日米問題の考え方と対米従属 - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

中沢 努
パンセ・ソバージュ・アンド・カンパニー 代表
東京都
コンサルタント・研修講師・講演講師

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対象:人材育成

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日米問題の考え方と対米従属

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日常を哲学する

日米問題の考え方にはいくつかの立場があります。

<タイプA>
 過去から現在に至るまでの日米関係を「肯定的にみる」立場。
<タイプB>
 過去から現在に至るまでの日米関係を「否定的にみる」立場。
<タイプC>
 これは評価できるがあれは評価できないというような「個別にみる」立場。

Aの人は「米国のお蔭で軍事的に守られているから」みたいな“功利主義”の傾向”があり、
Bの人は「米国の都合のいいようにされているから」みたいな“ルサンチマン”の傾向があり、
Cの人は「いいものはいいし悪いものはわるいのだから、その通りに評価すればいい」みたいな“現実主義”の傾向があります。

どの立場をとるかは人それぞれですが、上に挙げたような意味合いやメンタリティーで日米関係を考えるというのは感心できません。

なぜなら、
Aはあまりに「大ざっぱすぎ」であり、Bはあまりに「感覚的すぎ」であり、Cはあまりに「是々非々的すぎ」だからです。

俺はそうじゃない、という人がいるかもしれません。
でもそういう人の話を聞いてみても、最後に「結局のところはどうなんですか?」と訊ねると
・(個別事項W)だから賛成、だとか
・(個別事項X)だから反対、だとか
・(個別事項Y)だからこの点は賛成で(個別事項Z)だからあの点は反対、みたいなことをおっしゃる。

つまり、ABCのいずれであっても、「自分が関心ある事項」を挙げて、それを「賛成」や「反対」の根拠にし、結論づけている。

でも日米関係って、そういうことではない。
だって、日米関係とは“日本という「国」”と“アメリカという「国」”の関係・・・「国と国の関係」ですよ。

さきの見解は「個人としての結論」「個人としての見解」であって「国としての見解」になっていない。
だからこういう考え方は感心できないのです。

今の日米関係を語る人のほとんどは「自分」の利害や関心に基づいて国と国の関係を語っています。
「自分」の利害や関心が満たされていれば肯定し、満たされていなければ否定しているだけです。

こんなことをしているから対米従属なんてことになるのです。
対米従属になりたくなければ、「日本とは何か」を考え、「自分の利益/自分が属する利権の利益」ではなく「日本国全体の利益」という観点から考えねばならない、と私は考えます。

(中沢努「日常を哲学する」から抜粋)

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