不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【2】 - 土地・境界トラブル - 専門家プロファイル

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不動産業者も見落とす、物件購入の落とし穴‐【2】

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物件購入の落とし穴 土地購入のトラブル

今回の、『不動産業者も見落とす、物件の落とし穴』には、あえてタイトルを外してみました。

実際にあった物件の写真から何が問題なのか、観察して頂けたらと思います。



では・・・

右の物件写真を見て下さい。

注意した方が良い共通点があります。


どうでしょう? ここではと感じるところはありますでしょうか?


この物件の注意点は、重要事項説明書や契約書でも説明されないケースも多くあります。

そして、説明する・説明しない以前に、不動産業者でも具体的な注意点や問題点、買主にどんな損失を出す可能性があって、どんなトラブルに発展する可能性があるのか?

その回避には、どんな調査をし、買主へどんな注意喚起をして、どんな契約条件の交渉をすれば良いか?

おそらく、それらに気付いて具体的な回答ができる営業マンは少ないのではないかと思います。




答えは本当に簡単です。





答えは・・・


「物件の間口に、車両の出入り等で支障となる障害物がある」です。

上の写真ではガードレール。
下の写真では植栽。

この土地に建物を建築して、車庫スペースを作ったとしても、このままでは意味がありません。



他にも電柱、支線、カーブミラー、街灯、標識、広い道路ですと車道から歩道にかけてある高低差などがあります。
本地の前が近隣のゴミ置場だったりすると、現地確認時にはなかった大量のゴミが、毎朝、可燃やら不燃やらと障害物となったり、臭気が生じる原因になったりもします。


こういった障害物は、視界には入っていても、建築プランの駐車場部分と照合したイメージや、その不便具合を予見するところまでは考えが回っていないものです。
物件が更地の場合は特にそうです。



調査としては、

・障害物の撤去や移設にかかる費用の確認

・本当に撤去などができるものかどうかの確認。


費用については、行政などが負担してくれることはなく自費だと考えて下さい。なので、それらの工事を行っている業者に現地を確認してもらい、見積もりを出してもらうと、想定外の出費が回避できると思います。金額はその業者にもよるでしょうけど、過去に聞き込みした案件でお話しすると、一般的な広さの個人宅の敷地間口で5m~10m程度の場合、15万~80万くらいでした。電柱の移設・撤去などはもっと掛ることもあります。


撤去などが出来るかどうかについては、物件によります。

例えば、ガードレール、植栽、歩道の切り下げ工事などは、交差点近くでは警察署との協議や了承が必要だったり、バス停・隣地境界の近くも原則はダメなことが多いです。
電柱は設置間隔や設備の状況などで、技術的に移設・撤去が出来ない事もありますし、どの位置に移設するかでも技術的にだけでなく、近隣住人や道路所有者の承諾がもらえずに撤去等が出来ないケースもあります。
標識やガードレールについても、その位置に設置されていなければ意味がないものなどや、管理者(警察・教育関係の団体)から承諾がもらえないことが原因で難しい場合があります。
ゴミ置場については、清掃事務所などが位置を指定している訳ではなく、近隣住民同士の話し合いで決定し、届出・清掃事務所職員による現場確認によって収集開始の決定がされます。利用についてもそうですが、廃止についても利用者・近隣住民との協議が必要になります。移設先は当然誰かの敷地前になりますから、承諾する人などなかなか居ません。
以前からそこに集積所がある物件を、後から来て買った人が継承するのが当然として、現況のままというのが殆どです。

様々な理由・事情から、お金をかけても移設や撤去ができないことが多くあということです。駐車場付きの家に住むことを想定してた人にとっては、それら障害物によって敷地内に車が出入りできないことは大問題です。



仕方なしに駐車場を借りた場合、都内23区内なら月3万くらいはかかるのではないでしょうか。

月3万円の支払いを住宅ローンで話しますと、金利2.475%の35年ローンで、850万円くらい余計に借りているのと同じ負担額です。

それだけ払うなら車庫付き、850万高額な物件だって検討できたかもしれませんし、払い続けることが難しい場合、車を売るか家を売るかという選択に発展するかもしれません。
生じる金額を住宅ローンや物件価格に換算すると、大切な注意事項に感じられるかと思います。



撤去・移設の金額や可否について、売主へ確認、交渉しておくと良いのが、

・売主側の負担と責任で、撤去や移設を行ってくれるかの確認。それを契約条件として明文化してもらえるか。


・買主側で行う場合、引渡(残代金支払時期)前に、撤去や移設の調査、協議などを行ってよいか。それで移設・撤去ができない際の契約の取扱いはどうするか。


などです。


おそらく、こういった物件状況でトラブル回避を考慮した、契約条件の交渉・書面での条件明文化を行っている業者はまだまだ少ないと思います。ご自身でのリスクヘッジがまだまだ大切です。




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株式会社アドキャスト 代表取締役

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売ってしまえば終わり・・・になりがちな不動産業界の現状に疑問を抱き、不動産購入には欠かせないお金の勉強をスタート。FP資格を取得。住宅購入に向けての資金計画、購入後の人生設計までトータルにサポートする「一生涯のパートナー」を目指しています。

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