日経記事;日産ベンツCクラスにエンジン供給米市場でに関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;日産ベンツCクラスにエンジン供給米市場でに関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月9日付の日経新聞に、 『日産、ベンツ「Cクラス」にエンジン供給 米市場で「インフィニティ」と共有 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は8日、資本・業務提携している独ダイムラーにガソリンエンジンを供給すると発表した。米国の既存エンジン工場で生産し、ダイムラーが米市場で販売するメルセデス・ベンツ車向けに供給する。

日産がダイムラーにエンジン供給するのは初めて。世界経済の先行きが不透明さを増すなか、工場稼働率を平準化したい日産と、投資負担を減らしながら米市場の攻略を加速させたいダイムラーの思惑が一致した。

日産は米デカード工場(テネシー州)で、主に米国で生産する日産車向けエンジンを造っている。年産能力は約95万基。

同工場では2014年に直列4気筒のガソリンエンジンの生産を始める。排気量は2500cc級とみられる。同工場の生産能力には余力があり、既存ラインで生産する。

この直列4気筒エンジンはベンツ向けに供給するほか、日産の高級車ブランド「インフィニティ」の複数車種に搭載する計画で、最大稼働時の生産規模は年間で25万基になるという。

ベンツの中型セダン「Cクラス」に供給するほか、日産がインフィニティの新型小型車として開発中の「エセレア」などにも採用する見通し。

デカード工場で生産するインフィニティ向けエンジンは一部大型車向けだったが、量販モデル向けも手掛けることになる。

ダイムラーは、ベンツで最量販車となるCクラスの現地生産を、すでに持つ米アラバマ州の工場で14年に始めることを予定するなど、米乗用車市場の攻略に力を入れる構え。

ただ北米にはベンツ向けのエンジンの生産拠点がなく、調達が課題になっていた。日産も円高・ドル安が続く中で米での工場稼働率を中長期的に安定させるため、ダイムラーとの提携を生かす。

日産は10年春、連合を組む仏ルノーとともにダイムラーと資本・業務提携した。3社が相互に出資し、事業面でも次世代環境技術の開発や部品・車台の共通化などで連携を進めてきた。エンジンの相互供給は、提携当初に掲げた協業の重要な項目に挙がっていた。

トヨタ自動車が独BMW、スズキが伊フィアットから欧州市場向けの車両に搭載するディーゼルエンジンをそれぞれ調達するなど、自動車メーカーは心臓部であるエンジンの最適調達に動いている。

世界景気の不透明さに加え、新興国市場が急速に立ち上がっていることもあり、各市場向けに1社単独でエンジンや車体の開発・生産を手掛けることが難しくなっている。

今後、特定の事業や技術を相互補完し、経営リスクを抑える協業が一段と広がりそうだ。』


日・欧・米の自動車メーカーは、業務提携を活発に行いながら、自社の投資やリスクを抑えたり、販売数量を拡大するなど、お互いの依存度を高めながら、競走する「成熟な関係」の段階に入りつつあります。

これは、記事にありますように、先進国市場が成熟化し大きな需要増を見込めないこと、新興国市場の伸びは期待できるが欧州の債務問題などで不安定化するリスクがあること、環境対応の強化のためより高度な低燃費車を開発・供給する必要があることなど、多くの背景・理由があるためです。

激しい競争を行いながら、お互いに助け合う関係を築き、維持するには、お互いに信頼できる関係であることが必要です。

お互いに尊重しながら協業し、競走すべきところは、負けないようにきっちりと全力を尽くして行う姿勢です。

業務提携を上手く行うためには幾つかの条件があります。

1.コミュニケーションがきちんと取れること。
2.お互いの考えを尊重し、常に「Win/Win」の関係を維持できること。
3.約束したことはきちんと履行すること。
4.ウソはつかないこと。
5.秘密保持をきちんと守り、不正行為を行わないこと。
6.両者の約束事項や秘密保持事項などは、覚書などの契約書として取り交わすこと。など

自動車メーカーは、ここ10年以上の期間でみますと、上記のような条件を当たり前のような感じで満たしながら、成熟化した業務提携を行ってきました。

スズキとフォルクスワーゲンの業務提携失敗は、例外的なケースです。

この業務提携を上手く行っている理由は、上記しました様に世界市場で環境対応しながら、現地仕様に合った車作りを1社単独で行うには、リスクが高いためです。

リスク分散を行うには、自社の経営資源を得意或いは必要な分野に集中し、その他の分野への投資は減らして業務提携を上手く行ってカバーすることが重要です。

私もこの観点から、今まで中小企業の業務提携を上手く行うよう支援してきました。

業務提携を行う大前提の一つに信頼関係があります。日・欧・米の自動車業界の場合、暗黙の前提としてこの信頼関係があります。

国内自動車業界では、昨年大震災後に各社が協力し合って、工場再開を支援したことも、この信頼関係からあるから出来得たことです。

中小企業の場合、時々業務提携の構築・維持が難しくなる時があります。ひとつの要因が信頼関係の欠如です。

信頼関係は、日常業務を通じて熟成される場合が多いものです。今まで取引のなかった企業同士がいきなり信頼関係を持つことは難しいです。

このような場合、私は常に上記1から6の事項などを照らして確認し、構築・維持するか止めるか、経営者に考えてもらい、決断してもらうようにしています。

業務提携は、お互いの工数やコストをかけて行いますので、想定した成果をきちんと出せるようにする必要があります。成果が期待通りに出せない業務提携は止めるべきです。

そして、信頼関係は、業務提携を行いながら育ってきます。

業務提携は、お互いに限られた経営資源を有効に活用しながら、事業展開できる極めて有効な経営手法の一つです。上手く使って業績拡大につなげましょう。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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