居酒屋苦戦のなか｢大庄グループ｣ Ｖ字回復へ！

　長期にわたる居酒屋不振の中で、居酒屋｢庄屋｣、｢日本海庄や｣、｢やるき茶屋｣の3本柱を展開する株式会社大庄がV字回復を果たし注目されています。

　居酒屋業態の不振要因は、若者のアルコール離れ、サラリーマンの節約志向や均一低価格商品などによる消費単価落ち込みなどによると言われており、他の居酒屋チェーン店の今年9月の既存店実績は、マルシェ93.8％、和民94.1％、ダイナック96.0％、素材屋96.6％、コロワイド96.8％、天狗98.5％と大きく前年を下回っています。

　ところが、大庄グループでは、既存店売上前年比で今年6月に2年7ヵ月ぶりに105.5％とプラスに変わり、以降、7月は102.8％、8月104.6％、9月105.3％と好調に推移しています。

　今年5月、マスコミでは｢大庄 不採算店100店舗（全店の15％）閉鎖｣と報じられました。

　このような従来にない思い切ったリストラを断行しや結果、震災後に大手居酒屋各社が低迷を続けるなかで、6月以降の同社売上は3～5％前年を上回る水準に回復しています。

　3月の震災後、急激に売上を伸ばしている要因は、単に不採算店の閉鎖に留まらず、4月には魚介類に特化した新業態｢大庄水産｣の展開に乗り出したこともあり、家族連れなど新たな客層開拓にも成功したのではないでしょうか。

　また、赤城乳業の定番アイス｢ガリガリ君｣を使った“コラボ商品”を導入。｢当たりスティックが出たらもう1杯！｣のキャッチコピーで、夏季限定｢ガリガリ君サワー（税別380円）｣を販売。これが1ヵ月で12万杯売上げる人気商品になったことも話題となり集客に繋がりました。

　赤城乳業との商品開発の成功から、今後も積極的に他社食品メーカーと連携して商品開発を積極的に進めるようです。

　大庄グループのV字回復の要因は、“不採算店リストラ”や“コラボ商品ヒット”に加えて、店舗運営の見直しも回復の大きな牽引となったのではないでしょうか。

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