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対象:特許・商標・著作権
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米国改正特許法逐条解説 (第2回)
~第2回 冒認出願とレビュー手続~
河野特許事務所 2012年 1月10日 執筆者:弁理士 河野 英仁
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改正後 |
第135 条 インターフェアレンス (a) 係属中の出願又は存続期間が満了していない特許と抵触すると特許商標庁長官が考える特許についての出願が行われた場合は,インターフェアレンスの宣言をすることが可能であり,また,特許商標庁長官は当該宣言の通知を,事情に応じて,出願人(複数)又は出願人及び特許権者に対して行わなければならない。特許審判インターフェアレンス部は,それに係る複数の発明の優先性の問題を決定しなければならず,また,特許性の問題を決定することができる。出願人のクレームにとって不利な最終決定は,それに係るクレームについての特許商標庁による最終拒絶を構成するものとし,また,特許商標庁長官は先発明者と判定された出願人に特許を付与することができる。特許権者に不利な最終判断は,それに対する上訴又はその他の再審理が行われていない,行うことができない又は行われなかった場合は,特許に含まれているクレームの取消を構成するものとし,また,当該取消の後に特許商標庁によって交付される特許証の写しには当該取消通知が裏書されるものとする。 (b)(1) 発行された特許に係るクレームと同一であるか,又はそのクレームと同一若しくは実質的に同一の主題を対象とするクレームは,当該クレームが,前記特許が付与された日から1 年より前になされる場合を除き,如何なる出願においてもクレームすることができない。 (2) 第122 条(b)に基づいて公開された出願のクレームと同一であるか又は同一若しくは実質的に同一の主題を対象とするクレームは,当該クレームが前記出願が公開された日から1年より前になされる場合に限り,前記出願が公開された後に提出される出願においてクレームすることができる。 (c) インターフェアレンスの終結に関連して又はそれを終結させる目的でインターフェアレンスの当事者間で行われた契約又は合意は,そこで言及されている付随的契約を含め,書面をもって作成しなければならず,また,その真正な写しを契約又は合意の当事者間におけるインターフェアレンスが終結する前に特許商標庁に提出しなければならない。当該書類の提出に係る当事者が要求したときは,当該の写しはインターフェアレンスのファイルから分離して保管されるものとし,書面による請求をした政府機関又は正当な理由を示した者に限り閲覧を認めるものとする。契約又は合意の写しを提出しなかった場合は,当該の契約又は合意及びインターフェアレンス関係当事者の特許又はその後,当該当事者の出願に基づいて付与される特許は,永久に効力を有さないものとする。ただし,特許商標庁長官は,所定の期間内に提出しなかったことの正当な理由が示された場合,契約又は合意の当事者間におけるインターフェアレンスが終結してから6 月の期間内における契約又は合意の提出を許可することができる。 特許商標庁長官は,前記終結より前の適切な時期に,本条による提出要件について当事者又は記録上のその代理人に通知をしなければならない。特許商標庁長官が前記の時期より遅い時期に通知をした場合は,正当な理由を示して6 月の期間内に契約又は合意を提出するという権利に拘らず,当事者はその契約又は合意を当該通知を受領してから60 日以内に提出することができる。本項に基づく特許商標庁長官の裁量処分は,行政手続法第10 条に基づく再審査を受けることができる。
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135条 Derivation proceedings由来手続(冒認出願手続) (a)手続の開始--特許出願人は、USPTOに由来手続を開始すべく申し立てを提出することができる。申し立ては、先の出願に記載された発明者が、申し立て人の出願に記載された発明者からのクレーム発明を由来としており、かつ、許可なく当該発明を主張する先の出願が申請されたと判断する根拠を詳細に説明するものとする。当該申し立ては、先の出願のクレーム発明と同一または実質的に同一であるクレーム発明(後願)の最初の公開日から1年以内に提出しなければならず、宣誓のもとになされ、実質的証拠によりサポートされているものとする。 長官が、本サブセクションに基づき提出された申し立てが、由来手続の開始基準に合致していると判断したときはいつでも、長官は由来手続を開始する事ができる。長官により由来手続処理を開始するか否かの決定は最終的であり、不服申し立てできないものとする。 (b)PTABによる決定-サブセクション(a)に基づき開始された由来手続において、PTABは、先の出願に記載された発明者が、申し立て人の出願に記載された発明者からのクレーム発明を由来とするか否かを決定し、かつ、許可なく当該発明を主張する先の出願が申請されたか否かを決定するものとする。適切な状況下において、PTABは出願または登録時の特許における発明者氏名を修正することができる。長官は当事者に、クレームの由来を証明及び反論するのに十分な証拠の提供を要求することを含む由来手続処理に係る規則を規定するものとする。 (c)決定の延期-PTABは由来手続に関する申し立てにおける処分を、長官が申し立ての対象となっているクレーム発明を含む特許を発行した日から3月間、延期することができる。PTABはまた由来手続に関する申し立て処理を、先出願特許に係る第30章(査定系再審査)、31章(IPR)、32章(PGR)における手続の終結まで延期、または処理が開始された後に手続を中断することができる。
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(第3回へ続く)
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