早わかり中国:第5回ソフトウェア特許とビジネス関連発明特許(1) - 特許・商標・著作権全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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早わかり中国:第5回ソフトウェア特許とビジネス関連発明特許(1)

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第5回 ソフトウェア特許とビジネス関連発明特許(第1回)

河野特許事務所 2011年12月27日 執筆者:弁理士 河野 英仁

(月刊ザ・ローヤーズ2011年9月号掲載)

 

 先月号ではコンピュータ・ソフトウェア関連発明(以下、CS関連発明という)及びビジネス関連発明(以下、BS関連発明という)についての審査基準について説明した。ただし、CS関連発明及びBM関連発明が特許を受けることができる発明であるか否か、すなわち、保護適格性を有するか否かの判断は非常に難しく、事例を通じて理解するほかない。今月号では復審委員会において審査官の判断が覆り、特許成立が認められた事例を解説する。

 

1. マイクロソフト事件[1]

(1)特許の内容

 マイクロソフト公司(以下、請求人という)は2003年6月25日「プログラムに対しメッセージを発行するシステムおよび方法」についての発明特許出願(出願番号03145242.6)を行った。本発明はXMLドキュメント[2]を編集するアプリケーション上で実行される処理方法である。アプリケーション上で、XML関連の各種アクションが発生した場合、単一のイベント通知メッセージが発行される。参考図1はイベントが発生した際の状態を示す説明図である。

 

 

参考図1 イベントが発生した際の状態を示す説明図

 

 XML関連のアクションには、移動、挿入または削除が含まれる。参考図1は削除の例を示している。例えばXML要素<object> に関し、<object>Rewarding employment<object>が記載されていたとする。その後XML要素<object>が削除された場合、削除アクションに伴い単一のイベント通知メッセージが発行される。そして、複数のアクションに対して単一のイベント通知を行うことにより、アドオンアプリケーションを作成する際の作業負担を軽減することが可能になるというものである。

 

(2)請求項の内容

 争点となった請求項1は以下のとおり。

“1.第1プログラムから第2プログラムへメッセージを発行する方法において、

XMLドキュメントに対して行われたアクションに関連するイベントの発生を確定し、

複数タイプのアクションに対し、アクションのタイプに関わらず、単一のメッセージを新規作成し、

 該新規作成するステップは以下を含む:

 XMLドキュメントに対して行われたアクションに関連するイベントの発生を示す識別子フィールドを設定し、

 前記アクションに関連する第1XMLノードを識別する第1パラメータフィールドを設定し、

 前記アクションに関連する第2XMLノードを識別する第2パラメータフィールドを設定し、

 複数のアクションタイプの中から選択された一つである発生アクションのタイプを識別する第3パラメータフィールドを設定し、

前記第1プログラムから第2プログラムへ前記単一のメッセージを発行する方法。


[1] FS20084号2009年10月26日審決

[2] XML(Extensible Markup Language):文書やデータの意味や構造を記述するためのマークアップ言語の一つ。マークアップ言語とは、「タグ」と呼ばれる特定の文字列で地の文に情報の意味や構造、装飾などを埋め込んでいく言語のことで、XMLはユーザが独自のタグを指定できることから、マークアップ言語を作成するためのメタ言語とも言われる。

XMLにより統一的な記法を用いながら独自の意味や構造を持ったマークアップ言語を作成することができるため、ソフトウェア間の通信・情報交換に用いるデータ形式や、様々な種類のデータを保存するためのファイルフォーマットなどの定義に使われている。IT用語辞典(http://e-words.jp/)

 

(第2回へ続く)

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