日経記事;楽天,カナダの電子書籍販社 買収端末参入 に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;楽天,カナダの電子書籍販社 買収端末参入 に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月9日付の日経新聞に、『楽天、カナダの電子書籍販社236円で買収 端末参入』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『楽天は9日、カナダの電子書籍販売会社コボ(本社トロント)を買収することで同社と合意したと発表した。買収額は236億円。楽天はコボ買収に伴い、電子書籍端末の販売に参入する。

インターネット小売り最大手の米アマゾン・ドット・コムが年内にも日本で電子書籍販売に参入する見通しで、楽天もコンテンツ配信から端末提供までを手がけることで対抗する。

コボの買収手続きは来年1~3月の間に完了する。2009年創業でカナダの書店チェーン、インディゴ(本社トロント)が株式の51%を保有。

楽天はインディゴやほかの株主から株式を買い取り、同社を完全子会社化する。225人いる従業員は引き継ぎ、マイケル・サビニス最高経営責任者(CEO)ら現経営陣も留任する。

楽天は買収に伴い、コボが「コボヴォックス」「コボタッチ」などの名称で販売するタブレット型の電子書籍端末を日本や米欧などで販売する。

日本では来年初頭に「コボ」のブランドで端末を発売する。端末の価格は未定だが、1万円台程度になるもようだ。楽天は米国のほか英国やドイツ、フランスにネット通販子会社を持っており、これらを通じて端末を販売する。

楽天の三木谷浩史社長は同日、日本経済新聞社の取材に対し、「現時点では端末を自前で持っていないと競争上不利。日本で電子書籍シェア1位を目指す」と述べた。

楽天は8月に「Raboo(ラブー)」の名称で、電子書籍配信サイトを立ち上げた。パナソニックとソニーの端末への配信をすでに開始している。今後は自社端末を持つ形になる。』

昨日、角川グループホールディングスの角川会長は、アマゾンとの契約交渉が「かなりいいところまで来ている。電子書籍の価格面など11条件について交渉を煮詰めている。」と都内で開いた電子書籍などについての座談会で語りました。

その中で、アマゾンに電子化の作業を全面的に委託した場合、電子書籍価格の55%を同社が求めていることを明らかにしました。

アマゾンは以前の発表で今年末までに日本で電子書籍の購入サイトを開設する考えです。これが可能かどうかは角川との交渉結果次第です。

角川は、動画共有サイト「ニコニコ動画」を子会社を通じて運営するドワンゴと提携し、ソーシャルネットワークと連動した電子書籍サービスを始めると発表しました。

角川も同時並行して電子書籍事業の展開を行うとしています。電子書籍に利用者のコメントを掲載し、感想を共有できる仕組みで、差異化を図り利用者の拡大を狙います。

楽天の動きは、アマゾンの事業展開を強く意識して動いています。今まで、楽天は自社で電子端末を持っていませんでしたが、カナダの電子書籍販売会社コボの買収により、「コボ」という端末を自社ルートで販売します。

基本的にアマゾンと同じやり方です。アマゾンは、キンドルを意図的に安く販売することにより、当該電子端末の普及を図り、電子書籍を販売するプラットフォームの強化・拡大を行いました。
並行して、他社の電子端末にも積極的に流すようにしています。

アマゾンの最終目的は、電子書籍自体の販売数量拡大です。自社でキンドルを販売することにより、電子端末メーカーに対するバーゲニングパワー(交渉力)を持てます。これは、キンドルの性能が良く、販売価格を安く設定することで、更にパワーを増します。

楽天がアマゾンと同様なバーゲニングパワーを持てるかどうかは、「コボ」の性能と販売価格によります。楽天が国内市場でどこまでアマゾンと戦えるか、注目しています。

また、昨日岩波書店は、「岩波新書」と「岩波ジュニア新書」を電子書籍化し、11月下旬から定期配信すると発表しました。

岩波新書は発売から2カ月った新刊と合わせて毎月4点ずつ、ジュニア新書はロングセラーの既刊を中心に毎月1点配信します。

電子書籍の販売価格は、紙の本と同じに設定します。シャープ「ガラパゴスストア」、ソニーの「リーダーストア」、第日本印刷とNTTドコモなどが運営する「honto」などを通じて販売します。
電子端末は、専用端末、パソコン、スマホなどすべての機器に対応する計画です。

アマゾンという海外企業が一種の圧力になって、国内の電子書籍事業が一斉に始まろうとしています。昨年は、各書籍会社が電子書籍が国内市場に入って来ると、一気に既存書籍店が淘汰されるとの理由で反対一色でした。

これが、アマゾンの参入がはっきりして、国内の何社かの書籍会社が対応を開始すると、一気に業界全体で動き始めました。

このように競争は、新事業展開のきっかけになります。電子書籍は、明らかに利用者に利便性を与えます。新機能・新サービスを提供できますので、書籍市場の拡大につながります。

競争の激化で多くの商材が出て来ますので、これも市場拡大の要因になります。書籍の電子化についていけないところは、脱落するか、或いは、紙の本に強みを見出して生き残る企業も出てくる可能性があります。

TPPの国内議論が活発に行われていますが、反対論者・業界の意見を聞いていますと、既存利権を如何にして守るかの視点が多いです。

これは、昨年の書籍業界と同じです。無競争とは言いませんが、もっと競走してより創造的な商品・サービスを提供して市場で勝ち残る前向きな対応が必要です。

製造業は、戦後のほとんどの期間、海外企業との競争にさらされてきて、技術を磨き、商品を磨き、事業体制を変えながら勝ち残ってきました。

結果として現在の国内経済を支えています。

競走は大事です。それは戦後の国内企業や業界の歴史が示しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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