日経記事;ホンダ、インドに二輪車の開発拠点 に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;ホンダ、インドに二輪車の開発拠点 に関する考察

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皆様、おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

1月7日付の日経新聞に、『ホンダ、インドに二輪車の開発拠点 将来アフリカ向けも視野』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ホンダはインドで二輪車の設計・開発に乗り出す。世界全体の生産台数に占めるインドの割合が2割に迫るなか、現地のニーズをくみ取った低価格の専用車種を投入する必要があると判断。

国内で設計した製品を現地工場で製造していた仕組みを改める。将来はインド国内だけでなく、アフリカなど向けの製品開発拠点として位置付ける。

インド二輪車子会社ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア(HMSI)の第一工場(ハリアナ州)敷地内に開発拠点を建設し、現地向け車種を設計する。

投資額は10億円弱で2013年3月期中に稼働開始する計画だ。ホンダは日本以外ではタイで東南アジア諸国連合(ASEAN)向けの二輪車を設計しており、開発機能を持つ海外拠点ではインドは2カ国目。

同社はエンジンのほか、フレームや足回りなどの車両の性能を左右する部分は日本で設計しており、インドでの開発機能は市場調査や現地向けの外観のデザインなど一部に限られていた。数年以内に研究開発の人員を拡充し、インドでエンジン以外のすべての部分を開発できるようにする。

ホンダは13年前半までにインドでの年産能力を現在の220万台から400万台に引き上げる。今後も新工場を建設し、20年ごろまでに1000万台規模に増やすなど能力増強を急いでいる。労務コストが低いインドで開発から製造まで一貫して手掛けることで価格面でも競争力をつける。

将来は同国で設計、製造した製品をアフリカに輸出する計画。アフリカでは中国やインドのメーカーがシェアを伸ばしているが、インドで開発・製造した製品を輸出し対抗する。』


本日の記事は、ホンダが新興国向けの二輪車開発拠点を、タイに次いでインドに新規設置することについて書いています。

国内製造業が世界市場で商品を販売する時に、欧米市場の先進国と、アジアやインド、中南米、アフリカなどの新興国向けの商品では、顧客から要求される性能・機能・価格が異なります。

従来多くの国内企業は、先ず先進国向けの商品を開発し、新興国向けの商品は先進国向け商品から機能や性能を落として、販売価格を下げた商品(ストリップバージョンとも呼ばれていた)開発を行っていました。

このやり方の方が、一元化した国内開発チーム運営の効率が良かったことと、国内開発投資の回収が可能になり、新興国でもそれなりに売れていたからです。

中国や台湾、韓国企業の中で、新興国市場に参入するために、当初からその市場を標的にした性能・機能を持った低価格商品を開発・供給してきた企業が成功してきました。

欧米企業も、現地要求に合った商品を提供するところが増えてきて、国内企業のシェアを奪うようになってきました。

現在多くの国内製造業は、このような状況変化に合わせて、新興国向けの専用商品開発を行い、現地で製造するケースが増えて来ました。国内製造業の中で、以前よりインド市場に特化した乗用車開発・製造で成功したスズキは、数少ない事例でした。

幾つかの国内製造業者は、製造に加えて開発拠点を新興国に設置しています。これは、市場に近いところで顧客のニーズを理解することと、現地人の開発者を確保してそのニーズに合った商品を低コスト且つ短期間に開発することを目的にしています。

国内開発者を使って現地ニーズに合った開発を行うやり方が、投資効率や回収の観点から難しくなっている企業が出てきています。

その解決策の一つとして、現地にて開発拠点を持って開発の低コスト化と開発効率向上を確保するやり方が増えて来ました。開発投資回収を確実に行う方法の一つです。

世界に複数の開発拠点を持って事業展開する時に重要なことは、当該企業にとって重要な開発方針を維持堅持するための仕組み作りです。

例えば、乗用車だと、仕向け地や価格に関係なく、「安全・安心」の確保は必須です。この「安全・安心」を保証するための開発ポリシーの明確化と周知徹底や情報共有などを行う必要があります。

ITを活用し、フラットな開発拠点間のスムースなコミュニケーションが出来るように工夫することも重要です。

どこの国であれ、何らかの事故が起こって、一旦顧客の信頼を失うと回復するのは容易ではありません。単に開発コストが安いから、或いは開発効率が良いからなどと、短絡的な目的のためだけに現地に開発拠点を持って展開し、コントロール出来ない場合、後で強烈なしっぺ返しを食らうリスクがあります。

この点、多くの欧米製造業者は、世界各地域の開発拠点をうまくコントロールするノウハウを持っています。

これから、海外に開発拠点を持とうとする中小・中堅の製造業者は、事前に、既に実績があるホンダやトヨタ、日産或いは大手家電メーカーなどの国内企業や欧米企業のやり方を研究して、海外開発拠点の設置、運営ノウハウを確立する必要があります。

この入念な事前準備を行って、海外に開発拠点作りを行うことが重要です。また、設置後も緊密なコミュニケーションを行いながら相互の理解と情報共有化を進めることが上手く行かせるための工夫の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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