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日経記事;カネ,カ有機EL照明量産 既存事業を下支え に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月12日付の日経新聞に、『カネカ、有機EL照明パネル量産 既存事業を下支え」のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『カネカは2015年度までに100億円強を投資し、有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)照明パネルの量産体制を整える。まず約10億円を投じ青森県にある子会社の生産能力を今年中に1万平方メートルに倍増させる。

化成品や機能性樹脂など既存事業が伸び悩んでおり、成長が期待できる有機EL照明を新たな収益源として育成する。

新設備の導入で生産効率を高め、これまで10センチ角で2万円前後の販売価格を1万円以下に引き下げる方針。単価を下げて有機EL照明の普及に弾みをつける。

子会社のOLED青森(青森県六ケ所村)に有機ELパネルの製造設備を増設する。新たな装置は発光材料を効率的にガラス基板に蒸着でき、生産コストを大幅に低減できるという。

生産するのは厚さ0.7ミリメートル、発光効率は1ワット当たり20ルーメン以上の有機EL照明パネル。色は白、赤、オレンジ、緑、青の5色をそろえる。さらに今秋以降、追加投資し、現在より大型の基板ガラスを扱える本格量産設備を設ける。15年度までには生産能力を10万平方メートルに高める。

有機EL照明は大手各社が協業し、事業化を加速している。パナソニック(旧パナソニック電工)と出光興産は昨年9月からパネルの出荷を始めた。三菱化学とパイオニアは13年をめどに蛍光灯に匹敵する明るさの次世代パネルの量産に取り組んでいる。

消費電力が少ない有機EL照明は発光ダイオード(LED)とともに次世代照明として市場拡大が見込まれている。調査会社の富士経済(東京・中央)によると、今年から出荷が本格化する有機EL照明パネルの世界市場は20年に3450億円に拡大するという。

カネカは有機EL照明事業で15年度に200億円の売り上げを目指す。カネカの連結売上高は11年3月期に4538億円。化成品や樹脂のほか、食品、太陽電池などを手掛けるが、有機EL事業は「グローバル展開もでき、成長性も高い」(武岡慶樹・新規事業開発部長)と判断。

20年には売上高で約1000億円の主力事業に育てる考え。

投資規模では大手にかなわないカネカは、買収したベンチャー企業の持つノウハウや太陽電池事業で培った成膜技術をもとに量産を急ぎ、市場シェア確保を狙う。』


カネカは、旧社名を鐘淵化学工業と言います。化成品、機能性樹脂、発泡樹脂製品、食品、 医薬品、医療機器、電子材料、合成繊維等の化学メーカーとなっています。

今回は、新規事業立上の観点からカネカの動きをみます。

カネカは、大きな化学メーカーではありませんが、特定分野では高い世界シェアを持っています。

1月12日時点のカネカ - Wikipediaから引用させてもらいますと、機能性樹脂部門 - MBS樹脂(世界シェア50%)、ライフサイエンス部門 - コエンザイムQ10(世界シェア65%)、エレクトロニクス部門 - ポリイミドフィルム(世界シェア30%)、合成繊維部門 - モダアクリル繊維「カネカロンR」(世界シェア80%)などとなっています。

通常、これだけの世界シェアを持っていますと、事業基盤はかなり強固になります。しかし、今後の市場の成長が見込めないと、じり貧になる可能性があります。

勿論、フイルムのように市場自体が無くならなければ、その市場に残って「残存者利益」を獲得する方法もあります。

私が支援しています中小企業の場合、あるニッチ市場で「オンリーワン」を目指して、中堅や大手企業が参入しない、或いは、競合他社に勝てる差異化を持てるようにして、新規事業の立上・維持を行っています。

カネカは、資本金;約330億円、2011年3月期(通期)の売上は4,538億円の大手企業ですが、三菱化学などのような他の大手総合化学メーカーと比べると、規模は見劣りします。

このカネカが、有機EL市場で新規事業立上を行います。既存事業の成長が見込めないため、潜在成長力のある市場で事業立上を行います。

新規事業立上のパターンには幾つかのやり方があります。カネカの場合は、既存事業できちんと収益を確保できている間に、次世代事業を立上げ、既存事業を補うことが今回の新規事業の目的と理解しています。

記事によりますと、2020年には売上高で約1000億円の主力事業に育てる考え、とのこと。これだけの売上を確保できますと、事業基盤の重心も既存から新規に移る可能性もあります。

中小企業の場合、新規事業を何のために行うか「目的」を明確にすることが重要です。この目的が中途半端だと、新規事業立上は失敗する可能性が高くなります。

カネカの今後の動きを注目しています。これは、カネカの新規事業立上が中小企業にとって良い参考事例になるからです。

大手企業のように高額の投資をできない企業が、知恵を絞り創意工夫しながら、有機EL市場の化学分野でカネカの存在感をどう打ち出していくか、みていきます。

私は幾つかの先進的な企業の動きをみており、その行動パターンが支援先の経営に参考なれば大いに活用することを勧めています。

他社事例をみながら、如何に新規事業立上を行っていくか考え・実行することもやり方の一つです。
但し、新規事業の目的や、何故成功したか、失敗したかなどの本質的なことを理解することが大前提です。

表面的なやり方をまねても決して上手くいきません。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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