不動産売買は扱う金額が大きいので、
誰しも金銭感覚が多少マヒしてしまいます。
どういうことかと言うと数万円を「雑」に考えるようになります。
売主も買主も、もちろん不動産業者もです。
無責任な業者になると、
契約前に出した諸経費と、
決済直前に出す経費との間に、
数10万円もの差があるにもかかわらず、
「初期の計画よりもちょっと大目にかかっちゃいましたね~」
となんとも軽~いノリで説明することがあります。
お客さんも多少の誤差は仕方がないものと思っているらしく、
目くじらを立てて怒ることはないのですが、
冷静に考えてみるととんでもない話ですね。
購入計画の初期段階では、
費用の不確定な部分が多々あるので、
多少の誤差が出てしまうのは仕方がないかもしれません。
といっても、仕方がないのは、
「費用が当初より減る場合」
です。
減る分にはお客さんにとってはうれしいことですからね。
不動産業者は資金計画を行う際、
お客さんに購入してもらいたいがために、
安めに諸経費を伝えがちです。
で、取引の最終局面で、
当初聞いていた諸経費以上に費用がかかることが判明します。
今更引き返せないですから、
考えようによっては「詐欺」みたいなもんです。
私が資金計画を行う際には
「ちょっと高いかな」
位の金額で計算しますし、
取引が進むにつれて費用が明らかになるたびに、
資金計画書を出すようにしています。
1万、10万もしくは100万!
が何千万の内のほんの一部なので、
たいした額ではないと思うのかもしれません。
しかし通常の生活の視点に立つと、
額の大きさに気付きますよ。
日常生活で数万円をぞんざいに扱うことは出来ますか?
不動産売買時に感じる1万円の価値観と、
日常生活の際に感じる1万円の価値観は違いますが、
「価値」
は全く同じです。
良~く考えて下さいね。
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