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五十嵐 弘史
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資金繰り表管理の大切さ

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管理会計に関すること

資金繰り表

「資金繰りの管理」は開業・創業まもない方から零細・中小企業、または成長過程にある会社とすべての企業にとってなくてはならない管理資料の一つと言えます。しかし、資金繰りの管理をしている企業様は、ある程度の規模になれば当然ながら経理部隊や財務部隊があり、そこで管理会計の一環として行っておりますが、実際お問い合わせいただくお客様の中で、管理をしているまたは作成したことがあるという企業は少ないのもまた事実です。

そこで今回は資金繰りの管理の重要性や作成ポイントについて記載していきたいと思います。

なぜ大切か

資金繰りとはいわば経営における血液の流れを示した資料になります。人間は血液なくして生きてはいけません。そして、その人間の体内では常に血液がめぐり、いろいろな成分を運んでおります。そして、定期的に健康診断等を受診して血液検査を行い、体の異常がないかどうかを調べ、問題や改善点等があれば再検査をし、早期治療に努めると思われます。

それと同様に経営には現金(収入)があり、そして運営するための原価をはじめ、人件費や広告宣伝費等の諸経費の支出が発生するものであり、それなくして企業は成り立ちません。そして、その流れを把握せずに、当たり前のように企業血液である現金を「あるもの」と誤認をした結果、実の症状が末期になっていたのがわからず、「金足らず倒産」になってしまう可能性があります。

では、この循環を記録しているのが経理側で作成される「損益計算書」と思われがちになりますが、損益計算書にある「売上」イコール「収入」、「利益」イコール「残金」完全にはイコールにはなりません。企業の中には現金主義で会計処理をされている方もいますが、多くの企業では発生主義である売掛金や買掛金などの実際現金が支出してない科目も使用して損益計算書を作成します。つまりその発生主義で作成された損益計算書は、現金の流れを純粋に記したものではなくなり、それを基に経営戦略であったり、現金の状況を予測することは誤認を招く事が考えられます。誤認結果した場合、早期の資金調達が必要であったり、気付かないうちに手の着けようがない状況に陥ってしまいますので、外部に提出する損益計算書であり、売上や利益はとても経営状況を把握するうえではとても大切ではありますが、「現金」に着目するには損益計算書ではなく、「資金繰り表」を作成する必要があるということです。

意図

資金繰り表を作る最大の意図は資金ショートの未然防止策にあります。金融機関から資金調達をする際に要する時間は、保証協会の審査も含めて最短で1ヶ月、最長では何ヶ月もかかる可能性があります。つまり、少なくとも1ヶ月先以上の企業資金の予測を行っていなければ、資金ショートは80%防げず、あらゆる方法を使って直近での資金ショートは防げたとしても、ただ時間を稼いだだけにしかすぎません。しかし、資金繰り表を作成しておけば、「いついくら必要なのか」が明白になり、資金調達における金融機関交渉等に焦りがなく取り組めるのです。お問い合わせの中で「明日資金がなくなる」というご相談が多々ありますが、資金を把握していればその不安がなくなり、かつ急遽いろいろな資料をそろえる必要もないく、事前準備も万全に行えるため、資金調達の交渉がスムーズに進めることが可能になります。

他にも資金繰り表を作成する過程の中で自社における費用の支出方法、収益モデルなど多くの情報を取得する機会にもなり、収益と支出のバランスを考えた運営やコストの抑制ポイントなどを発見できる機会にもなります。

種類

資金繰り表の種類は次の3つが基本になります。

年別資金繰り表

月別資金繰り表

日別資金繰り表

有効的な各資金繰りの使用使途は次のとおりであり、最も重要な資金繰りは日別資金繰り表になります。

日別資金繰り表

資金ショートを未然に防ぐためにはこの日別資金繰り表を作成することが重要になり、3ヶ月先の予測を立てることが最も重要なポイントとなってきます。

3ヶ月先の資金繰りを考えるといっても、実績値から推移するだけでなく、戦略的支出も含めて考えていかなければなりません。つまり、稟議書や諸会議等の中で決められたことや、情報収集を行うことでその3ヶ月先の資金繰り表が精緻になってくるのです。

月別資金繰り表

月別資金繰り表は資金ショートを防ぐためではなく、限りある資金の有効利用を考え、支出と収入の推移等を予測することが可能となります。また、金融機関交渉においても、「返済能力」を見せる資料ともなりえます。

年別資金繰り表

年別資金繰り表は中期経営計画との連動を行い、5ヶ年における資金計画を立てる事が可能となる資料となります。

通常、中期経営計画は損益計算書を基に作成されるものですが、その計画に無理があると意味をなさない計画書となってしまいます。そこで資金繰りを分析しつつ、戦略を練り、支出に対する収益を確認して初めて損益計算書に反映し、5カ年計画書を作成する事が的確な資料となりえると考えられます。

ポイント

実績値を確認

いきなり作成することは不可能であるため、自社に適した資金繰りフォーマットを作成し、過去記録(通帳や出金伝票)を基に実績を入力し当月残高と一致するように作成します。

収入の推移を確認

売掛金等を考慮せずに実際に入金される収入の推移を乖離がないよう分析します。この推移分析は時間がかかりますが、とても重要な分析となりますので必ず行ってください。(だろう推移は資金繰り表の意味を為し得ません)

固定支出の確認

固定支出とは定額で毎月発生(または年会費など1年に1回支出されるものなど)支出する費用です。過去の実績等より抽出します。また、人件費も含まれます。

変動支出の確認

変動支出とは分析に用いる変動とは相違し、戦略的支出などを表します。つまり、広告宣伝費や販売促進費など多額の支出を伴う費用を示します。

借入金返済スケジュールの作成

現在借入金がある場合は、別途借入金返済スケジュールを作成し、資金繰り表に反映させます。

税金関連の算出

消費税や法人税など税金は資金繰りの圧迫要因にもなりえますので、収入推移と固定・変動支出を考慮することで消費税等大まかな概算が算出することが可能です。

ウェイト

本業を専念しなければならないということから、管理会計等の内部資料まで手がつけられないという方が多くいます。しかし、この資金繰り表は本業に専念し、かつ成長戦略では必要な資料となりますので、ぜひ作成されることをお勧め致します。

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