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日経記事;トヨタ,環境分野で陣営作りBMWと提携交渉 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月27日付の日経新聞に、『トヨタ、環境分野でグローバル陣営作り BMWと提携交渉』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車が低燃費ディーゼルエンジンの調達を軸に、独BMWと環境分野で広範に提携する見通しとなった。

米フォード・モーターとの提携に続き、欧州でもBMWと関係を深め、グローバルな陣営づくりを加速。開発コストを抑え、経営資源を重点分野に集中投下して競争力を高め、成長著しい独フォルクスワーゲン(VW)や韓国・現代自動車に対抗する。

「ハイブリッド車(HV)や燃料電池車などの開発に資源を集約してきた。ディーゼルエンジンまで十分に手が回らない」。あるトヨタ幹部は漏らす。

トヨタはディーゼル車を含め環境対応車を全方位で開発する戦略を掲げてきた。旗を降ろすことはなくても、濃淡はつけざるを得ない。

トヨタは2010年にHV「プリウス」を日本で31万5千台、北米では14万4千台販売したが、欧州は約4万台にとどまった。

小型車「オークス」、高級車「レクサスCT200h」など幅広くHVをそろえているものの、ディーゼル車が乗用車販売の6割程度を占める欧州市場では劣勢だ。

とはいえ新興国を含む世界市場で競走が激化する中、欧州市場のためにディーゼル車を拡充するのは難しい。BMWからエンジンを調達できれば、トヨタは開発コストを抑えられる。

BMWの量産効果も期待でき、自社開発・生産より高い競争力を確保できる可能性も出てくる。

HVの分野では、トヨタはフォードとの共同開発だけでなく、マツダ、富士重工とも技術やシステム供与で「仲間作り」を進めている。

電気自動車では、米テスラ・モーターズと共同開発する新型車を来年発売する。

11年の世界新車販売で、08年から3年連続首位だったトヨタは3位に後退する見通し。環境技術で他社と連携しつつ、新興国向けの投資も拡大して巻き返しを目指す。』


トヨタ、日産、ホンダ、三菱自、スズキ、マツダなどの国内自動車は、それぞれ優秀な環境対応技術を持っています。HV、電気自動車、高燃費のガソリンエンジン車などです。

環境対応技術の開発には、巨額な投資が必要です。トヨタでさえ、全ての分野での環境対応車開発を自前で行うことは難しいのが現状です。

しかも、競合他社の動きも早く、全て自前で行おうとすると、開発速度も遅くなり、競走に勝てない可能性もあります。

また、各地域に売り込むには、その地域に合った仕様車を開発・供給する必要があります。

このように、開発投資を抑えつつ、開発スピードを速め、当該地域にマッチした自動車を供給するために、各メーカーは世界レベルで提携・連携しています。

欧州市場は、記事にありますようにディーゼル車が圧倒的に好まれています。現在のディーゼル車は、高燃費を可能にしており、軽油の価格も石油に比べて割安感があるため、欧州市民はディーゼル車を好んで購入します。

ディーゼル車で強いのは、ドイツメーカーであるベンツとBMWです。今回トヨタは、BMWと提携・連携して、ディーゼルエンジンの供給を受けます。

欧州市場では、トヨタとBMWは完成車では競合状況ですが、ディーゼルエンジンの供給では協力関係を作ります。BMWにとってもディーゼルエンジンが売れれば、量産効果で製造コストも下がりますし、売上も伸びます。

この点でトヨタとBMWは、「Win/Win」の関係が成り立ちます。

HV分野では、トヨタはフォード、テスラ、マツダ、富士重工などと技術供与や共同開発で提携・連携しており、開発コストの低減や開発スピードの迅速化を行っています。

自動車業界の場合、ホンダを除くメーカーは他社と提携・連携して開発・製造を行っており、どこまで効果的に行うかが企業業績に影響を与えるようになります。 つまり、「Win/Win」効果を最大化出来るかが重要です。

総じてどのホンダを除く国内自動車メーカーは、上手く提携・連携を活用しています。(ホンダは基本的に他社と連携しません。)

この観点からみますと、例外がスズキのケースです。スズキとフォルクスワーゲン(VW)との提携は完全な失敗であり、スズキはもっと早期に解消を行うべきでした。

ちなみに、スズキは11月24日、VWとの包括提携契約の解除に伴い、VWが保有するスズキ株(発行済み株式総数の19・9%)の返還を求めて仲裁を申し立てました。

これに対し、VWは「裁判所はスズキの主張を認めないと確信している」との声明を発表し、スズキ株の返還には応じない構えを示しています。

スズキがこの提携問題を早期に解決することを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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