日経記事;パナソニック,マレーシアに太陽電池新工場に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;パナソニック,マレーシアに太陽電池新工場に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月18日付の日経新聞に、『パナソニック、マレーシアに太陽電池工場 500億円投資 12年度、生産能力1.5倍に 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

パナソニックは太陽電池を初めて海外で一貫生産する。約500億円を投じて2012年度にマレーシアに新工場を建設、生産能力を現在の1.5倍に引き上げる。

円高などに対応しコスト競争力を強化する狙い。パナソニックは薄型テレビや半導体など不採算事業の縮小を相次いで決めた。反転攻勢への第1弾として、成長を見込む環境・エネルギー分野で大型投資に踏み切る。

新工場はマレーシア北西部の工業団地に建設し、12年度をめどに稼働する。子会社の三洋電機が開発した太陽電池「HIT」を量産する。独自構造を持つHITは、太陽光を電気に変える効率が世界最高水準にある。海外で量産すればシェアを伸ばせると判断した。

新工場は基幹部材であるセル(発電素子)を材料のシリコンウエハーから生産し、パネルの組み立てまで手掛ける。セルの生産能力は年30万キロワット程度。

既存の国内2工場の生産能力(11年度末見込み)は年60万キロワットで、新工場が完成すると計90万キロワットに拡大する。

太陽電池事業の中核拠点として位置付け、アジアや欧米に供給する。今後の需要拡大をにらみ、追加の増産や投資の上積みも検討する。

基幹部材のセルは技術流出を防ぐなどの理由から、二色の浜工場(大阪府貝塚市)など国内2拠点でのみ生産してきた。プラズマテレビ用パネルを製造するパナソニックの尼崎第1工場(兵庫県尼崎市)を太陽電池の拠点に変えて増産する計画だったが、方針を転換した。

太陽電池は東日本大震災後の電力不足懸念などを背景に、国内販売が伸びる一方、政策支援が縮小する欧州など海外の市況が悪化している。
低価格を武器にした中国メーカーの販売攻勢も激しい。国内最大手のシャープの太陽電池部門は11年1~3月期から3四半期続けて営業赤字になっているほか、京セラも採算が悪化。米国でも太陽電池メーカーの経営破綻が相次いだ。

三洋電機の太陽電池は高い利益率を維持してきたが、低コストで生産する体制の整備が急務になっている。シャープもイタリアで太陽電池をつくっており、日本勢の海外生産が加速してきた。

パナソニックは来年1月に三洋電機、パナソニック電工と事業統合する。グループの技術や販路を最大限活用し、10年時点でシャープ、京セラに次いで3位だった太陽電池の国内シェア(18.7%)を12年度に首位に引き上げる計画。

15年度には世界3位になる目標を掲げている。蓄電池や省エネ家電などグループの製品と組み合わせた販売で付加価値を高め、競争を勝ち抜く構えだ。』


昨日、11月17日に、 日経記事;太陽電池の国内出荷3割増住宅用4割伸びる に関する考察 のタイトルでブログ・コラムを書きました。

その時のポイントは、欧州や中国の太陽光発電装置メーカーの安値攻勢に対して、あらゆる方法で製造コストを削減し迎え撃って勝ち残る必要があるとしました。

アメリカの太陽光発電装置メーカーのように、本格的な普及期に入る前に負けてしまうわけには絶対にいかないからです。

太陽光発電事業は、今後の日本の成長分野である環境ビジネスの一角をになうものであり、パナソニック、シャープなどの関連会社は、絶対に海外企業に負けてはいけないのです。

本日の記事は、パナソニックの気概を示してくれました。パナソニックは、電池事業を強化するために三洋電機を買収し、経営合理化を図るためにパナソニック電工とも来年1月に事業統合します。

また、パナソニックはテレビ事業の採算性悪化で10月にプラズマディスプレイの中国生産の見直しや、液晶テレビ事業の縮小に関する合理化策を発表しました。

液晶テレビ事業の見直しは、韓国、台湾、中国メーカーの大幅な値下げ攻勢でどの国内メーカーも赤字状態になっていますので、当然やるべき「集中と選択」行為です。

完全に汎用化(コモディティ化)した事業分野に多くの経営資源を投入することは合理的ではありません。将来、この市場で生き残るのは1~2社です。いわゆる残存者利益を得る企業です。

現在の国内メーカーが、この残存者利益を確保するために大きな投資を続けていくことはリスクが高く、パナソニックやシャープの合理化決断は正しい判断です。

両社ともテレビ事業の見直しを行って、太陽光発電装置などの新規事業に経営資源を集中していく方針です。特に電池事業は、環境(事業用途及び家庭市場)及びハイブリッド車や電気自動車の中核になる技術・製品であり、国内メーカーが主力事業として勝ち残っていく必要のあるものです。

今回のパナソニックが立てたマレーシアに太陽光発電装置の新中核工場を作る施策は、事業の優先順位を明確にしています。

あとは、着々と実行して海外メーカーの追随を許さないようにすることが大事です。今まで、基幹部材のセルはコア技術であるため海外生産を止めてきましたが、今後マレーシアの工場でも作るとのこと。

セルの海外生産決断は、パナソニックにとって重大な判断になるため、内部で多くの議論・検討を行って決めたのでしょう。

このようなコア技術を持つ部品や製品の海外生産場所は、慎重に決める必要があります。最大のリスクは技術流出です。

この観点から、マレーシアは正しい選択です。この国以外ではタイも選択肢となります。
社会的体制、政治的状況、日本との関わり方の歴史など総合的な観点で基幹工場の設置場所を決めることが重要です。

今後のパナソニックの積極的な事業展開に注目します。
シャープの動きも眼を離せません。頑張れニッポン勢。

よろしくお願いいたします。
 
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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