日経記事;『アマゾン、年内にも日本で電子書籍』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『アマゾン、年内にも日本で電子書籍』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月20日付の日経新聞に、『アマゾン、年内にも日本で電子書籍 出版社と価格詰め』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『インターネット通販で世界最大手の米アマゾン・ドット・コムは日本で電子書籍事業に参入する。小学館、集英社など出版大手と価格設定などで詰めの交渉に入っており、年内にも日本語の電子書籍を購入できるサイトを開設。

スマートフォン(高機能携帯電話)などに配信し、自社の電子書籍端末「キンドル」も投入する構え。日本勢も紀伊国屋書店や楽天がソニー製端末への書籍提供を始める。日本でも電子書籍の普及が本格化しそうだ。

アマゾンは講談社、新潮社などとも交渉しており、1~2カ月以内に数社との契約を目指している。中堅出版のPHP研究所(京都市)とは合意した。PHPは約1000点の書籍を電子化して提供する方針。

購入者はネット上でアマゾンの電子書店にアクセスし、欲しい書籍をスマートフォンやタブレット端末、電子書籍端末にダウンロード。クレジットカードなどで支払う。

日本参入に向け、アマゾンはこのほど米で新モデルを発表した自社の電子書籍端末「キンドル」を日本に投入することも検討する。

米国の電子書籍市場ではアマゾンが価格決定権を握っており、9割引きといった値付けをしたり、作家と連携して話題作を電子版で先行販売したりしている。

国内ではアマゾンの安売りを警戒する出版社側がアマゾンへの電子書籍提供に難色を示していた。アマゾンは出版社側に対し、電子書籍の発売時の価格設定や値下げのタイミングについて両者が事前に協議する仕組みを提案したもようで、交渉が進展した。

国内では昨年から、端末メーカー、書店、印刷会社、ネット企業などが組み、電子書籍の配信サイトを立ち上げた。書籍の版権を持つ出版社は基本的に、全てのサイトに電子書籍を提供する方針だ。

しかし書籍・雑誌の国内市場は約2兆円に対し、電子書籍の市場規模は2010年度に650億円程度。電子化された書籍が少なく、規格が乱立したため普及が遅れている。

普及に向け国内勢は利用者の利便性を高める動きを加速している。紀伊国屋が運営する「Book Web Plus」は20日から、ソニー製の「ソニーリーダー」にも書籍の提供を始める。11月には楽天の「Raboo」も同端末に提供する予定だ。これまでソニーリーダーはソニーが運営する「リーダーストア」だけに対応していた。

出版社は書籍の電子化を急いでいる。新潮社や講談社、学研ホールディングスは全新刊を電子化する方針を固めて作家との交渉などを始めた。小学館や角川グループホールディングスも全新刊の電子化を目指す。

米国では4月以降、アマゾンの電子書籍の販売数が紙の書籍を上回って推移している。アマゾンの参入や出版各社の書籍電子化により、日本でも電子書籍が本格的な普及期に入る見通しだ。』


いよいよアマゾンが電子書籍で日本市場参入を行います。既に何回か報道されていますように、アメリカでは今年の4月以降アマゾンの電子書籍販売が紙の書籍を上回る状況が続いており、何店かの本屋がつぶれている事態になっています。

アメリカは、電子書籍が一般的になりつつあります。

今回のアマゾン参入により、日本でも同じような状況が生じる可能性が出て来ました。国内では、昨年来から電子書籍事業が動き始めましたが、各社が異なったフォーマットの端末を出し個別に運営されているため、本格普及にはほど遠い状況でした。

記事によると、国内の出版市場の大きさは、2兆円/年。対して電子書籍の売上は、650億円/年。5%以下です。

アマゾンが市場参入すると一気にこれらの状況を変える化可能性があります。アマゾンは既に国内市場に大きなプラットフォームを持っています。
省籍をメルマガやWebサイト上で紹介する時に、多く使われるのがアマゾンの通販サイトです。

これは、アマゾンが電子書籍市場で大きなプラットフォームを持っていることを意味します。過去の状況からみますと、アマゾンは自社の携帯端末であるキンドルだけでなく、全ての端末に対応る柔軟なやり方をとると想定します。

つまり、今より強固なプラットフォームを電子書籍市場で確立する可能性があります。アメリカと同じことが起こりますと、既存の書店・本屋は大きな打撃を受けます。

対抗するには、国内企業がばらばらなフォーマットでの端末による流通方式を止めて共通プラットフォームを持つ必要があります。そうしないと、アマゾンの大波に飲み込まれてしまいます。

しかし、このままではアマゾンが電子書籍市場の主導権を取るとみています。それは、アマゾンは、どの電子端末に対応するよう仕組みを整えて、多くの顧客を自社の通販サイトに引き寄せることになるからです。

既存の書店は、通販サイトを強化・充実して対抗する必要があります。電子化の波に遅れると命取りになりかねません。

出版社は、今まで電子書籍に対して様子見をしてきましたが、小学館、集英社など出版大手がアマゾンの通販サイトから売り始めると、態度を決めないとやはり命取りになります。

勿論、全ての書籍が電子化されるとは考えられませんが、電子書籍の比率が大きく上昇することは確実です。
出版社は対応を誤ると大きなダメージを受けます。少なくとも既存の紙書籍のみに頼っていると読者数が減少します。

電子書籍市場は、今までの紙書籍ビジネスの常識が通じない可能性があります。これは、出版社にとっては新規事業創出の機会にもなります。

中小出版社は、書籍のコンテンツが良ければ、アマゾンなどの通販サイトを通じて大きな数量を販売できます。宣伝広告は、FacebookやTwitterなどのサイト媒体との連携で口コミで一気に広がる可能性があります。

この事業環境下では、中小企業にも大きな事業チャンスが生まれますので、積極的に作家を発掘して市場に打って出ることが重要です。

電子書籍は紙に比べると、印刷や出版のコストが少額で済み、売れ残りによる返品も発生しません。積極策となる仮説を打ち立て、実行しながら検証し、改善していく事業スタンスが大事です。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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