日経記事パナソニック人員削減前倒リストラ5140億円に関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事パナソニック人員削減前倒リストラ5140億円に関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

11月1日付の日経新聞に、『パナソニック、人員削減前倒しリストラに5140億円』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックの2012年3月期の連結売上高は従来予想を4000億円下回り、前期比5%減の8兆3000億円となりそうだ。

テレビの今期の世界販売が期初計画の2500万台から1900万台に下振れし、前期の実績も下回る。大坪文雄社長はテレビ事業について「円高や価格下落などの要因が複合的に重なり、収益化できなかった」と述べた。

これを受け、パナソニックは収益構造の転換に乗り出す。「スリム化は今期中に区切りをつけたい」(大坪社長)。人員削減を1年前倒しで実施し、11年度中にグループの総人員を現状より1万人以上少ない35万人以下とする。

テレビ事業は13年3月期の赤字脱却を目指し、生産体制を抜本的に見直す。液晶・プラズマともパネル工場を1拠点ずつに集約。組み立ても原則、宇都宮工場(宇都宮市)に絞り、茨木工場(大阪府茨木市)は技術開発拠点に衣替えする。

地上デジタル放送への移行という特需でも利益が出ず、半年前の事業方針説明会から一段の構造改革に踏み込む。半導体も来期の営業黒字化をめざして合理化に着手する。

リストラ関連はテレビ事業で2650億円、半導体でも590億円の費用を計上。期初に1100億円と見積もっていた構造改革費用は、5140億円まで拡大する。ウミを出して次の事業に注力する。

円高が280億円の減益要因となる。原材料価格の高騰も響き、営業利益は57%減の1300億円(従来予想は2700億円)となる見通しだ。

一連の構造改革で来期からは年1460億円の合理化効果を見込む。

31日発表した4~9月期決算は東日本大震災の影響や構造改革の実施などで最終損益は1361億円の赤字(前年同期は747億円の黒字)だった。』


パナソニックについては、10月26日に  『日経記事;パナソニック,液晶中小型シフト TV不振で に関する考察』 のタイトルで本コラムで考えを述べました。

本日もパナソニックの経営施策について考えを述べます。

記事情報によると、パナソニックは今期中に事業の集中と選択を完了する計画です。このやり方は、円高や震災後の事業環境などによる経営状況悪化に対応し、短期的に体質を変えようとするもので正しい施策です。

短期間の合理化(集中と選択)は、従業員も含めて痛みを伴いますが、躊躇せず計画通り今期中に終了することを期待します。

10月26日に述べたとおり、液晶テレビは汎用化(コモディティ化)しており、誰も利益を出せない供給過剰の状態に入っています。
確かに、大型テレビは今まで国内家電メーカーの顔の一つであり、家庭内にそのメーカー商品があるかどうかが存在感に影響を与えて来ました。

このために、パナソニック、ソニー、シャープなどの大手企業は、自社製テレビの開発・設計・製造に力を注ぎ、差異化・新規性を訴求してきました。

しかし、事業環境は完全に変わりました。韓国、台湾、中国メーカーが力をつけて低価格品を一気に市場に出したことにより、汎用化(コモディティ化)して価格勝負の状況になっています。

国内メーカーが全てテレビの生産を止めて、1社に集中して戦えばコスト競争力が付く可能性もありますが、各社は製造工場の合理化を行い縮小・撤退する方策を選んでいます。

テレビの生産に固執しない考えです。
パナソニックの場合、総合家電メーカーから環境を中心とする事業展開に経営の軸足を移す考えを大坪社長が明言しました。

成長分野に特化した家電メーカーへ変化しようとしています。もともと、今期は三洋電機を買収し、環境事業を強化するための合理化(集中と選択)を行っていました。

この動きを加速させて、プラズマテレビ、液晶テレビ、半導体などの不採算事業を一気に整理して、経営体質を変えようと動き出しました。

集中と選択は、一旦決めたら短期間に一気に行うことが大事です。パナソニックは、今期中に必要な合理化を行い、弱みを解決するやり方です。この迅速な対応が重要であり、今回の決定に大いに賛成します。

来期のパナソニックは、環境事業主体の企業として競争力をつけて世界市場で勝ち残れるような事業展開が可能になります。徹底的な差異化・新規性の確保により、競合他社を寄せ付けないようにすることが重要で、この点も徹底的に実行して欲しいですね。

ソニーやシャープも迅速に合理化を行い、今期中に経営体質を変えて得意な事業領域で、差異化・新規性を発揮するやり方に変更する必要があります。パナソニックの動きが両社を刺激することを期待します。

もうどの家電メーカーも多くの商品群をもち、総合的な事業を行う時代ではなく、自社の強みを最大化して徹底的な差異化・新規性を可能にする事業に特化し、世界市場で勝ち残るやり方しか通用しないことを理解すべきです。

この経営のやり方は、中小・中堅企業も同じように通用します。自社が持っている技術・経営資産を棚卸(再確認)して、強みを確認しそれを武器に徹底的な差異化・新規性が発揮できる市場で勝負すべきです。

パナソニックの動きは参考になります。注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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