日経記事;ソニー、エリクソンと携帯端末合弁解消に 関する考察 - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

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日経記事;ソニー、エリクソンと携帯端末合弁解消に 関する考察

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経営戦略 集中と選択;事業撤退

皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月28日付の日経新聞に、『ソニー、エリクソンと携帯端末合弁解消 1110億円で買い取り スマートフォンに照準』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソニーは27日、スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソンと折半出資する携帯電話端末合弁会社、英ソニー・エリクソンを100%子会社化すると発表した。

エリクソンの持ち分を10億5千万ユーロ(約1110億円)で買い取る。市場拡大が続くスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を取り込んでネットワーク戦略を加速させ、テレビ事業などとの相乗効果を狙う。

「ソニー・エリクソンの完全子会社化で、ソニーは『4スクリーン』戦略を加速する。27日、ロンドンで記者会見に臨んだハワード・ストリンガー会長兼社長はこう強調した。

『4スクリーン』とは、スマホ、タブレット端末、パソコン、テレビの「4つの画面」のこと。ソニーはソニエリをグループ内に取り込んだ上で、映画や音楽配信サービスなどとの連携を強化。

「他社ができないような形で、世界中の人に娯楽体験を提供できる」(ストリンガー氏)

背景にあるのは、これまで主力だったテレビ事業の不振。テレビは急激な価格下落で今期も8期連続の営業赤字。成長が続くスマホやコンテンツサービスとの連携などでテレビの製品力を高める狙いがある。

あらゆる端末が無線ネットに接続する中で、老舗通信機器メーカーであるエリクソンが保有する特許取得も大きな目的。

ソニーは端末開発などに必要な5つの重要な特許群を獲得した。ソニエリが米シリコンバレーなどに持つ開発拠点や人材を活用して、携帯以外の製品開発力も高める。

一方、エリクソンのハンス・ヴェストベリ社長は「10年前は携帯電話市場を立ち上げるため、自ら事業を手掛ける必要があったが、今は無線つながる端末が増えた」と述べた。好採算の通信事業に集中する。

ソニエリは2001年の設立。2011年7~9月期の営業利益は前年同期比39%減の3800万ユーロ、売上高営業利益率は2%と前年同期の4%から悪化している。

米ガートナーによると、11年のスマホの世界販売見通しは4億6100万台以上。パソコン出荷(約3億6400万台)を上回るとみられる。

ただアップルやサムスンなど世界のハイテク大手が激しい競争を繰り広げる。HPは独自OSを搭載するスマホからの撤退を表明。一歩誤ればふるい落とされる激しい市場でのソニーの戦略が問われる。』


ソニーは8期連続でテレビ事業について赤字に直面しています。テレビ事業が赤字になっていますのは、ソニーだけでなくパナソニックなどの他の国内家電も同じですが、8期連続は長いです。

テレビ事業は、完全に韓国・台湾メーカーに負けていますし、現在のように価格下落が続く状況では現在の事業形態を続けていけば黒字回復は困難です。

価格競争力は海外企業の方が勝っています。ジャパンディスプレイのように、何社かの事業を統合してプレイヤーの数を減らし、一極集中でしか勝ち目はないです。
ソニーの薄型テレビ事業は、専業メーカーに供給を依頼する方向に進んでおり、テレビ事業を続けるための現実的なやり方です。

また、ソニーのかっての顔となったいた商品であるウオークマンは、アップルのiPodに王座を奪われました。音質は、明らかにウオークマンの方が良いです。しかし、アップルは、iPodにネット接続機能をつけてネットからダウンロードできる利便性を顧客にアピールし、その商品のデザイン性と利便性でウオークマンに差をつけました。

顧客は音質よりも、iPodの斬新性と利便性を買いました。

ソニーとアップルの比較でみますと、スマホやタブレット型商品では、アップルが圧倒しています。このことは、多くのマスコミで語られています。

ソニーを含めた国内家電メーカーの課題は、より特化した差異化・新規性の実現です。ハードウエアの技術開発力はどの会社も持っています。

アップルのiPhoneやiPadのような、インターネットとの親和性、商品の使い勝手(ソフトウエアの充実が必要)、商品のデザイン性を徹底的に訴求したもので、差異化・新規性を実現して行かないと勝ち残るのは難しくなります。

単にゲームソフトや映画コンテンツとの融合で訴えても、顧客から斬新さがみえないと多くの満足を得ることは難しいです。

それは、過去数年間のソニーの事業結果が示しています。
アップルのスティーブ・ジョブス氏の様なカリスマ性を持った天才的な人は少なく、そのような経営者の出現を国内企業に求めても難しいことは明らかです。

ソニーはかって、ウオークマンを出して世の中を変えました。この発想原点を活かして、現在のソニーから新ウオークマンの商品化を強く期待します。

ポイントは、徹底的なこだわりをもって、ソフトウエア力を強化して、ハードウエアに実装していくことです。

国内メーカーの弱点は、ソフトウエア力の弱さです。それを理解してソフトウエア力を強化する必要があります。連携やM&Aによりソフトウエア力を短期間に強化する必要があります。

顧客目線でソニーらしをアピールできる差異化・新規性をもった新商品群の出現を新生ソニーに期待します。

ソニーが成功すれば、パナソニックやシャープなどの他の家電メーカーにも良い刺激を与えます。成熟した市場でも。視点を変えれば画期的な商品は提供可能です。アップルが証明しました。

ソニーにその役割を期待します。

頑張れソニー!

よろしくお願いいたします

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁

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