緊急投稿 中学入試 入試直前期の過ごし方 「親は……」 その3 - 中学校受験対策 - 専門家プロファイル

岡松 高史
岡松教育進学研究所 代表
愛知県
家庭教師

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対象:子供の教育・受験

大澤 眞知子
大澤 眞知子
(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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緊急投稿 中学入試 入試直前期の過ごし方 「親は……」 その3

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話を直前期の過ごし方に戻して、今回は「具体的な日々の過ごし方(過ごさせ方)について」お話ししたいと思います。

 

地域によっては、学校に行かせるか、それとも、家で勉強させるかが、問題というか悩みのタネになる場合もあると思いますが、結論から言えば、これも、これまでお話ししてきましたよう、受験生本人が「心やすらかに、入試日を迎えること」を第一に考えるべきだと思います。

つまり、本人が学校に行きたいと言えば行かせ、家で勉強したいと言えばそのようにさせるのです。

そうは言っても、ほかの受験生が勉強しているのに学校に行かせて遅れを取らないだろうかと、心配される保護者の方もいらっしゃると思います。でも、本人が学校に行きたいと考えているのに無理矢理椅子に縛り付けても勉強に身が入りません。学校に行くことで生活のリズムを保てる子、友だちと思いっきり走りまわることで受験勉強のストレスを解消している子などがいます。また、学校は学校で、6年間の小学校生活の締めくくりの時期にもあたります。ですから、本人が学校に行きたいと言えば、そのように学校に行かせてやる方がよいでしょう。ただし、学校から帰ったあとのスケジュール管理をしっかりとし、1日の生活にメリハリをつけて過ごさせるようにします。学校に行った分、家庭では集中して勉強できるように「仕向ける」のです。もちろん、インフルエンザなどが流行した場合は、休ませることを事前に約束させておきます。

参考までに付け加えておくと、私の知る範囲では、「学校に行かせた+残念な結果に終わった」という場合でも、これらを因果関係で繋いで、「学校に行かせた『から』思わしい結果が得られなかったのだ」「3学期は、学校を休ませておけばよかった」という声は聞いたことがありません(もちろん、聞こえてこなかっただけ、という可能性もありますが)。

 

学校を休ませる場合に注意することは、生活のリズムを狂わせないことです。学校に行っていれば、否が応でも午前8時台後半から授業が始まりますから、入試の開始時刻とさほど違わない時刻から頭を働かせることになります。しかし、家にいると、夜型の生活スタイルをずるずると続けてしまったり、前日はよく頑張ったから少しゆっくり起きてもいいだろう(少しゆっくり寝かせておいてやろう)ということで生活リズムが崩れてしまったりしがちです。ですから、起床時刻管理を徹底する必要があります。

また、夜型の方が合っているということで、夜型の生活をある程度続けるのもよいでしょうが、どこかのタイミングで朝方に変更する必要があります。数日でスッキリと切り替えられる子、もっと日数がかかる子などさまざまですから、お子さんの様子を見て、指示を出す必要があります。

もうひとつ、学校を休ませる場合に考えておきたいことがあります。先ほどは「家で勉強をさせる」と書きましたが、なかには「塾で」とお考えの方もいらっしゃるかと思います。ただ、大手塾の場合は(「内緒でこっそり」というケースはあるかも知れませんが)、原則、「学校が授業を行っている時間帯は塾に来ないように」というルールになっているようです。地域や地元の学校との間での無用なトラブルは避けたいということでしょう。そこで、この時期になると、そうした大手塾の近くで「私のところでは、朝から指導をしますよ」といったチラシが配られることがよくあるようです。もともと通っていた塾がそのような指導をしてくれて、なおかつ本人が納得している場合は、そのような指導を受けるのもよいでしょう。しかし、それまで通っていた塾とは別の塾で、この時期だけ指導を受けようとする場合は、慎重に判断する必要があります。ただ「不安だから」といった理由で別の塾の指導を受けさせるのは、リスクが高いからです。これまでの指導の流れというものがあります。大手塾ほど「入塾から入試までのカリキュラム」がしっかりと組まれているはずです。そこへ「接ぎ木」をするわけですから、うまくつながらない可能性があります。カリキュラムだけではありません。先生の指導法やこれまでにその先生から受けてきたアドバイスがあります。それと矛盾するような指導、アドバイスを受けて、お子さんが混乱した場合、その混乱を解消する時間的精神的余裕がありません。ですから、私としては、「直前期だけ、別の塾へ」という選択は、あまりお勧めしません

 

とにかく、一にも二にも、受験生本人が「心やすらかに、入試日を迎えること」を第一に考えてください。

 

 

最後に、「受験対策を始めてからの日々を、家族でふり返る時間を取ること」をお勧めして、このコラムを終えたいと思います。

私は、家庭教師をしていますが、「入試前日に最後の指導をして欲しい」、あるいは、保護者の方から「入試前日は、自分が耐えられそうにないので、話し相手になりに来て欲しい」というご依頼を受けることがあります。こうした場合、特に後者の場合は、状況によって次のようにお話しすることがあります。

「お母さん、その日はお子さんとご家族で話をする時間はとってありますか」

「その日は、受験準備に入ってからそれまでをふり返って、ご家族でお話をされるといいですよ」

私がこのように勧めるのは、この日こそ「家族の絆」を強く深くする最良の機会だと思うからです。

「あんなことがあった」「こんなこともあった」

「あなたは、それをこう乗り切った」

「あのとき、お母さんは(お父さんは)こんな風に考えていた」などなど。

受験生本人には本人の、保護者には保護者のドラマがあったと思います。そんなドラマをふり返り、語り合う時間を取ってもらいたいと思うのです。

中学入試は「家族で臨む」試験です(保護者面談が実施されるか否かにはかかわらず)。今の時代、「家族が『一丸となって』事に当たる」という機会はほとんどないのではないかと思います。せっかくそんな機会が持てたのですから、これまでの道のりをふり返って頂きたいのです。

お父さん、お母さん、保護者の方は、子どもに対する気持ちを素直に語ってやってください。

「結果が出てから」とおっしゃるかも知れませんが、それではただの「お祝い会」か「反省会」になってしまいます。受験を控えた今だからこそ、「結果に振り回されることなく」それぞれの思いを伝えあうことができるのではないでしょうか。

親が自分のことをそこまで真剣に考えてくれていることを確認することは、子どもにとっては試験当日の力強い「支え」にもなることでしょう。

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