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三瀬 宏太
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くるみん税制??

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税制改正 法人税等

税制の名前からして少し違和感を感じるかもしれませんが、平成23年度4月1日から開始する事業年度より制度が適用になる新しい税制である。内容としては、次世代育成支援対策推進法(以下「次世代法」という。)に基づく認定を受け、「くるみん」を取得した企業は、認定を受ける対象となった一般事業主行動計画の計画期間開始の日から認定を受けた日を含む事業年度終了の日までの期間内に取得・新築・増改築をした建物等について、認定を受けた日を含む事業年度において、普通償却限度額の32%の割増償却が出来るという制度です。


そもそも割増償却とは何かと言うと、例えば取得価額10,000,000円の建物があったとして、耐用年数50年と考えると、通常の減価償却費は毎期200,000円(10,000,000円÷50年(残存価額0とする。))で50年に渡って損金化されるのであるが、割増償却がある事によって、この200,000円の32%である64,000円が通常より多めに損金処理できるというものになります。これを減税措置と勘違いされる方がよくいらっしゃいますが、正確には課税の繰延になります。確かに、単年度で見れば、200,000円の減価償却費が264,000円になりますので、所得ベースで64,000円の減税措置にはなりますが、通年(50年)で考えれば、トータル10,000,000円が損金処理出来るという事を考えれば、この優遇措置を使おうが使うまいが、一緒になります。


ところで、次世代法とは何か?と思われている方も多いのではと思いますが、近年急速に進む少子化の背景に仕事と子育ての両立が困難な職場環境があると言われています。現に私の周りのR30世代の友人は結婚している人が増えて来てはいますが、専業主婦で夫の収入のみで暮らしているという世帯は全体の1割もいないくらいに感じます。さらには、結婚しない人も増えていたり、結婚していても子供は作っていない家庭も多々あります。こういった日本の国家的な問題を打開するために国、地方公共団体、企業、国民が一体となって次の世代を担う子供たちが健やかに生まれ育つ環境を作る為に施行された法律になります。


この「くるみん税制」を使う為には、「くるみん」を取得することが必要になります。企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない労働者も含めて多様な働き方を選択できる労働条件の整備などに取り組むにあたって、一定の行動計画を定めて、認定を受ける必要があります。


そして、行動計画に沿って定めた目標を達成し、一定の要件を満たした企業は、申請を行う事によって子育てサポート企業として厚生労働大臣の認定を受ける事が出来ます。また、認定を受けた企業は「くるみん(愛称)」というマークを広告・商品等に表示して、環境の良い会社である事を対外的アピールする事が出来るという仕組みになっています。いずれは、ここは「くるみん」の認定がある企業だから、ぜひ就職したいとか新卒の大学生が考えたりするような時代が来るのでしょうかね。今後、この制度の動向に着目していきましょう!!



税理士 三瀬 宏太

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