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日経記事;新日鉄/住金合併,公取委が条件付き承認 に関する考察

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経営戦略 M&Aの事例と経営上の課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月15日付の日経新聞に、『新日鉄・住金合併、公取委が条件付き承認 一部事業を譲渡』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。
 
2012年10月の合併を目指す新日本製鉄と住友金属工業の統合を目指すことにつきましては、今年の3月19日および、9月22日に進捗に従ってブログ・コラムを書いてきました。

公正取引委員会は12月14日、新日本製鉄と住友金属工業の合併を一部条件つきで認めると発表しました。
本日は、新日本製鉄と住友金属工業の合併について述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

[公正取引委員会は14日、新日本製鉄と住友金属工業の合併を一部条件つきで認めると発表した。市場縮小や輸入圧力を考慮する新指針を7月に導入してから初の判断。

懸念が大きかった鋼矢板やH形鋼などは独占禁止法上問題がないとした。審査期限に約2カ月先立つ早期決着は異例。合併審査の迅速化や判断基準の柔軟化が産業再編を後押ししそうだ。

承認を受け、両社は来年10月1日の合併を目指す。公取委は両社間で競合する約30分野で、独占禁止法に基づいて合併後に競争が無くならないかを審査。

このうち鋼矢板やH形鋼など国内シェアが高い6分野を重点的に調べた。「H形鋼は国内価格が上がれば輸入が増える」など新指針に基づいて、合併しても問題がないと判断した。

一方、公取委が条件をつけたのは2分野。エアコン用モーターなどに使う無方向性電磁鋼板は、住友商事に顧客名簿や取引関係など商権を譲渡。高圧ガス導管敷設などの事業では、新規参入業者に資材や自動溶接機を子会社と同じ条件で供給することなどで決着した。

両社の合併審査は2月7日が期限だった。ただ8月ごろには審査に必要なほぼ全ての必要書類を提出しており、審査期間を2カ月近く残しての早期決着になった。

経済界が合併審査の迅速化や透明性向上を要求したのを受け、公取委は7月に合併審査の指針を改正。今回、新指針に基づく審査事例が示されたことは大型の産業再編の呼び水になりそうだ。』


9月22日の時点で、問題なければ公取委は今年の冬までに結論をだすとみられていました。公取委は、12月14日に両社の合併を認める発表しましたので、ほぼスケジュール通りに審査が終了したことになります。

スケジュール通りに検討が進んだ背景には、新日鉄住金の両社が審査に必要な書類を8月頃までに提出していたことがあげられます。

公取委が示しています合併審査に関する新指針では、当該企業が必要書類を全て提出すると審査期限が設定される仕組みで、今回の場合、9月22日の時点で約2カ月後に結果が出る見込みとされていました。

今回のケースは、当該企業が必要書類を全て揃えれば、所定期間内に審査を終えることを証明しました。今後の公取委による、合併審査が合理的かつ迅速に進むことが期待されます。

今後の国内大手企業同士による、M&Aや合併計画に前向きな影響を与えます。合理的な説明がつけば、公取委の了解が短期間に得られることが明示化されたためです。

海外企業との競合や海外市場の開拓のために、条件が整い合理的な説明がつけば、M&Aや合併は、有効な経営手法としてより容易に使えるようになります。

変化の激しい事業環境下で、競争力を強化し、他社に打ち勝つために時によっては大胆なM&Aが必要になります。短期間に実行できる環境が国内に出来たことは大きな援軍になります。

同日付の記事によりますと、公取委が今回提示した条件は、2分野です。一つは、エアコン用モーターなどに使う無方向性電磁鋼板。これは住友商事に顧客名簿や取引関係など商権を譲渡でクリヤー。

もう一つの高圧ガス導管敷設などの事業では、新規参入業者に資材や自動溶接機を子会社と同じ条件で供給することなどで決着しました。

新日鉄住金によると、この二つの条件は経営に与える影響は軽く、ほぼ満額回答に近いものを得られたとのこと。

今後の新日鉄住金の課題は、2012年4月に合併契約を締結し、6月の両社の株主総会での承認後、10月に正式に合併するというスケジュールを守って着実に行うことです。

記事によると、両社の「統合検討委員会」は、人事・労務・組織などの分野で検討を行っており、審査結果の発表を受けて、生産、営業、研究開発などの主要分野の青写真作りを行います。

両社とも大手企業であるため、完全統合には時間を要しますが、今までの記事を読みますと、スムースなM&A・合併を行うための目的・成果の共有化、必要な事務作業を両社の「統合検討委員会」が着実に行っているようであり、順調に進むことが見込めます。

現在、世界経済はEUの債務問題などで不安定になっていますので、新日鉄住金は、今まで3年間で1500億円のコスト削減効果を見込んでいましたが、更なる積み増しを行うとのこと。

徹底した合理化で、アルセロール・ミタルなどとの世界巨大企業との競争に勝ち残れる企業になることが要求されます。勿論、新日鉄住金はそのようなことは事業計画の中に織り込み済みのはずです。

他社がM&A・合併を行う時の良い事例となりますので、引き続き今後の動きに注目していきます

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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