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日経記事;環境都市に国産OSトロン,東大など海外展開に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

12月9日付の日経新聞に、『「環境都市」に国産OS「トロン」東大・富士通など海外展開』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東京大学、神奈川県、富士通など産官学が環境配慮型都市「スマートシティ」向けに国産基本ソフト(OS)「トロン」の応用を進める。トロンの推進団体が近く、欧州の政府系研究機関や企業などと新組織を設立し、スマートシティに必要なセンサーにトロン関連技術の活用を図る。

欧州勢と組むことで世界標準を確立できれば、トロンの利用実績が豊富な日本企業にとって商機が広がりそうだ。

神奈川県、富士通、日立製作所、ソニーなどが出資するYRPユビキタス・ネットワーキング研究所(東京・品川、所長坂村健東大教授)が中心的な役割を担う。独シーメンスやスイスのSTマイクロエレクトロニクスなどの企業や大学が参画し、高機能センサーの開発を手掛ける団体「EPoSS」、フィンランドの国立研究所のVTTなどと新組織を設立。トロン関連技術を採用したセンサーの実用化を目指す。

スマートシティは家庭やオフィスビル、工場などにスマートメーター(次世代電力計)を設置し、ネットワークで結ぶ。各スマートメーターは随時データをやりとりすることで、電力供給を最適化する。さらに交通情報を把握、渋滞を緩和したり、公共物の劣化診断をしたりする。

都市の状況をリアルタイムで把握するには高機能センサーが必要。トロンはそのOSとしての活用が見込まれており、欧州の研究機関や企業は、実績豊富なトロンが最適と判断したとみられる。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所はすでに中国無錫市との間でも、トロンの技術協力で合意。同研究所が無錫市に拠点を開設。トロンを組み込んだセンサーを使って、医薬品・食品の履歴管理、街全体のセキュリティーシステム構築などスマートシティ関連事業を支援する。

同研究所は今後、欧州勢に各種センサーにトロンを組み込む際のノウハウなどを供与。新規の高機能センサー分野で事実上の国際標準を狙う。国際標準化すれば、トロンのノウハウが豊富な日本企業にとってはスマートシティ向けセンサー市場で優位に立てるメリットがある。

富士経済グループによるとスマートメーターの世界市場は2020年に09年の3倍以上の1兆3千億円に拡大する見通し。スマートメーター以外のセンサーも需要が大幅に伸びるとみられ、センサー市場は急拡大が期待されている。』

トロン;「TRON」は、「The Real-time Operating system Nucleus」の略です。社団法人トロン協会によって運営されていたTRONプロジェクト(2010年1月15日付けで解散し現在はT-Engineフォーラムが引き継いでいます)によって採用されたリアルタイム処理能力を重視したOSです。

一時は、1980年代に国産初のパソコン用OSOSとして世界標準化を目指しましたが、アメリカの横やりでとん挫したと言われています。

トロンは、グーグルのアンドロイドOSと同様に、完成した仕様については一般に無償で公開されており、その使用については実施許諾料(ライセンスフィー)を支払わずに自由に、実装・商品化を行うことが出来ます。

トロンは、現在、自動車用などの産業機器や携帯電話などに使用されています。

今回の記事は、このトロンを再び世界標準化する動きについて伝えています。トロンの特徴であり最大の利点は、大きな処理能力を必要とせずにリアルタイム処理が出来ることです。

このトロンと国内企業が得意とするセンサー技術を融合して、スマートシティ実現に協力する動きです。センサーは従来、計測だけの用途中心に使用されていました。現在は、計測だけでなく通信、制御機能を持った高機能版も登場しています。

中小企業の中には、この高機能センサーを活用して医療、バイオ、環境分野で独自性をもった商品をだして差異化を図っているところもあります。

センサーにリアルタイム処理能力が優れたトロンを搭載して、短時間内に的確な情報処理能力を引き出すことを目指していること。

この能力をスマートシティに使って、欧州企業と連携して実用化を推進することになりました。坂村健東大教授は、昨年環境用途を含めたデジタル家電に適したトロンを開発し、公開しています。

もしトロンが高機能センサー用OSとして世界標準になれば、多くの国内メーカーはトロンに習熟しており、商品開発・実用化では海外企業に対して差異化が可能になります。

トロンの競合相手は、アンドロイドとマイクロソフトのウインドウズです。トロンは、高機能センサー用途のOSに限定するなどして、当該分野のOSとして世界標準化を進めることが重要です。

欧州企業との連携を軸に、アメリカや新興国の協力を得ながら、トロンのオープン性を最大限に発揮して採用企業数を増やす努力が必要です。

アンドロイドを展開しているグーグルの動きは参考になります。アンドロイドのオープン性とスマホに適したOSと言うことで、アップルの独自OS以外の分野では、事実上の世界標準になりつつあります。

トロンも世界標準化のロビー活動を行いながら、参加企業を増やしていくしたたかさを持つ必要があります。自由に使用でき、使い勝手を良くする努力を継続して、高級センサー分野でのプラットフォームOSになることが早道です。

今後のYRPユビキタス・ネットワーキング研究所を中心とした活動に大いに期待します。
頑張れ国産OS!!

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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