矢向つぼみ保育園 こども環境学会賞講評 - 建築プロデュース - 専門家プロファイル

遠野 未来
遠野未来建築事務所 代表
東京都
建築家
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矢向つぼみ保育園 こども環境学会賞講評

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こどものいえ

●先日受賞式のあった、2010年度こども環境学会賞 デザイン奨励賞 「つぼみとそらまめ・・・・左官によるこども空間の可能性」


の講評をご紹介させて頂きます。


審査委員の石井先生の温かい目線に感謝します。


 ご紹介する保育室の2つの写真は1,2歳と0歳の保育室の違いを示しています。ここはすべての壁・天井をしっくいで仕上げた保育園です。どちらも空間に曲線を使いながら、1,2歳児は生き生きと。0歳は間接照明のみで落ち着きを。


これからも「こどものいえ」を目指して、頑張りたいと思います。


遠野未来



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 矢向つぼみ保育園は横浜市にあるビル1階を改装した約50坪の保育園である。0,1,2歳児 32人の園児構成でこども4人に一人の保育士がつく。地域とのかかわりを深めるために窓ガラス 越しに街ゆく人とこどもたちの交流ができるような工夫がなされている。園内は壁、天井を、呼吸 する自然素材であるしっくいで仕上げて緩やかな曲面を描き、床をサワラ材として作者遠野氏が「い のちをつなぐ巣」と呼ぶ胎内を思わせるような安心感と温もりがある空間表現となっている。当園 手作りの低い移動式のパーテッションで多様なテリトリーをつくり、ヒノキ材の室内遊具をきめ細 かく配置して各年代ごとに異なる保育活動の効果を上げている。この緻密に計画されたコンパクト な空間の中央に太くうねった曲がり丸太が床から天井まで昇りつめた大蛇のようにドカンと異彩を 放って息づいている。一見デクノボウのように見えるこの大蛇は常にこどもたちを見守り、抱きつ くとたくましくも温かな遊び相手となってくれる。

やがてこの園を巣立っていくこどもたちのもろもろの楽しい思い出の中に、この大蛇はダイナミ ックな原風景としていつまでも生き続けるであろう。コンパクトな空間を効率良く活用する機能的 な用具構成と対峙させて太い曲がり丸太をこどもたちへの贈り物とした作者の「対立と調和」の技 の妙が見事である。


(石井賢俊)

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