツガミは2月にも基幹部品の製造設備を刷新して生産効率を上げるほか、オークマは70億~80億円を投じて愛知県の工場を最新鋭に造り替える。

加工精度の高い工作機械は核兵器製造への転用を防ぐため海外生産が制限されている。今後も輸出が中心となるため、国内生産の効率化を急ぎ、海外市場でユーロ安を武器に受注攻勢を強める欧州勢に対抗する。

ツガミは新潟県長岡市の工場で、工作機械の性能を左右する部品「主軸(スピンドル)」の生産設備を増強する。周辺の協力企業への委託生産分も含め、生産能力は約2倍の月2000本に増える。

中国や東南アジア向けの旋盤やマシニングセンターを増産するのに合わせて主軸1本あたりの製造費用を抑え、工作機械の価格競争力を高める。

製造設備の大半を自社で内製することで、投資額は10億円程度に抑える。同社は12年半ばに新潟市の工場も増設する考え。

現在は6400平方メートルの建屋面積を約2倍に広げて部品棚などの配置を見直し、工作機械の組み立て作業の効率を高める。

オークマは愛知県大口町の本社工場に、最新の生産設備に入れ替えた工場棟を新設する。部品加工設備の配置も見直して、一段の効率化を図る。

森精機製作所も約80億円を投じて、伊賀事業所(三重県伊賀市)に工作機械の部品加工と組み立て工場を建設中。2月から順次稼働させ、生産性を2割改善する計画だ。

アマダは昨年11月に岐阜県土岐市で、旋盤などを製造する新工場の操業を始めた。従来は愛知県と福井県の2カ所に分散していた工作機械の工場を集約し、設備の稼働率を高めるのが狙い。

ファナックも同12月、茨城県筑西市の工場に設備を追加して、マシニングセンターの生産能力を25%増の月2500台に引き上げた。

オークマの花木義麿社長は「工場の無駄をなくせば、日本での生産でも世界で戦える」としている。国内で生産している高精度機はユーロ安で勢いづく欧州企業と競合する。

このため円高で採算が悪化する国内勢にとっては、生産効率化の成否が収益力のカギを握る。』


記事にありますように、国内の高性能工作機械は、核兵器製造への転用を防ぐため海外生産が制限されています。海外市場には輸出のみで対応するという制約があります。

現在のように高い円高が対ドル及びユーロに定着してしまっている現状では、輸出からの収益に大きなマイナス影響が出てきます。

そこで、各工作機械メーカーは、国内生産の効率を向上させ、ユーロ安で競争力のついた欧州メーカーなどとの競争に打ち勝つ考えです。

オークマの花木義麿社長は「工場の無駄をなくせば、日本での生産でも世界で戦える」と述べているとのこと。

国内生産で円高を克服しながら、海外企業との競争に打ち勝ちつつ輸出するためには、幾つかの要因が必要になります。

1.先ず、理想的な事業形態として、オンリーワンの技術・商品・サービスを提供し、他社との競争がなくビジネス出来る様にすることが重要です。

特にベンチャーや中小企業には必要なやり方で、ニッチな市場では効果的です。

私が支援しています中小企業を含めて、メディカル、バイオ、或いは環境などの分野で、高度な技術力や商品力で徹底的な差異化を図っている企業があります。

ニッチな市場なので、中堅や大手企業は参入しませんので、顧客からの信頼が続く限り事業を続けることが可能です。

円高で目減りする収益は、自社のコスト削減効果でカバー出来ないところを値上げで対応します。基本的にはオンリーワンの商品・サービスを提供している限り、顧客の理解を得ることが出来ます。

2.1社単独でのオンリーワン事業は出来ませんが、国内工作機械メーカーのように、高い競争力を持っていますと、コストダウンしながら輸出商品の価格競争力を保持することが可能になります。

また、海外生産が出来ないという制約がありますので、輸出事業を継続するには、不退転の決意で合理化・コストダウンを行う必要があります。

現在の円高状況では、海外企業の価格競争力が強くなりますので、差異化出来る技術・商品・サービスを持っていないと、多少の合理化・コストダウンでは輸出事業で勝ち残れません。

輸出ではありませんが、日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は、国内向けのデスクトップパソコンやノートパソコンを国内事業所で生産し、他社製パソコンと競争出来ています。

パソコンは、成熟商品ですので、技術的、或いは、商品的な観点からは差異化を行うことは難しいです。日本HPは、パソコン事業のサービスにやり方に付加価値をつけてそこをアピールポイントして勝ち残りを図っています。勿論、合理化・生産コストダウンを徹底しながら行っています。

日本HPのアピールポイントは以下の通。

・短納期;注文受領後5営業日納品が可能。
・交渉発生率の低減;製品輸送の時間や積替え作業を最小限にし、輸送時の揺れや、積替え時の衝撃による初期不良、故障などの発生率を低減。
・迅速な保守・サービス

上記三つのポイントは、国内に製造事業所があることにより可能になるとしています。

他の国内メーカーが日本HPと同じようにすることは出来ませんが、輸出事業を継続していく時の参考事例になります。

技術・商品・サービスの面で、何らかの形で差異化を図らないと、合理化・コストダウンだけでは、輸出事業継続は困難です。

また、単にコストダウンだけのために海外生産を開始しても、海外企業が力をつけてきますと価格競争に巻き込まれ、事業継続が難しくなります。

中小企業は、より一層創意工夫して差異化を図りながらコストダウンを行う努力をする必要があります。
視点を変えると、新規事業や事業強化の策は色々と出てくることがあります。

必要に応じて専門家の支援を受けて、自社の事業基盤を見直すようにしましょう。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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