- 鈴木 克彦
- 株式会社マクス 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
お客様とお話していて、こんな意見を仰った方がいらっしゃいました。
「家を子孫に受け継ぐ、と言う考え方は分かるんですがね、家を建てる時って、大変だけど、本当に面白いじゃないですか。
このドキドキ感・わくわく感を、息子にも味合わせてあげたいんですよ。」
正直、う〜ん、と唸ってしまったのですが、今後の時代背景を考えると、そうも言っていられない側面があるのではないかと思うんですね。
例えば、いわゆる団塊世代の方と、その子供、団塊Jrと呼ばれる人たちを見比べてみましょう。
何も物のない時代、
高度成長期で必死に働き、
「倹約」を美徳として育ってこられた。
住宅を購入後も、
土地は上がり、
経済成長によるインフレで実質の住宅ローンは減少。
ボーナス・退職金・年金共安泰!
方や、
物に溢れた消費の時代、
働き蜂ではいけないと言われ、
何でもローンで手軽に買って、貯金が無い。
土地神話崩れ、
ボーナスどころか雇用だって完全じゃない。
年金システムもお先真っ暗…
この違い、団塊Jrの部類に入る私も、認めざるを得ない事実。
そうなると、30年後に建て替えなんて、全く持って不可能なばかりか、その後、生きて行く場所が無い!
何て事になってしまうと言うことです。
建てては壊す…
こんな地球環境にも悪い事は、改善して行かなければなりません。