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日経記事エリクソン社長通信に集中する好機合弁解消に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月13日付の日経新聞に、『エリクソン社長「通信に集中する好機」合弁解消』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『スウェーデンの通信機器大手、エリクソンのハンス・ヴェストベリ社長兼最高経営責任者(CEO)は12日、日本経済新聞に対し、ソニーと10年続いた合弁解消を決めたのは、携帯電話事業が従来とは「全く違う(性格の)分野になったからだ」と話し、端末の競争状態の激変を理由として挙げた。

ソニーとは今後も良好な関係を保つ考えだが、インフラに強みを持つエリクソンにとっては今が「通信ネットワーク全体に資源を集中する好機ととらえた」とも語った。

ヴェストベリ社長はソニーとの折半出資会社、ソニー・エリクソンについて「今から10年前に日本の家電メーカーとスウェーデンの通信機器メーカーが一緒になったことはとてもユニークだった」として、その歴史的意義を強調。

ソニエリがその間に計19億ユーロ(約2014億円)の配当をもたらしたことなどを念頭に、「財務の観点からも、製品の観点からも成功を得た」と評価した。

だが、スマートフォン(高機能携帯電話)の普及に伴い、端末の競争がコンテンツやデザインなどに及び始めたことで「携帯電話は(単なる)ネットワークの延長にとどまらない局面を迎えた」と指摘。

一方、通信ネットワークの利用が様々な産業分野に広がり始めるなかで、「エリクソンのように世界中でネットワークを構築・運営している会社からすると、スマートフォンだけがネットワークに接続する(重要な)端末でもなくなった」。新たな通信需要の拡大を受け、通信インフラに経営資源を集中する方が得策と判断したようだ。

 一部に「ソニーにとって有利な合意」との見方があることについては「すべての関係者にとっていいディールだったし、時機も正しかった。勝者も敗者もいない」と述べた。

そのうえで、ソニーとの10年間の提携関係を振り返り「『その間にどれだけけんかをしたか』と聞かれるが、けんかになったことなど全く思い出せない」とし、「円満離婚」であることを改めて強調した。

合弁解消に伴いソニー側から支払われる10億5千万ユーロ(約1113億円)の使途については「我々の業界では多くのネットキャッシュ(純現金)を持っていることが重要」と説明。

設備や研究開発への投資が大きいだけでなく、金額の大きい通信機器の納入や契約期間が長期にわたる運営の受託事業では「顧客は安定したバランスシート(貸借対照表)を持つ、安定したパートナーを求める」とし、財務の安定度を高めることに意義があると語った。』


ソニーとエリクソンの両社がマスコミに流している情報から、今回の提携解消は内部対立が主要因ではなく、両社の経営施策の違いが合弁解消につながったとみます。

ある意味、両社は「スマート」に関係を解消しました。

ソニーは、10年前に世界市場での携帯事業を行うためにエリクソンをパートナーとして選び、国内及び海外市場で携帯電話を開発・製造してきました。

国内家電メーカーの中で唯一世界市場で携帯電話事業をエリクソンと共に行ってきました。ソニーはエリクソンとの連携から、当該製品の世界市場での戦い方・事業展開の方法を学びました。

また、エリクソンは、ソニーからハードウエア提供と、記事に書いてあります通り巨額の配当金を受けました。

両社はこの10年間、双方にとってメリットのある、「Win/Win」関係を維持してきました。この「Win/Win」関係に変化が生じたのが、アップルが市場に投入した高級携帯端末(スマホ)の大きな影響です。

スマホの需要は急激に立ち上がり、グーグルが提供する無償OS「アンドロイド型」端末の急速な普及も後押しして、スマホはパソコンと並ぶ情報端末機器に成長しました。

ソニーは、スマホをパソコン事業と一体としてとらえ、合弁企業ではなく自社単独で事業展開し、激しい競争に勝ち残ろうとしています。

スマホの事業環境は、たゆまぬ技術革新と迅速な経営判断を求めています。ソニーが世界市場で勝ち残るにはそれらの最低条件を満たす必要があります。

ソニー単独でスマホ事業を行う決定は当然の帰結です。

エリクソンからみますと、スマホは電話の領域を超えてパソコンと同様に情報処理する端末の大きな一角を占めるものとなり、通信インフラ事業を柱とする事業形態に合わなくなったのです。

このまま、両社が合弁・提携を続けた場合、共倒れになる可能性があります。

ソニーは、テレビ事業の赤字脱却を含めて、事業内容を整理し重点分野に限定する「集中と選択」を早急に行う必要があります。ソニーが最近発表したEMIの分割買収も強みを強化する動きの一つです。

このように連携は、お互いに「Win/Win」関係の維持が難しいと判断したら、早期に止める決断が大変重要です。

ずるずると、無意味な関係を続けることは両社にメリットはありません。

ソニーとエリクソンは、今回、スマートに合弁解消し、お互いの進むべき道に歩み始めました。国内企業にとって、海外企業と連携する動き方の参考事例になります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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