日経記事;エコカーEV電池VWと協力拡大パナソニック に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;エコカーEV電池VWと協力拡大パナソニック に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月10日付の日経新聞に、『エコカー電池でVWと協力拡大 パナソニック、EV向け』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは独フォルクスワーゲン(VW)グループとエコカー(環境対応車)向け電池事業で協力関係を拡大する。新たにVW傘下でスペイン最大手の自動車メーカー、セアトと電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の共同開発で基本合意した。

トヨタ自動車と独BMWも提携するなど、エコカーの性能を左右する電池で世界規模の連携を強化し開発スピードを上げる動きが盛んになってきた。

パナソニック子会社の三洋電機とセアト、スペインの車載用部品メーカーであるフィコサの3社がこのほど、EV用電池を共同開発することで合意した。詳細は今後詰めるが、三洋が電池と蓄電システムの開発を主導。

大容量で、安定的に電気を送り出せる製品に仕上げる。セアトとフィコサのノウハウを得ながら、最終的に三洋とフィコサが生産を担当し、1~2年後をメドにセアトが売り出すEV向けに供給する見通しだ。

三洋は2006年にVWとハイブリッド車(HV)向けニッケル水素電池の共同開発で合意。同電池をVW向けに供給してきた。

さらにVW傘下の独アウディともHV向けのリチウムイオン電池を共同開発し、供給を始めた。パナソニックとVWグループとの電池事業での協力はセアトが3社目となり、協力関係は一段と深まることになる。

セアトの10年の売上高は約5千億円。セアトは容量や出力、安全性、耐久性などに実績のある三洋のリチウムイオン電池開発ノウハウを武器に、今後投入予定のEVの開発スピードを上げる。

エコカーの基幹部品である電池は燃費や走行距離などの性能を大きく左右する。豊富なノウハウが必要なため、同業大手同士が連携したり、自動車メーカーと電池メーカーが共同開発する例が増えている。

トヨタとBMWは電池開発での膨大なコスト軽減とスピード強化を狙って提携。パナソニックも電池開発でVWとの協力関係を深める。

一方で、パナソニックは国内でトヨタ向けの事業強化も同時に進めている。トヨタが来年1月に市販を始めるプラグインハイブリッド車(PHV)の「プリウスPHV」では、三洋が搭載するリチウムイオン電池の全量を受注した。

パナソニックはエコカー用リチウムイオン電池を成長のけん引役と位置付け、加西事業所(兵庫県加西市)などで生産している。同電池の売上高は15年度に現在の15倍にあたる1千億円強に引き上げる計画。

来年1月に事業を統合する三洋と自社技術を融合し、具体化に向けた戦略を一段と加速させる。』


国内企業では、HVやEV用途の電池を開発・供給しているのは、主にパナソニック、東芝、ジーエスユアサ、NECの4社です。

総合家電メーカーのパナソニックや東芝は、集中と選択を行っており、その中で環境事業を新成長分野と位置づけ、力を入れています。

電池は、環境事業の中の主要なものの一つに入ります。車載用だけでなく、家庭やオフィス用途など電池の使用範囲は広く、この分野で大きなシェアを取れれば、世界市場で勝ち組に入れます。

そこで、上記4社は電池市場でしのぎを削っています。電池事業は国内企業が得意な分野であり、部材・素材や各種の高度な開発ノウハウの集積を必要とし、可能としています。

パナソニックが三洋を買収した理由の一つが電池事業の強化にあります。総合家電から環境に力点を置いた企業への変化を加速しています。

東芝も同じように、環境事業を柱の一つに育てるべく、集中と選択を加速しています。その両社が中核商品の一つとしているのが電池です。

特に、HVやEV用途の電池市場は大きく、ここで主導権を取れれば将来の大きな収益源になります。その観点から両社は自動車会社との積極的な連携を行っています。

パナソニックは、トヨタとHV用電池の供給で合意しています。また、東芝は、ホンダと三菱自に電池を供給しています。

今回、パナソニックは、フォルクスワーゲンと車載用電池で共同開発を行うことになりました。自動車市場では、フォルクスワーゲンの伸びが大きく、トヨタの強力なライバルになりました。

そのフォルクスワーゲンがパナソニックと電池の共同開発に合意したことは、今後のトヨタや他の国内自動車メーカーに影響を与えます。

フォルクスワーゲンがHVやEVの開発速度が速くなることと、彼らの車の性能が大幅に向上する可能性があるためです。今後、トヨタや日産との競争がさらに激化します。

HVやEVの性能は、基幹部品である電池に左右されます。この観点から、上記4社の電池供給者としての存在は重要になっています。

国内産業にとって喜ばしいのは、現時点で電池の主要供給企業は、全て国内メーカーであることです。日産はNECと、ホンダはユアサとそれぞれ電池の共同開発を行っています。

このように、自動車企業と電池メーカーが連携して、HVやEVで世界市場で勝ち残っていくことは、国内産業にとってとても重要なことです。

自動車産業のすそ野は広く、HVやEVで世界市場を勝ち取っていくことは日本の成長に大いに貢献します。各社は連携を巧みに行って、大きな収益という果実を確実なものにすることが必要ですし可能です。

連携の優劣がHVやEVで世界市場で勝ち残るための条件の一つになります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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