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日経記事;緩まないナット 受賞日本イノベーター大賞に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月4日付の日経新聞に、『緩まないナット、若林氏が受賞 日本イノベーター大賞』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日経BP社は独創的なアイデアや技術で新市場の開拓に挑む人材を表彰する第10回「日本イノベーター大賞」の受賞者を決めた。

大賞には東日本大震災で脱線をまぬがれた東北・上越新幹線などに採用された「緩まないナット」の開発者で、ハードロック工業社長の若林克彦氏を選んだ。

特別優秀賞にはスーパーコンピューター「京」の開発チームを代表し、富士通次世代テクニカルコンピューティング開発本部長の井上愛一郎氏を選出した。

優秀賞には発展途上国の飢餓問題と先進国の飽食問題を同時に解決する寄付システムを提案したTABLE FOR TWO International代表の小暮真久氏、特別賞にはワールドカップで優勝したサッカー女子日本代表監督の佐々木則夫氏を選んだ。

表彰式は12月2日にグランドプリンスホテル高輪(東京・港)で開く。』


ハードロック工業は、1974年創業で「ネジ」一筋50年で事業を行ってきたネジ専業メーカーです。従業員は現在49名で資本金1000万円。大阪に本社を持つ中小企業です。
URL; http://www.hardlock.co.jp/index.php

今まで多くのマスコミに紹介されてきましたので、ご存知の方も多い中小企業です。

今回、ハードロック工業が独創的なアイデアや技術で新市場の開拓に挑む人材を表彰する第10回「日本イノベーター大賞」を受賞しましたので、本日のブログ・コラムにてこの企業を取り上げます。

日本国内には、中小から中堅に至るまで非常に多くのネジ専業メーカーが存在し、事業を行っています。ネジは部品扱いされ、一般消費者にはなかなか見えないものです。

ホームスーパーでも多くのネジが販売されており、ネジだけで他社に差異化をつけることは難しく、一部の高性能分野を除けば、完全にコモディティ化(汎用化)された事業になっています。

ネジは絶対に必要な部品で市場規模は大きいですが、専業メーカーが多く言わば値段勝負で販売数量を稼いで収益をあげる事業構造になっています。

中小企業にとってこのネジ市場で収益をあげることは難しいと考えるのが一般です。

ハードロック工業は、ネジ事業を基盤に専業メーカーとして、差異化を実現しました。それは、それまで常識とされていた「ネジは緩む」と言う概念を変えるやり方を開発したことです。

当社のWebサイトをみますと、『ねじは緩む常識を日本古来のクサビ原理を導入することで、緩まないナットを誕生させた。』とあります。

緩まないネジ・ナットの開発により、業界に革命を起こし、絶対的ともいえる差異化・新規性を実現しました。「得意分野に集中し、一点集中で敵に向かえば、より強大なライバルに対しても有利に戦うことが可能となる。」との孫子の兵法を絵にかいたようなやり方です。

緩まないネジは、スペースシャトルの発射台、新幹線を含む鉄道、鉄塔(東京スカイツリーを含む)、道路・橋梁関係、輸送機器関係などの幅広い分野で採用されており、その需要は今後も拡大し続けています。

緩まないネジの商品販売単価は、他社商品のそれよりも高く設定されており、いわゆる価格競争とは一線を画しています。ハードロック工業は、相対的に高い販売価格の妥当性を、ナットが緩まないことで抑えられる維持費、人件費の削減効果でトータルコストで安くなるとしてアピールしています。

今までの納入実績は、顧客がその妥当性に同意していることを示しています。

また、2009年3月時点の海外販売比率は、5%となっています。現在販売代理店は、以下の地域・国に設置しています。
・韓国 
・オーストラリア
・欧州
・中国

代理店網の拡充により、今後海外売上の大幅な拡大が見込まれます。

今回、「日本イノベーター大賞」を受賞した理由の一つが、海外を含む新規市場の開拓だと推測します。差異化・新規性によって国内だけでなく海外市場も開拓するという、国内中小企業に期待することを実現しています。

多くの中小製造企業に期待しますのは、ハードロック工業のように、その企業の製品や部品がないと、品質の良い商品や構造物が出来ない事業環境を作り、価格競争に巻き込まれないで世界市場で販売できるようにすることです。

差異化・新規性を確保し商品化するだけでなく、代理店などを活用して販売網を確立することが重要です。世の中には、ハードロック工業のように、特化された世界市場で勝ち残っている中小企業がいます。

そのような中小企業を手本に、得意分野を明確にし、自社の強みを押し出す経営のやり方を目指すべきです。その方法以外に中小企業が勝ち残れるやり方はありません。

自社技術やノウハウを棚卸して、強み・得意分野を探し、そこに一極集中することを検討することは重要です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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