ライフ・キャリア 11:「生きかた」としてのキャリア - キャリアカウンセリング - 専門家プロファイル

市村 光之
キャリアリーブス 代表
東京都
キャリアカウンセラー

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対象:キャリアプラン

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ライフ・キャリア 11:「生きかた」としてのキャリア

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キャリア形成

このコラムの元は大学でのキャリアデザイン講座の講義ノートです。その大学では2年生を対象に、この1年、職業観の醸成を目指してあの手この手で話をしたり、ワークを試みています。先日、そんな学生たちに「私の職業観」というテーマで小論文の作成を課しました。読むと、まず出てくる答えは「生活のため」でした。仕事の現実感がない学生たちですので、致し方のないことではあります。では、職業体験を積んできた読者の皆さんは、どのように考えますか。

「スローフード」ということばをご存じと思います。ハンバーガーや立ち食いそばなど、世間にたくさんあるファストフードは空腹を満たすために手軽に素早く食べられるものです。そうではなくて、食材や調理にこだわることも含め、調理のプロセスや食べることそのものを楽しむ食事をしよう、そうすることで食生活が豊かになり、心も体も豊かになる、というのがスローフードです。

慶応大学のキャリア理論研究者、高橋俊介先生の造語に、「スローキャリア」があります。生活の糧を得ることが働く目的の一つであることは確かですが、ファストフードが空腹を満たす手段であるように、職業は単にお金を稼ぐための手段ではないはずです。働くこと自体に喜びを感じ、大切に思えるような仕事をしよう、というのが「スローキャリア」の考え方です。

キャリアに勝ち負けはありません。大企業に就職することが唯一絶対の価値ではありませんし、肩書や年収も、それらに価値を感じる方がいることは否定しませんが、すべての人にとって最優先の価値ではありません。シャインのキャリア・アンカーの考えかたのように、職業人として、かつ家庭人、市民として大切にしたいこと、実現したいことは人それぞれのはずです。自分で自分の仕事に誇りと遣り甲斐を感じ、自分のキャリアを幸せと思えるような、自分だけのオンリーワンキャリアを目指せ、と高橋先生は言います。

筆者は、職業人としての「幸せ」の根源は「働く動機」にあると考えています。ハンセンが挙げた、《仕事》、《愛》、《学習》、《余暇》の人生の4要素をどのように統合して、自分が、いま、ここに、働く、その動機に、繋ぐことができるか、です。私たちそれそれが、自分のオンリーワンキャリアを模索していくことが求められています。

「ライフ・キャリアを考える」と題して11回に渡り、お話してきました。ひとまず、今回が最終回です。あまり偉そうなことを申し上げる立場にはありませんが、40年の長い社会人人生の中では、さまざまな転機や課題に直面することでしょう。そんなキャリアの転機に、読者の皆さんと出合い、一緒に考えることができたら、これに優る幸せはありません。

一度きりの人生。どう生きるかはあなた次第であり、どう生きてもあなたの人生です。自分らしく、楽しく生きたいものですね。

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