就活仲間（２）

就職活動において仲間がいることの大切さを「就活仲間」というタイトルで書いたのだがこの秋になって、そのパワーを実感している。

 ある超難関人気企業に内定した学生は「面接に行った時にいつも私の背中にクラスメイトがいるような気がした。ひとりじゃないと思えた。」と話していた。その学生は結果的には超難関企業に内定したが、それまでの道のりは決して順調ではなく、自信のプライベートな問題でも揺れ動く時間を過ごしていた。

 また秋になっても結果が出ないクラスメイト5名ほどが集まって話をする機会があったのだが、普段話せない気持ちをその場に吐き出しお互いにエールを送った。その時間はまるでドラマのワンシーンを見るかのような涙と温かさにあふれた時間だった。

 あるものは就職活動できなかった自分をさらけ出し、あと半年で本当に決まるのかといういたたまれない不安を口にした。またあるものは、周りが次々と内定してゆく中でひとり取り残される自分の境遇を話し涙した。地元の仲間とは「就活やってないよね」とうわべだけの会話をし、負のスパイラルに落ちてしまう自分を嘆く者もいた。

 しかし、そんな気持ちの吐き出しから彼らは新たにスタートするパワーをもらっている。最後にそれぞれへのメッセージを紙に書いてお守りとして交換した。いま、彼らは就職活動を前よりも前向きに捉えて行っている。長いキャリアカウンセラーの経験から、彼らが内定する日も遠くないと予感している。それほど彼らは変わった。人間、気持ちひとつで、モチベーションひとつで、こうも変わるのだと、彼らを目の前にして本当に感動し驚いている。そして何としても結果を出させてやりたい。今はその思いを強くしている。