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閲覧数順 2016年12月07日更新

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日経記事;『住友電工,超硬工具原料レアメタル全量回収利用』考察

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皆様、
こんにちは。グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月14日付の日経新聞に、『住友電工、超硬工具原料のレアメタルを全量回収利用』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えをべます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『住友電気工業は自動車部品などを加工する超硬工具の原料となるタングステンを全量リサイクルで賄う。使用済みの刃先からタングステンを効率的に回収する技術を確立。

今夏から月間40トンの国内販売分をすべてリサイクル原料で作る。中国のレアメタルの輸出規制によりタングステン価格が急騰。原料を安定調達し、切削工具の価格安定につなげる。

超硬工具の国内販売分の原料すべてをリサイクルで賄うのは国内大手メーカーでは極めて異例。

超硬工具の刃先は原料の98%以上がタングステン。形状にもよるが1個の寿命は8時間前後で、鉄やアルミニウムを切削するうちに0.1ミリメートル単位で刃先が丸くなると精密加工ができなくなる。

自動車の部品生産を支える重要な工具で、住友電工は国内で交換用刃先を自動車メーカーなどに販売している。ここ数年の原料価格が4倍以上に急騰、刃先の価格も上昇していた。

子会社のアライドマテリアル(東京・港)が国の補助金を活用し、名古屋大学とリサイクル技術の開発を進めてきた。使用済みの刃先からタングステンだけを95%以上の効率で分離・回収する技術にメドを付けた。

刃先を安定した価格で調達するため、ユーザーの大手自動車メーカーが回収に協力する。アライドマテリアルの工場などで月間35トンを再生処理。残りの5トンは別の子会社が設備を整える。リサイクル処理施設の整備に7億円を投じる。

リサイクル原料で製造しても刃先の性能は従来品と変わらない。月間40トンは国内のタングステン消費量の1割に相当する。アライドマテリアルは要望があれば回収の幅を広げ、リサイクル原料を現在の取引先以外にも提供する。

タングステンの日本の主な需要家は住友電工、三菱マテリアルなど大手超硬工具メーカー。これまで使用済みの超硬工具は海外に流出しており、国内での安定確保にはリサイクルの確立が課題となっていた。』


本ブログ・コラムでは、何度かレアアース、レアメタルの供給制限や価格高騰に対応するため、各素材メーカーなどが行っている代替品開発について述べてきました。

今回の記事は、レアメタル対策を使用済み品の完全リサイクルで賄おうとするもの。

このような使用済み材料のリサイクルは、都市でゴミとして大量に廃棄される家電製品などの中に存在する有用な資源(レアメタル、レアアースなど)が大量に存在するという考えから『都市鉱山』と呼ばれ、資源を再生し、有効活用しようという動きは以前からありました。

最近では、経産省が音頭を取って行ったパソコンや携帯電話の回収・リサイクル促進が行われており、一定の成果を上げています。

例えば、社団法人電気通信事業者協会の 「リサイクル実績」 をみると、平成22年度の携帯電話本体の回収台数は、7,343(千台)で、回収重量は696トンになっています。

平成18年度で、携帯電話本体の回収台数は6,622(千台)で、回収重量は558トンまで落ち込みましたが、それ以降回収台数や重量は年々増えています。


超硬工具の原料となるタングステンの価格は、2004年までは10キロ当たり100ドル以下でしたが、2011年には470ドルまで上昇しました。

タングステンは、中国が世界生産量の9割を占め、日本国内の自給率は0%です。

住友電工の動きは、都市鉱山である使用済みの刃先からタングステンを全量リサイクルで賄う画期的なものです。
回収技術のめどをつけたため、今年の夏ごろからリサイクルを実施する計画です。記事にありますように、三菱マテリアルなど他企業も連携して、タングステンの全量を国内でリサイクル使用する循環システムを作るべきです。

レアメタル・レアアース対策は、研究開発による代替材料の使用か、タングステンのようにリサイクルを強化して海外からの輸入を抑える方法で行うかになります。

国内企業は、どちらの方法にも挑戦し続けており、「必要は発明の母」を体現しつつありたくましさを感じます。

国内企業の底力を発揮しつつあり、今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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