なにがどうなる年金改革案 - 公的年金・年金手続 - 専門家プロファイル

釜口 博
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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なにがどうなる年金改革案

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ファイナンシャルプランナーが天職!
BYSプランニングの釜口です。

テレビのニュースでも様々な議論が繰り広げられ、
国民の関心も高まっているのが、
ここ最近の年金改革議論ではないでしょうか?

しかし、実際どの改革案が実行されるのかさっぱり分からない
というのが、ほとんどの方の意見ではないでしょうか。

そこで、今回のメルマガでは、来年実行される可能性が高い
改革案に絞ってお伝えしたいと思います。


1.受給資格期間の短縮
 
 実行も容易であり、意義がありそうな改正として、
 受給資格期間の短縮があげられます。
 現在、国の年金制度は通算で25年加入し保険料を納めなければ
 1円ももらえない仕組みになっています。

 これについて10年ほどに短縮し、加入期間が短い人も年金を
 受けられるようにするものです。
 掛け捨てにならない人が増えるため、実行するほうがよい改正です。
 
 ただし、気をつけなければいけないのは、年金を受けられる金額も
 支払った期間に応じて少なくなります。
 

2.デフレ下でのマクロ経済スライド発動
 
 年金支給額を減らす試みのひとつとして重要な項目が、
 このデフレ下でのマクロ経済スライドの発動による年金減額です。
  
 日本の年金制度の原則として、物価が上下動すれば年金額も上下動するのですが、
 過去のデフレ下でも年金額を引き下げていなかった分が2.5%相当あり、
 累積で7兆円の払いすぎがあるとされます。
 
 高齢者への人気取りのため、選挙で負けないため、今まで先延ばしに
 してきた結果、日本政府は年金財政を悪化させてしまったのです。
 
 ですから、この引き下げは物価下落に相当する分として
 本来下げるべきものであり、正当な引き下げです。
 
 このメルマガの賢明な読者の方には、この点は間違いなく
 理解していただきたいと思います。
 
 選挙ことしか頭にない政治家が、高齢者の生活が大変になるので
 反対であると言っているのはそもそも間違っているのです!!
 

3.短時間労働者の厚生年金の被保険者枠拡大
 
 厚生年金に入るかどうかは、正社員か非正規かの区別ではなく
 労働時間で判定します。
 
 現在は週3/4以上働いていることが判断基準なのですが、
 これを週20時間のようにもっと厳格にしようというものです。
 これにより今までよりも多くの人が厚生年金に加入することになります。

 この改革は、第三号被保険者である妻の働き方にも影響すること。
 専業主婦であるにも関わらず、国民年金保険料を支払い義務のある
 自営業者妻との不公平感の解消にもつながる制度であり、
 この取り組みはとても重要であると思います。
 

4.低年金者への加算
 
 年金額があまりにも少ない者に対して一定の加算を行おうというのが
 この改正です。
 地域や世帯の状況によっては生活保護を下回る年金になることが
 指摘されています。
 年金額が極端に低い者については一定の加算をしようというものです。
 
 ただ、この改革は不公平感を解消させるための運用がかなり難しいので、
 実行までには紆余曲折があると思われます。


5.高所得年金受給者の年金減額
 
 高所得(例えば年収1000万円以上)でありながら公的年金を満額
 もらっている人は、本来の年金制度の目的にミスマッチしています。
  ※本来の老齢年金制度の目的は、所得が低いため生活がまま
   ならない高齢者を救済するためのもの。
 
 こうした高所得者について、何らかの年金減額を行えないかと
 いうのがこの改正です。

 ただこの運用もかなり実行が難しいと思われます。

 給与を受けている高所得者については在職老齢年金という仕組みで
 年金を減額しているのですが、他の所得で年収のある年金生活者は
 減額する仕組みがありません。
 
 生活に問題のない高所得者について年金給付額の一部を減額する
 (あるいは増税する)制度も、緊迫した日本の年金財政にとっては、
 試金石となると思います。
 国民に理解してもらうよう、政府によるしっかりした説明が必要です。

 
6.産休期間の保険料免除

 もともと育休期間は免除対象(会社分も本人分も国が保険料を
 払ったことにしてくれる)なのですが、産休期間は対象に含まれて
 いませんでした。

 期間としていえば、産休期間の方が育休期間よりも短いわけです。
 しかし、子育てにかかる国民の年金保険料負担を軽減し、
 また将来の年金額を増やす取り組みは、少子化を改善するという
 意味で有意義な改革だと思います。


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