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三瀬 宏太
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TPPと税理士制度

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その他 2012-01-04 18:43

新年明けましておめでとうございます。

本年もどうぞ宜しくお願い致します。年明け1発目のブログ投稿です。

 

本日、日経新聞を読んでいましたら、最近ニュースを賑わしているTPPとFTAとEPAの違いについて書いてありました(以下「日経新聞1月4日朝刊」より)。

FTA…特定の国や地域との貿易で関税をゼロにするもの

EPA…モノだけでなくサービスや投資も自由にするもの

TPP…多国間で結ぶEPA

 

そこで、TPPが税理士制度に与える影響を考えてみました。まず、関税が原則100%撤廃されるという事は、当たり前の事ですが、関税のアドバイス及び申告を主たる業務としている税理士さんの仕事は無くなる事になります。最近では、大手税理士法人もこの関税に関するアドバイス業務を行っていたりしますので、TPPの影響を受けざる負えないのかと思います。

 

なお、現時点でTPP参加国に税理士制度を有する国は無いようです。つまり、我が国では、税理士という資格がないと出来ない税務業務も、他国では、誰でもできる自由業務、あるいは税理士・弁護士・公認会計士資格の名称独占業務となっています。こうなると世界からの圧力により、税務業務を開放すべきとの要求が生ずることも考えられるが、日本国内において税務業務を開放しない事が日本の国益につながる事である為、独占業務として維持し続ける必要があります。

 

また、日本の専門資格である公認会計士制度と弁護士制度には、既に外国公認会計士制度と外国弁護士制度が導入されている。従って、今後、税理士についても外国税理士制度の創設を求められる可能性はあります。実は、お隣の韓国では、既にこの様な流れの影響を受けているようです。韓国は、2011年6月に税務士法を改正し、税務士法の中に外国税務諮問士制度を設けています。

 

私の個人的な意見と致しましては、会計のそもそもの目的は適正な期間損益計算であり、誰のための情報かと言えば、主には、株主に対する情報といえるかと思います。従って、これだけグローバルな社会になってきているのであれば、投資家がどの国のどの会社に投資するかを考える上で、会計は世界共通にしていく必要があります。しかし、税務の目的は、学問的な用語を使えば、課税の公平です。言い換えるとするのであれば、納税地で発生した所得に対して、適正に税金を課し、各国の税収を確保するためのものかと思います。各国の国益を侵害しないという意味では、各国との調整は必要になるかと思いますが、それはOECDモデルを基に租税条約等で対応していけばいい話で、各国の経済環境がこれだけ違う現状では、税務を全世界共通にするという事は、不可能かと思います。いずれにせよ、外国税理士制度について議論されることは、TPPへの交渉参加に向けて協議に入る意向を表明したばかりの日本にとっては、まだ先の話になるかもしれませんが、日本が世界経済で優位に進めていくためにも独占業務を開放することは、日本の国益を害する事に繋がりかねないと思います。

 

税理士 三瀬 宏太

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