米国改正特許法逐条解説 第2回 (第10回) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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米国改正特許法逐条解説 第2回 (第10回)

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米国改正特許法逐条解説  (第10回)

~第2回 冒認出願とレビュー手続~

河野特許事務所 2012年 1月30日 執筆者:弁理士  河野 英仁

 

第312 条 特許商標庁長官による争点についての決定

(a) 再審査

特許商標庁長官は,第311 条に基づく当事者系再審査請求の提出から3 月以内に,当該請求によって,それに係る特許のクレームに影響する,特許性に関する実質的で新たな疑問が提起されたか否かを,他の特許又は刊行物を考慮して又は考慮しないで,決定しなければならない。特許性に関する実質的で新たな疑問の存在は,特許若しくは刊行物が以前に特許商標庁に対して若しくは同庁によって引用されていた又は同庁によって考慮されていたという

事実によっては排除されない。

(b) 記録

(a)に基づく特許商標庁長官の決定は,その特許に関する庁のファイルに入れておくものとし,かつ,写しを直ちにその特許に関する記録上の所有者及び第三者請求人に引渡し又は郵送しなければならない。

(c) 最終決定

(a)に基づいて特許商標庁長官が行った決定は,最終的なものとし,不服申立をすることができないものとする。特許商標庁長官は,特許性に関する実質的で新たな疑問は提起されていない旨の決定をしたときは,第311 条に基づいて要求された当事者系再審査手数料の一部を返還することができる。

第312条

(a)申し立て要件 米国特許法第311条に基づく申し立ては以下の場合にのみ考慮される。

 (1)米国特許法第311条の規定に基づき長官が定めた手数料を支払っている場合;

 (2)全ての実際の利害関係当事者を特定している場合;

 (3)書面でかつ詳細に、申し立て対象の各クレーム、各クレームに対する申し立ての理由、及び、各クレームに対する申し立ての理由をサポートする証拠を特定している場合:これには以下が含まれる--

  (A)申立人が申し立てのサポートの依拠とする特許及び刊行物のコピー;及び

  (B)申立人が専門家意見に依拠する場合は、証拠及び意見をサポートする供述宣誓書または宣言書;

 (4)申し立てが、長官が規則により要求する他の情報を提供している場合;及び

 (5) 申立人が本条のパラグラフ(2),(3)及び(4)で要求される何らかの書面のコピーを、特許権者、または妥当な場合、指定された特許権者の代理人に対し提供している場合。

(b) 公衆の利用可能性-米国特許法第321条の規定に基づく申し立ての受領からできるだけ速やかに、長官は当該申し立てを公衆に利用可能としなければならない。

第313 条 特許商標庁長官による当事者系再審査命令

第312 条(a)に基づいて行われた決定において,特許商標庁長官が,特許の何れかのクレームに影響を及ぼす,特許性に関する実質的で新たな疑問が提起されたと認定したときは,その決定には,当該疑問を解決するための,その特許に関する当事者系再審査の命令を含めなければならない。当該命令には,第314 条に従って行われる当事者系再審査に係る本案についての特許商標庁による最初の指令を添付することができる。

第313条申し立てに対する予備反論

IPRが米国特許法第311条の規定に基づき申し立てられた場合、特許権者は、長官が指定した期間内に、当該申し立ては本章の用件を満たさないためIPRを開始すべきでないという反論理由を記載した予備反論を提出する権利を有する。

第314 条 当事者系再審査手続の処理

(a) 全般

本条に別段の定めがあるときを除き,再審査は,最初の審査に関して第132 条及び第133条の規定に基づいて設定されている手続に従って行われるものとする。この章に基づく当事者系再審査手続においては,特許所有者は,その特許についての補正及び新規クレームを提案することを許可されるものとするが,ただし,特許に係るクレームの範囲を拡大する補正クレーム又は新規クレームの提案は許可されない。

(b) 応答

(1) 当事者系再審査請求書を除き,特許所有者又は第三者請求人の何れかが提出した書類は,相手方当事者に送達されるものとする。特許商標庁は更に第三者請求人に対し,当事者系再審査手続の対象である特許に関して特許商標庁が特許所有者に送付した通信の写しを送付しなければならない。

(2) 特許所有者が特許商標庁からの本案に関する指令に対して回答を提出する度に,第三者請求人は,特許商標庁の指令又は特許所有者のそれに対する回答によって提起された疑問について,1 回に限り意見書を提出する機会が与えられるものとする。ただし,意見書が特許所有者による回答の送達日から30 日以内に特許商標庁によって受領されることを条件とする。

(c) 特別に迅速な処理

特許商標庁長官が正当な理由によって別段の定めをしたときを除き,本条に基づく当事者系再審査手続の全ては,特許審判インターフェアレンス部への審判請求を含め,特許商標庁において特に迅速に処理されるものとする。

第314条IPRの開始

 (a)基準-長官は、長官が申し立てにおいて米国特許法第311条の規定に基づき提出された情報及び第313条の規定に基づき提出された反論に基づき示された情報が、申立人が少なくとも一つの争点となっているクレームにおいて優勢(prevail)であるという合理的見込みがあることを示さない限り、IPRの開始を認めない。

(b)タイミング-長官は、米国特許法第311条の規定により提出された申し立てに従って本章の規定に基づき、以下の事項の3月以内にIPRを開始するか否かを決定しなければならない。

 (1)米国特許法第313条の規定に基づく申し立てに対する予備反論の受領、または、

 (2)当該予備反論が提出されなかった場合、予備反論の提出可能日の最終日

(c)通知-長官は申立人及び特許権者に書面にて、サブセクション(a)に係る長官の決定を通知し、当該通知を公衆にできるだけ早く公開する。当該通知は申し立て開始日を含むものとする。

(d)不服申し立ての禁止-長官によるIPRを開始するか否かの本章に基づく決定は、最終的であり、不服を申し立てることができない。

 

(第11回へ続く)

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