日経記事日産中国で高級車生産香港に販売戦略司令塔に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事日産中国で高級車生産香港に販売戦略司令塔に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月2日付の日経新聞に、『日産、中国で高級車生産 香港に販売戦略の司令塔 新興国の富裕層に照準 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日産自動車は高級車事業で中国など新興国へのシフトを加速する。来年4月をめどに、日米欧にある「インフィニティ」ブランドの販売・マーケティング部門を香港に集約。日本の自動車メーカーで初めて高級車ブランドの中国生産に乗り出す。

富裕層人口は2020年には新興国が主要7カ国(G7)を上回るとの予測がある。日産は中国に高級車戦略を立案する司令塔の機能を置き、円高下でも新興国市場の成長を取り込む。

日本の自動車各社は小型車を中心に新興国の中間所得層を開拓してきた。ただ韓国や中国勢の台頭で価格競争が激化。円高定着も加わり、量産による低コスト追求だけでは利益確保が難しい。

戦略立案や生産など中核機能の現地化を通じ、嗜好性が強く高品質を要求される高級車で攻勢をかける新たな段階に入る。

インフィニティは1989年の発足で、10年度の販売台数は37カ国・地域で約14万6千台。日本では販売していない。16年度には50万台以上に増やす計画で、その時点で中国が北米を抜き最大の販売先になる見通し。

中国での販売価格はセダンの上位モデルで800万円強。価格競争が少なく、アフターサービスでも高い収益が見込める。

まず、市場動向の調査や販売戦略の立案、広告宣伝を担う販売・マーケティング機能を香港に移す。日米欧の担当者約100人が異動する見通し。商品企画も段階的に香港に移管する方向で検討する。商品づくりや販売戦略に新興国の消費者の好みを反映させる。

国内で全量を生産する戦略も見直す。インフィニティは栃木工場(栃木県上三川町)と日産自動車九州(福岡県苅田町)で生産しており、年産能力は計20万台強。国内生産は現状を維持する一方で、販売が拡大する分は現地生産で対応し円高抵抗力を引き上げる。

12年から米国スマーナ工場(テネシー州)で多目的スポーツ車(SUV)の現地生産を決めたのに続き、12年中をめどに中国生産を始める方針。合弁会社、東風汽車の襄陽工場(湖北省)での生産が有力とみられる。

中国では新車販売が減速する中、今年1~6月の独ダイムラーや独アウディなど外資系高級車の販売は4割増。富裕層のマネーが高級車に向かっている。

通商白書などによると、20年には新興国の富裕層(世帯可処分所得が年3万5千ドル以上)が6.9億人とG7(6.2億人)を上回る。日産は高級車市場の成長が長期的に続くとみて、中国を起点にグローバル戦略を練る体制を敷く。

日本勢の高級車ではトヨタ自動車の「レクサス」が先行、昨年は世界で41万台を販売した。ホンダの「アキュラ」や欧州勢を含め、主戦場の新興国で現地化の度合いを競うことになりそうだ。』


国内乗用車メーカーは、新興国市場の需要獲得のために、当該地域・国のニーズ・仕様に合せる必要があり、開発・商品企画までさかのぼってクルマ作りを行うやり方を採用し始めました。

新興国の経済力は今後とも伸びていくことが予想され、先進国を上回りつつあります。特に、中国やブラジル、インドが最大市場に発展することは確実です。

欧米企業は、既に中国国内に開発拠点を置いたり、中国企業と共同で開発・設計・製造を行うやり方を取っています。

その先行度合いが中国国内の乗用車販売結果に数字として出ていることは、10月23日に 日経記事;トヨタ中国でエコカー部品共同開発新拠点 に関する考察 のタイトルでブロに書きました。

中国市場で先行したフォルクスワーゲンやGMが最大シェアを獲得しています。日産はルノーと組んで中国企業との連携を加速しています。

今回の記事は、中国やブラジルなどの富裕層に焦点を絞って、日産やトヨタは、高級車の仕様決めから中国拠点で行うやり方を決めたことを書いています。

先進国を上回る需要がありますので、その市場に特化した形で事業を行うことは合理的なやり方です。日産やトヨタは、グローバル企業として更なる進化を始めています。

国内空洞化などの不毛な議論は必要なく、世界需要に合わせた形でのより高度な事業展開を始めたと評価すべきです。これを行わないと、トヨタや日産でさえ勝ち残れないのです。

ホンダも同様に、世界を6地域拠点に分けて、新興国で売る車は現地で開発、調達、生産する仕組みを取ります。

今回の記事は、高級車市場への対応について書いています。ローカル市場で売るには現地の必要とするニーズや仕様に合わせて、開発・製造する必要があります。

スズキの場合、インドでの市場拡大に備えて軽自動車の製造能力を引き上げる計画です。インドでの普及車需要の取り込みを急ぎます。

乗用車メーカーの動きは、グローバル化した市場での事業展開のやり方を示唆しています。これが他の業種でも日常的に起こってきますと、国内企業の事業に大きな影響を与えます。

国内市場の再活性化は、海外企業に負けない形での新規事業の立上で可能とします。対象分野は、環境・エネルギー関連などになります。規制緩和や投資減税などで企業が活動しやすい場を作ることが求められます。

一方、乗用車事業だけみても、この分野のすそ野は広いため、今後多くの国内関連メーカーも一段の海外展開を行う必要が出てくる可能性があります。

中小企業も今後より一層の海外展開・進出を迫られる、或いは必要が出てくる可能性があります。この時に大事なことは、自社の強みを再確認して、その強みを最大限発揮できるやり方で事業展開することです。

決して思いこみのみで、実行しないことが肝要です。市場ニーズやその他当該地域・国の諸事情を客観的に理解して、やり方を決めて実行するステップを踏みましょう。

過去の事例がその必要性を示しています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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