- 杉浦 繁
- Atelier繁建築設計事務所 代表
- 愛知県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
昨今は木造住宅の外壁といえば・・
サイディングというものが全盛で、一般的なプレハブや木造やツーバイフォーなどの住宅においてはそのほぼ全てに近い家の住宅の外壁がこのサイディングやこれに類する物になってきました。
吹き付けや左官などの壁だと思っていても・・実はサイディング。
みんな工場で作ってきた、それっぽく見える壁材を貼っているだけのサイディングです。
タイルなども本物のタイルではなく、乾式工法という工法で壁にカチャカチャと引っかけて止めていくだけのサイディングに近い物で、それでもまだ陶磁器のタイルならましな方で・・
下手したら陶磁器ですらないタイルに見える何かです。
それどころか・・
石に見える何かとか・・
コンクリート打ち放しに見える何かとか・・
木に見える何かとか・・
昨今はありとあらゆる何かに見える何かばかりです。
遠目ではコンクリートに見えますが、実はただの樹脂シートです。
よっぽどの大きなビルや高級店舗でもないかぎり、野積みの石に見える外壁があったら、そのほとんどは石ではありません・・
セメントで成形して色を付けただけの何かです。
ただ、その全てが新しく考え出されたデザインの建材というわけではない。
みんな、元々あった
タイルであるとか・・
木であるとか・・
塗壁であるとか・・
吹き付けであるとか・・
石であるとか・・
に似せた物になっています。
ということは・・
これらは決して元のもののデザイン以上にはなりようがない・・
のではないでしょうか?
土や焼き物であったり木であったり石であったりコンクリートであったり塗料であったり・・
本来のそのものの持つ素材を表した材料というのは美しい物です。
やはり1枚1枚手貼りした本物の陶器の二丁掛タイルの持つその重厚さや美しさにはたまらない物があります。
塗壁の輝くようなきめ細かな美しさ・・
スタッコなどの吹き付けの陰影のある荒々しい美しさ・・
石のその冷たいながらも暖かな表情・・
でも、それには全て腕の良い職人さんが仕事した・・
という注釈がつく・・
そこが難しい所です。
工場で作る、ということは、そういうことでもある・・
のです。
そして・・
腕の良い職人さんを連れてくるのことも工務店さんの腕前・・
の一つなのです。
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