日経記事;『米メディア大手ネット配信拡大DVDからシフト』考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『米メディア大手ネット配信拡大DVDからシフト』考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

2011年11月15日
皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月15日付の日経新聞に、『米メディア大手、ネット配信拡大 DVDからシフト』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米メディア大手が映画やテレビ番組のインターネット配信を拡大している。ドル箱だったDVDソフトの販売減少や消費者の視聴スタイルの変化などを受け、タイムワーナーなど各社はネット配信に慎重だった従来の姿勢を転換。収益の柱に育てる戦略が鮮明になってきた。

タイムワーナーはCBSと共同運営するテレビチャンネル「CWネットワーク」で放送中の人気ドラマ「ゴシップガール」の過去放映分などを向こう8年間、ネット配信サービス大手のネットフリックスに供給する。

ウォルト・ディズニーはネット小売り最大手アマゾン・ドット・コムが今年2月に開始した映像配信サービスに、傘下のテレビ局ABCの人気ドラマ「ロスト」やコミック大手マーベルのアニメ「スパイダーマン」など800作品以上を供給する。

メディア各社がネット配信を積極化する背景には、映像コンテンツを取り巻く環境の大きな変化がある。米業界団体DEGによると、テレビ番組などの二次利用の主流だったDVDソフトの販売額は2010年に140億ドルと、ピークだった06年から約3割減少。

一方で、ネット配信サービスは「ストリーミング(逐次再生)」方式のサービスだけで約2000万人の利用者を抱えるネットフリックスを筆頭に、事業者数や利用者数が急増。調査会社ニールセンによると、米国の消費者がネットで映像コンテンツを視聴する時間は1年前に比べて月に1時間以上増えた。

ネット配信はDVDソフトのような複製コストや在庫リスクがほとんどなく、利益率が高い。米国野村証券のアナリスト、マイケル・ネイサンソン氏によると、タイムワーナーがネットフリックスと今回結んだ番組供給契約のマージンは約5割。

慎重派として知られたタイムワーナーのジェフ・ビューケス最高経営責任者(CEO)は7~9月期の決算会見で「テレビビジネスに新たな付加価値をもたらす好例だ」として、積極的に取り組む方針を示した。

自前の配信インフラを見直す動きもある。ニューズ・コーポレーションは先月、ディズニーやNBCユニバーサルなどと共に大株主として名を連ねるネット配信サービス「Hulu(フールー)」について、いったん検討していた売却方針を撤回すると発表した。

ニューズのチェース・ケリー社長は「デジタル戦略を進める上で、有力なネット配信基盤を持っていることは計り知れないほど貴重な機会をもたらす」と述べ、事業の拡大を目指す考えを示した。

映像コンテンツのネット配信を巡っては、米グーグル傘下の「ユーチューブ」も先月末、約100のオリジナルチャンネルを新たに開設すると発表。独自の配信サービスを展開するアップルなどを含めた競争が一段と激しさを増している。

メディア各社にとっては、保有するコンテンツ資産や制作能力をネット配信の分野でいかに収益につなげるかという戦略の巧拙が問われている。』


本日の記事は、米メディア大手が映画やテレビ番組のコンテンツ(ソフト)の配信方法をDVDやBlu-ray Discのような物理的媒体から、インターネット配信を主にする方針変更を決めたことについて書いています。

この動きのきっかけを作ったのがアップルやグーグルです。アップルの場合、音楽番組を含むコンテンツ配信をネットを使うやり方で徹底的に行い、iPodで聞ける音楽ソフトを「Apple Store」を通じてネット配信のみで行いました。

このやり方は、消費者から支持されました。ソニーのWalkmanがiPodに負けた原因の一つがネット配信に対する経営姿勢の違いによるものです。

アップルは、インターネットのプラットフォーム活用によるコンテンツ配信に徹しています。この姿勢は、iPad, iPhoneなどでも同じで、全てのコンテンツをネット配信で行うやり方を貫いています。

片一方、ソニーは、Audio Visualの総合家電メーカーとして、DVD、Blu-ray Discの録画再生機器・ディスクメディア、音楽・映像コンテンツの制作・配信まで幅広く手掛けています。

このため、アップルのようにコンテンツのネット配信の徹底化に踏み切れませんでした。それは、ネット配信を強化すればするほど、上記既存事業基盤である、DVD、Blu-ray Discの録画再生機器・ディスクメディアのビジネスにマイナスになると判断したためです。

また、コンテンツホルダーとしても、DVD、Blu-ray Discの既存媒体を通じての番組供給を主に行ってきました。

最近、ソニーネット活用の重要性を訴えて、ネットを中心としたコンテンツの配信事業を強化しています。

アップルの場合、ソニーのような他の事業分野を持っていませんので、ネット配信を集中して行い、世の中の仕組みを変えつつあります。

グーグルも同様です。グーグルは、静止画から動画までの全てのコンテンツをネット配信する経営方針で当初から貫いています。「ユーチューブ」の買収もこの動きの一環です。

ネット配信の第三の旗手は、アマゾンです。アマゾンは映像などのコンテンツ配信だけでなく、電子書籍についても積極的です。

このような環境化、アメリカ市場の場合、メディア大手もネット配信の優位性と事業効果を前向きにとらえて、積極的に動き始めました。各映像配信サービスを使ってコンテンツを流しています。

ニューズ・コーポレーションは、ネット配信サービスとして最近注目されている「Hulu」の売却を取りやめ、自前のネット配信基盤として活用する方針としました。

国内の場合、アメリカのように急激な変化は起こっていませんが、同様の傾向が強まりつつあります。今後、コンテンツのネット配信が急速に普及すると予想します。

ソニーは、11月12日、英音楽大手EMIの音楽出版部門を投資ファンドなどともに総額22億米ドル(約1700億円)で買収すると発表しました。これもコンテンツの資産を増やし、コンテンツホルダーとしての立場を強化するのが目的です。

今後のソニーは、映像・音楽の巨大コンテンツを生かして事業展開していくために、アップルのようにネット配信事業を徹底化して行っていけるかどうかにかかっています。

ネット事業は、単純化し徹底的に行うことが重要です。ソニーの動きに注目します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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