- ドクトル・ホリコン 堀内智彦
- 株式会社グリップス 企業ドクター
- 東京都
- 経営コンサルタント
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
■社長の時給は最低賃金以下!?-社長と社員の給与の実態について
さて、この655万円という平均役員報酬が高いか安いか?あらためて24時間で時給計算してみたらどうなるでしょうか?
社長の時給=655万円÷(365日×24時間)≒747円!!
東京都の最低賃金が837円(H23.10月現在)ですから、社長の給料はこれ以下ということになりますね!
他方、社員はどうでしょうか?賞与や残業代などを含めると社長の655万円の役員報酬より年収が多い社員も結構居たりします。また歩合制の有能な営業マンの場合は、インセンティブ給料があるので、社長の給料と逆転することもあります。
でも、ほとんどの社員は会社の資金繰りのことなんて理解しようともしないし、もちろんその責任もありません。社員は労働基準法など法的にも手厚い保護を受けています。
そして、入社するときは履歴書一枚、辞めるときも退職願一枚で簡単?に移動できるのです。大げさに言えば、会社のことを考えるのはタイムカード押している間だけ?会社から一歩でれば仕事のことはすっかり忘れる始末で、就業時間中のみが肉体的に拘束され、その頭の中の意識は?というと?これもかなりばらつきはあるでしょうが。
所定労働時間が1日8時間、年間250日稼動とすれば、社員の時給=655万円÷(250日×8時間)=3,275円!!
社員の時給3,275円>>>>社長の時給747円(泣)。
どうですか?衝撃ですよね。給料だけで考えたら社長なんてあまりにも割りにあわない。
借金してまで社員にボーナスを払う切ない気持ちは恐らく伝わっていないでしょう。
そしてこのたびの国難というべき大震災後のこの緊急事態においてさえも、アナタの会社の社員には「こんなに会社のために働いているのに何でボーナス出ないんだろう?、もっともっと欲しいよ!」という考えをもつヒトもいるのではないですか?
知り合いの社長と呑みながら「会社も借金も全てぶんなげて、時給千円でもいいからどこかにパートに行きたいよ!」といわれたことがありますが、全く同感です。
「社長!」ともてはやされる代償としては、「責任だけ重たくて全く間尺に合わないな~」と考えるのも中小企業のオーナー経営者の悲哀とも言えましょう。・・・・・・・・・・
このように中小企業の社長が、ひそかに感じていること、それは「社員の給与(人件費)が適正でない」ということ。具体的には、「社員の給与(人件費)が高い」、さらには、
本音のところで「自分の給料は低い」という思いすらあるのに、手をつけられない社長も多いと思います。この大震災後のさらなる経営環境の悪化に対して、会社を残していくためには、いままさに、このタイミングで人件費の適正化を行わなければ、多くの企業がより厳しい状況に追い込まれることは明らかです。
でも!待ってください!安易なリストラは絶対反対です。
会社というのは一つの身体です。いくら体重(コスト)を落としたいからと言って、自分の手足を切ることはできません。そしてムリな食事制限ダイエットをすれば、脂肪も筋肉も同時に落ちてしまい、体力がなくなります。正しい企業のスリム化とは、人的生産性を上げ、会社の収益性を高め、健康体質を手に入れたうえ、さらに免疫力を高め、病気になりにくい体質にすることです。
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