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近江 清秀
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親から相続した自宅に10年以上住んでいる場合の所得税は?

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所得税

【所得税確定申告編 親から相続した自宅に10年以上住んでいる場合の所得税は?】

<事例>
 Aさんは、親から相続した住宅に10年以上住んでいます。
この度老朽化が目立つため売却して、近所の新築一戸建て住宅に買換えようと
考えています。

 しかし、親から相続した住宅は取得価格が不明なため多額の所得税が
課税されるという話を友人から聞きました。

さて、Aさんには本当に多額の所得税が課税されるのでしょうか?

<解説>
 Aさんが所得税を支払わなくてもいい場合もありえます。
Aさんのように、本人の居住期間が10年以上である場合
「特定の居住用財産の買換え特例」と呼ばれる制度を適用できる場合があります。

 この制度は、「本人が住んでいる土地建物等を売却した場合に、
売却代金以上の価額で新しい土地建物等を購入すれば、今回の買換え時には
税金はかからず新しく買った土地建物等を売却するまで、売却益に対する税金を
猶予してもらえる制度です。」

(平成24年度税制改正大綱で適用期限2年延長と記載されています。)

 この制度の適用に当たっては、以下のような厳しい要件があります。

(1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。
 なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目
 の12月31日までに売ること。

(2) 売った年の前年及び前々年にマイホームを譲渡した場合の3000万円の特別控除の特例
 又はマイホームを売ったときの軽減税率の特例若しくはマイホームの譲渡損失について
 の損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。

(3) 売ったマイホームと買い換えたマイホームは、日本国内にあるもので、
 売ったマイホームについて、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けないこと。

(4) 売却代金が2億円以下であること。この特例の適用を受けるマイホームと一体として
 利用していた部分を別途分割して売却している場合における2億円以下であるかどうかの
 判定は、マイホームを売却した年の前々年から翌々年までの5年間の分割して売却した
 部分も含めた売却代金により行います。このため、マイホームを売却した年、
 その前年及びその前々年の売却代金の合計額が2億円以下であることから、
 この特例を受けていた場合で、マイホームを売却した年の翌年又は翌々年にこの特例の
 適用を受けたマイホームの残りの部分を売却して売却代金の合計額が2億円を超えた
 場合には、その売却の日から4ヶ月以内に修正申告書の提出と納税が必要となります。

 (平成24年度税制改正大綱で、上記2億円が1.5億円に引下げられています。)

(5) 売った人の居住期間が10年以上で、かつ、売った年の1月1日において
 売った家屋やその敷地の所有期間が共に10年を超えるものであること。

(6) 買い換える建物の床面積が50平方メートル以上のものであり、
 買い換える土地の面積が500平方メートル以下のものであること。

(7) マイホームを売った年の前年から翌年までの3年の間にマイホーム
 を買い換えること。また、買い換えたマイホームには、一定期限までに住むこと。
 買い換えたマイホームを住まいとして使用を開始する期限は、
 そのマイホームを取得した時期により次のようになります。

イ 売った年かその前年に取得したときは、売った年の翌年12月31日まで

ロ 売った年の翌年に取得したときは、取得した年の翌年12月31日まで

(8) 買い換えるマイホームが、耐火建築物の中古住宅である場合には、
 取得の日以前25年以内に建築されたものであること。ただし、耐火建築物以外の
 中古住宅及び平成17年4月1日以後取得する耐火建築物である中古住宅のうち
 一定の耐震基準を満たすものについては、建築年数の制限はありません。

(9) マイホームを売った人とそれを買った人との関係が、
 親子や夫婦など特別な間柄でないこと。特別な間柄には、
 このほか生計を一にする親族、内縁関係にある人、
 特殊な関係のある法人なども含まれます。


この買換え特例は、いわゆる「3000万円の特別控除」と選択適用になります。
「3000万円の特別控除」は、次回解説いたします。


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