- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:新築工事・施工
では、工事中に傷つけてしまったり壊してしまったりした時・・
どうするのか?
傷ついたままほっとくのか?
いえいえ、そんなことはしません。
傷ついたら直す・・!
それが、当たり前のことなのです。
クロスなら内装屋さんがカットして張り直す。
建具や木部などなら補修屋さんが修復する。
塗装ならそこを塗り直す。
無駄なように思えますが、実はこの「直す」作業は新築工事においてはとても大事なことです。
この「直す」という作業が建物の完成度を決めると言っても過言ではないのです。
そして、ある意味においては・・
工事というのは、この造ることと「直す」ことの繰り返しといえるかもしれません。
もちろん、傷つけてしまった時のみならず、間違ったときも変更したときも・・
造っては直す!
また造っては直す!
その繰り返し・・
なのです。
ま・・
馬鹿みたいですが、当たり前なこと・・
実はそういうものなのです。
そして、その「直す」ことが少なければ少ないほど・・
もちろんゼロには出来ないので・・
その工務店や監督や業者は優秀・・
ということで・・
お金ももうかる。
工期も短くできる。
養生にかけるお金など、「直す」ことを繰り返すお金に比べればしれたもの・・
なのですから。
そう・・
逆に言うと、そういう直すことも工事においては最初から工程に入れてあり・・
直すお金もある程度は見越して見積もりしてあります。
まあ、見てあるお金はたいした額ではありませんが・・
大きな直しなどは、その不備を起こした原因業者が保険で直します。
ただ、あまりにも値切ったり・・
安物買いなどをすると・・
そんな養生や直すお金は含まれていないことになってしまいます。
そんな物はなくても建てるのにはは支障がないのですから。
ないから、安くなる・・ということ。
減らすときはそこから減らすと言うこと。
聞いたことがあるのですが・・
某、安価を売りにしている住宅メーカーではお金のかかる養生などは一切しないと決まっているそうで・・
傷つくのは、その業者の腕が悪いからで、直しはその原因業者が全てやることに決まっているのだそうです。
そんなもん直すわけないと思うのですが・・
全部ただで出来るわけないじゃん?
やってたら、あっという間にその業者は破産です。
ということは、やらないということです。
ただ・・
間違えてはいけないのですが・・
これは傷とか汚れと言われるものの範疇の話であるということです。
壊れてるとか、間違ってるとか、動かないとかいうことになると話は別。
それは瑕疵です、不都合不具合なのですから建てた人は絶対に直さなければいけません。
たとえば、ゴンとぶつけた建具に穴があいていたら直すまで引き渡しは拒否すべきです。
しかし・・
多少の傷などあってもなくても建物の性能や機能にはたいして影響はない。
安いのですから少しは我慢も必要なのかもしれません。
逆に言えば、そこまで要求しない人にはその方がお得なわけです。
実際の所・・
どこまでを直すべきと考えるのかは人それぞれで非常に難しい話です。
もし、わからなければ・・
これはどうなんだろう?と思われたのなら・・
直接監督などに言うより、監理者つまり設計士さんなどに言ったほうが良いでしょう。
嫌われるのは監理者にしておいて、お客さんは工務店さんと仲良くしておきましょう。
そのために我々はいるのですから。
いない時はどうしようもありませんが・・
お引っ越しして来るだけで、ある程度の傷はすぐつきます。
そこにタンスを置けばもう傷つきます。
3日住めばその何倍も傷はつきます。
どこかでは、割り切らないと・・
髪の毛1本落ちてても怒る人は怒るので・・
難しいところです。
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