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日経記事;日本電産,レアアース不要なモーター量産 に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月11日付の日経新聞に、 『日本電産、レアアース不要なモーター量産 13年にも エコカー向けに供給 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。


『日本電産は10日、レアアース(希土類)を使わない次世代モーター「SRモーター」を、電気自動車(EV)やハイブリッド車(PV)の駆動用として量産する方針を明らかにした。

2013年にも国内外の自動車メーカーに供給する。レアアースの価格高騰に対応し、代替技術の投入で自動車市場の開拓を加速する。

永守重信社長が本社(京都市)で会見し、明らかにした。SRモーターはレアアースを使った永久磁石を使わず、軸の周囲の電気の流れを切り替えて回転させる仕組み。

構造が単純で発熱が少ないうえ、低コストで量産できるのが特徴。ただ電流の制御が難しく、振動や騒音が大きい欠点があり、自動車向けの実用化が難しかった。

日本電産は10年に米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター事業部門を買収。同部門が保有していた特許技術を活用し、製品化にメドをつけた。

エマソンはこれまで振動や騒音をある程度許容できる建機や農業用大型トラクター向けに開発を進めてきた。

ジスプロシウムやネオジムなどのレアアースはモーターの性能を高めるのに不可欠だが、中国が生産の9割以上を占める。

中国が輸出規制を強化していることから、TDKがジスプロシウムを使わない磁石の実用化を目指すなど、日本企業の間で「脱レアアース」の動きが広がっている。

また、永守社長は同日、タイの洪水で被災したハードディスク駆動装置(HDD)用モーターの工場が2月にフル稼働まで回復するとの見通しも明らかにした。当初は4月を予定していたが、現在は稼働率が約65%まで回復しており、2カ月前倒しできるという。』


レアアースは、2010年に起きた尖閣諸島での問題以降、中国は環境対応などを理由に輸出規制を強めました。
その結果、レアアースの価格は高騰し、一時期は入手自体が困難となる状況が続きました。

中国のレアアース価格が急激に高騰した結果、需要者側が入手を手控えたり、米国やオーストラリアなどの他国から調達するようにした結果、全般的には中国からの輸入が減少し、現時点では価格は低下しているものもあります。

レアアースの流通在庫品が、安く拡販されている状況も見受けられます。

しかし、これは一時的な現象であり、例えば、PVやEVという日本にとって今後の最重要な産業の一つである事業分野が、一国の資源に頼らざるを得ない状況は、高いリスクが存在し続けることを示しています。

このリスクを下げるために、以下の方法が取られています。

1.相当な埋蔵量があるとされる米国のマウンテンパス鉱床などから採掘する。
2.オーストラリア、インド、ブラジルなど稼動が低下している鉱床を再開発する。
3.レアアースを使わない技術を開発し、製造する。

短期的には、1もしくは2項の動きで、中国依存度を下げることが重要で、商社を中心に国内企業が活発に新規調達を行っています。

一方、昨年の12月27日に中国政府は、「中国商務省は27日、レアアース(希土類)の2012年の輸出枠について、今年並みの3万トン強を維持すると発表しました。」

ただし、HVやEVのモーターなどに使われ、中国以外の国で探しにくい「ジスプロシウム」など中重希土類を初めて分けて管理したり、環境への規制を強めたりする、可能性が高いとされています。

中国政府は、国内企業に安定した供給を保証する見返りに中国進出の提案を行ない、日本の最新技術を採り入れることを狙っているとされています。

このような状況下、日本が取るべき最終方法は、3項のレアアースを使わない技術の確立と実用下です。上記記事にありますように、TDKや日本電産などが開発を続けています。

また、政府も同様の研究開発を支援しており、独立行政法人 産業技術総合研究所(産総研)は、2011年7月6日に 『ジスプロシウムを使わない高性能な等方性焼結磁石』 として開発成果を発表しました。

今回、日本電産が発表しましたのは、EVやHVに必要なジスプロシウムを使わない磁石の実用化で2013年にも実用化されるとのこと。多分、TDKも同様な動きをするとみています。

ジスプロシウムを使わない磁石の必要性が技術の開発を促進し、2013年度にも実用化される、国内企業の実力を再認識できました。

今後、他企業からもレアアースを使わない技術がどんどん実用されてくることを大いに期待します。
これらの実用化された部品・製品は、国内企業の事業基盤強化に大きく貢献します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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