戸籍不正取得事件について(2) - 各種の対対象者別研修 - 専門家プロファイル

松本 耕二
株式会社アイ・コンサルティング 代表取締役
北海道
研修講師

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閲覧数順 2016年12月09日更新

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戸籍不正取得事件について(2)

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警察官の戸籍謄本を不正入手した事件を捜査している愛知県捜査4課は、12月2日、探偵会社の代表ら容疑者5人が共謀して、本人の同意なしに戸籍謄本や住民票を司法書士等が取得できる「職務上請求書」を偽造し、他にも愛知県内の女性の戸籍謄本を不正に取得した疑いがあるとして、有印私文書偽造や住民基本台帳法違反などの疑いで再逮捕しました。


今回のコラムでは、過去に日本で起きた2つの戸籍不正取得事件について、ご紹介したいと思います。

まずは、平成17年に発覚した事件です。これは、兵庫県と大阪府の行政書士三人が「職務上請求書」を悪用し、戸籍謄本など約4,000件を不正取得した事件です。本件は、京都地裁で係訴中の裁判資料(業務日誌)の記述から、人権擁護団体が事件を認知しました。

続いては、平成19年に発覚した事件です。これは、三重県の行政書士が511件の戸籍謄本などを不正取得した事件です。本件は、三重県の行政書士が短期間に大量の職務上請求用紙を使用していたたため、不審に思った行政書士会が調査し、県に報告。県の再調査によって、不正の事実が発覚したものです。

 

これらの事件には、共通する点が3つあります。

第1に、背後に探偵業者が介在していること。
第2に、戸籍謄本などをとられた本人が、その事実を知ることができなかったこと。
第3に、警察が捜査に着手してこなかったこと。

 

2つの事件の主犯格は探偵業者で、行政書士は職務上請求書を悪用して不正取得に加担した共犯者です。当時の戸籍法・住民基本台帳法では、不正取得は行政罰(現在は刑事罰に改正)であっため、直接戸籍の窓口で不正請求した者のみにしか過料として制裁することができませんでした。そのため、行政書士の背後にいる探偵業者までは処罰することはできなかったのです。

刑法には、偽造有印私文書行使罪に関する規定があり、戸籍謄本等の不正取得を行えば、係わった全ての者を共犯として捜査し検挙することができます。

しかし、この犯罪を捜査するためには、戸籍謄本等を不正取得された被害者の存在が不可欠です。戸籍謄本等を不正に取得された人は、日常で不正取得に気付くことができないことから、「自覚なき被害者」と呼ばれており、このことが捜査を困難にします。

このような背景もあり、これらの事件は、警察も偽造有印私文書行使罪としての事件捜査は消極的だったものと推察できます。

 

本件は、一部の探偵業者、司法書士等による悪質かつ重大で、過去に類の無い犯罪です。また、本件によって、他の健全な探偵業者までが同じような評価をされる影響は図りしれません。

1万件にも及ぶ不正取得したとされる戸籍謄本・住民票の全容を解明し、「自覚なき被害者」の権利侵害の救済と、この種の事件の再犯を防ぐため、徹底した捜査に期待するところです。

 

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111202-OYT1T01381.htm
(戸籍不正取得で1億円得る?…元弁護士ら再逮捕 12月3日 読売新聞)

http://profile.ne.jp/w/c-62687/
戸籍不正取得事件について(1)

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