米国改正特許法逐条解説 第2回 (第12回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国改正特許法逐条解説 第2回 (第12回)

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米国改正特許法逐条解説  (第12回)

~第2回 冒認出願とレビュー手続~

河野特許事務所 2012年 2月3日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

第316 条 特許性,不特許性及びクレーム抹消の証明書

(a) 全般

この章に基づく当事者系再審査手続において審判請求期間が満了したとき,又は審判請求手続が終結したときは,特許商標庁長官は,特許を受けることができないと最終的に決定した特許のクレームを抹消し,特許を受けることができると決定した特許のクレームを確認し,また,特許を受けることができると決定した,提案された補正クレーム又は新規クレームを特許に編入する旨の証明書を発行し,かつ,公告しなければならない。

(b) 補正クレーム又は新規クレーム

当事者系再審査手続の結果,特許を受けることができると決定され,特許に編入された,提案された補正クレーム又は新規クレームは,(a)の規定に基づく証明書の発行前に,当該の提案された補正クレーム又は新規クレームによって特許されている物を合衆国において生産,購入若しくは使用した者,若しくは合衆国に輸入した者,又はそのための実質的準備をした者の権利に関しては,再発行特許について第252 条に規定されている効力と同じ効力を有するものとする。

第316条 IPRの処理

(a)規則-長官は規則を定めることができる。(中略)

 (5)関連する証拠のディスカバリに関する基準及び手続を規定する規則。ただし、当該でディスカバリは以下に限られる。

  (A)宣誓供述書または宣言書を提出する証人の宣誓証言(deposition);及び

  (B)その他、司法手続上必要なもの

 

(c)Patent Trial and Appeal Board (PTAB)は第6章に従い、本章に基づき開始された各IPRを実施する。

(d)特許の補正

 (1)概説-本章に基づき開始されたIPRの間、特許権者は1回の特許補正の申し立てを以下の一または複数の方法で提出することができる。

  (A)申し立てられた特許クレームをキャンセルする

  (B)各申し立てられたクレームについて、合理的な数の代替クレームを提案する

 (2)追加の申し立て-補正のための追加申し立ては、米国特許法第317条(調停)に基づく手続の調停を実質的に促進するために申立人及び特許権者双方が共同で要求した場合、または、長官が規定し規則に基づき許される場合に、認められる。

 (3)クレームの範囲-本章に基づく補正は、クレームの範囲を拡大してはならず、新規事項を追加してはならない。

(e)証拠の基準-本章に基づき開始されたIPRにおいて、申立人は、証拠の優越preponderance of the evidenceに基づき非特許性の主張を証明する義務を負う。

第317 条 当事者系再審査に関する禁止

(a) 再審査命令

この章の如何なる規定にも拘らず,第313 条に基づいて特許に関する当事者系再審査命令が一旦出された後では,第三者請求人及びその関係人の何れも,特許商標庁長官から許可を得た場合を除き,当事者系再審査証明書が第316 条に基づいて発行され,公告されるまでは,特許に関するその後の当事者系再審査請求をすることができない。

(b) 最終決定

その全部又は一部が合衆国法典第28 巻第1338 条に基づいて生じた民事訴訟において,一方の当事者に対して,当該人が争う特許クレームの無効を証明する義務を果たさなかったとの最終決定が既に記録されている場合,又は第三者請求人が開始した当事者系再審査手続における最終決定がその特許に係る原クレーム又は提案された補正クレーム若しくは新規クレームの特許性を認めるものであった場合は,この章の他の如何なる規定にも拘らず,その後,当該当事者及びその関係人の何れも,当該当事者又はその関係人がその民事訴訟又は当事者系再審査において提起した又は提起することが可能であった争点を根拠として,その特許クレームに関する当事者系再審査を請求することができず,また,前記争点を根拠として当該当事者又はその関係人が請求する当事者系再審査は,その後,特許商標庁により維持されないものとする。本項は,当事者系再審査の時点において第三者請求人及び特許商標庁が入手することができず,新たに発見された先行技術を基にして行う無効の主張を妨げるものではない。

第317条 調停

(a)概説-本章に基づき開始されたIPRは、終了要求提出前にUSPTOが手続上のメリットを決定していない場合に限り、申立人と特許権者との共同要求により、申し立て人に関して終了する。IPRが本章に基づき申立人に関して終了した場合、当該申し立て人がIPRを開始したことに基づき、米国特許法第315条(e)に基づく禁反言は、申立人に対し、または、利害関係のある実際の当事者若しくは申立人の利害関係人に対し、生じない。IPRにおいて申立人が残っていない場合、USPTOはIPRを終了させるか、または、米国特許法第318条(a)の規定に基づき、最終の書面による決定へと進めることができる。

(b)書面による同意(中略)

第318 条 訴訟の停止

第313 条に基づいて特許に関する当事者系再審査の命令が出された後では,特許所有者は,係属している訴訟であって,当事者系再審査命令の対象である特許のクレームに関する特許性の問題を含んでいるものについて,その中断を受けることができる。ただし,訴訟が係属している裁判所が,司法上の利益に役立たないと決定した場合は,この限りでない。

第318条 Boardの決定

(a)最終の書面による決定-IPRが開示され本章に基づき棄却されなかった場合、PTABは、申し立てにより争われたクレーム及び米国特許法第316条(d)(クレームの補正)により追加された新たなクレームの特許性に関し最終の書面による決定を発行するものとする。

(b)証明書-PTABが、(a)に基づき最終の書面による決定を発行し、かつ、控訴期限が過ぎた場合、または控訴できなくなった場合、長官は最終的に特許できないと決定されたクレームをキャンセルする証明書を発行及び刊行し、特許性のあるクレームを確認し、証明書の運用により、特許性有りと決定された新規または補正されたクレームを当該特許に組み込む。

(c)中用権-本章に基づきIPRにて特許性有りと決定され、特許に組み込まれた提案補正または新規クレームは、(b)の証明書の発行前に、提案補正クレームまたは新規クレームにより特許された物を米国内で使用、製造若しくは購入し、または米国内に輸入する者、或いは、実質的その準備をしている者の権利に関し、再発行特許についての米国特許法第252条に規定されたのと同様の効果を有する。

(d)レビューの期間-USPTOは各IPRに関し、IPRの開始と最終の書面による決定の発行との間の期間データを公衆に利用可能としなければならない。

 

第319条控訴

米国特許法第318条(a)の規定に基づくPTABの最終の書面による決定に不服のある当事者は、米国特許法第141条(CAFCへの控訴)~144条(控訴に関する決定)の規定に従い、決定に対し控訴することができる。IPRに対する当事者は当該控訴に対する当事者となる権利を有する。

 

(第13回へ続く)

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