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平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
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OECD「拡大する所得格差」

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12月5日、OECDは、「拡大する所得格差」と題する報告書を公表した。

http://www.oecd.org/dataoecd/51/33/49177721.pdf

 

日本の生産年齢人口の所得格差は、OECD平均よりやや大きく、

1980年代半ばから2000年にかけて所得格差が拡大し、その後縮小したが、

2003年以降また拡大してきている、という。

 

2008年における上位10%の平均所得は754万円で、

下位10%の平均所得は75万円と、その格差は10倍で、

1990年代半ばでは8倍、1985年の7倍より拡大している、という。

 

一方で、税と給付による所得格差縮小率は、1985年には12%だったが、

2006年には21%まで上昇し、OECD平均の25%に近づいている、という。

 

 

この報告書によると、日本では、所得格差の拡大は見られるものの、

「賃金格差は過去30年間驚くほど変化がなく」、OECD諸国とは

逆の傾向が見られている、という。

世界は最富裕層に富がますます集中していく傾向にあるようですから、

最富裕層の拡大が見られない日本は、

まだまだ国民総中流を維持しているのかもしれません。

 

税による所得再分配機能は、最高税率の軽減が図られてきましたから、

所得再分配機能の改善はひとえに社会保障の充実によるものでしょう。

 

しかし、「上位20%の所得層の租税負担率は24%で、OECD平均の

37%より低い」とされていますから、所得税の累進構造の強化や

相続税強化の根拠として使えそうです。

 

そういう意味では、年内に取りまとめられる予定の社会保障と税の

一体改革の方向性がどのような形で示されるのか、非常に楽しみです。

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