日経記事;古河電超電導事業を加速 米導線材会社買収に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;古河電超電導事業を加速 米導線材会社買収に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

10月18日付の日経新聞に、『古河電、超電導事業を加速 米の超電導線材会社買収 量産拠点を獲得、海外需要に照準』のタイトルで記事が掲載されました。

本日はこの記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『古河電気工業は17日、オランダ電機大手のフィリップスから米国超電導線材子会社を買収すると発表した。買収額は明らかにしていないが、50億円前後とみられる。

買収により古河電工は将来の送電線の主要材料と期待される超電導線材の量産設備を得る。原発事故などで国内電力会社の投資が出遅れるなか、超電導線を使った送電網の大型プロジェクトが相次ぐ海外インフラの獲得を狙う。

米スーパーパワー(ニューヨーク州)の全株式を買い取る。同社は米ゼネラル・エレクトリック(GE)の研究開発部門から独立した企業。2010年の売上高は約4億円、従業員は59人と規模は小さいが「第2世代」の超電導線材を年400キロメートル生産できる。

第2世代線材を量産できるのは世界でスーパーパワーのほか、新エネルギー機器などを手がける米アメリカン・スーパーコンダクター(生産能力は年700キロメートル)の2社のみ。

◆高温超電導線材の使用が想定される大型プロジェクト

・トレスアミガス(アメリカ)
2014年にも実験開始。線材需要6000キロメートル
 
・北京プロジェクト(中国)
12年から実験開始。線材需要400キロメートル
 
・KEPCO(韓国)
13年から実験開始
 
・UKラウンド3(イギリス)
10メガワット級の風力発電導入
 
 
古河電工は第2世代の超電導線材の技術は開発済みだが量産設備は無かった。国内電力会社の超電導ケーブルの導入先送りで海外販路の開拓が急務となっていた。

自前で投資するより買収する方が得策と判断、フイリップスからの売却の申し出を受けた。古河電工は130社以上と取引するスーパーパワーを足がかりに超電導線材事業を本格展開する。

古河電工の超電導事業は現在、実験設備向けなどに年10億円程度にとどまる。スーパーパワーを足がかりに日本勢では初めて第2世代の超電導線材の量産設備を持つ。

今後15億円を投じ、同線材の生産能力を5年後に現在の5倍の年2000キロメートルにする。関連機器も含め売上高を16年に100億円に伸ばす計画で、同分野で先行するアメリカン・スーパーコンダクターを追う。

超電導関連市場は機器類も含めて20年に世界で2兆5000億円程度に膨らむとの試算もある。従来型電線など国内需要が伸び悩む古河電工は、将来性が期待できる分野に布石を打った。』


私は、6月21日に『日経記事;『古河電工、世界最高電圧の超電導線 原発1基分を送電可』に関する考察 [ビジネス雑感] 』のタイトルでブログ・コラムを書きました。

この時の記事は以下のように書かれていました。

・古河電気工業は、275キロボルトに耐えられる世界最高電圧の超電導線を開発した。国内最高だった同社製の4倍、世界最高だった仏ネクサンス製の2倍に相当する。

・送電容量が飛躍的に高まり、1回線で最大150万キロワットと大型の原子力発電所や火力発電所1基分の送電が可能になるという

・今後、国内外の電力会社と実証実験を重ねて実用化し、普及期に入るとされる2020年に年100億円の売り上げを目指す。。。。

古河電工は、今回、一歩進めて海外で起こりつつある需要獲得に向けて、M&Aにより販路と生産設備を持つスーパーパワーの既存インフラを利用して短期間に事業体制強化するやり方を採用しました。

古河電工の企業規模や予想買収金額からみますと、大きな投資とはならず経営数字への影響は小さいと考えます。

古河電工が、スーパーパワーとの組織融合を上手く行ってその潜在の能力をフルに発揮できれば、価値ある買い物になります。

超電導の本格普及は、その販売価格を下げる必要があります。一般的に製造量が大きいほど製造コストは下がります。製造量を上げる、つまり販売量を上げるには、販売価格を下げる必要があり、当然のごとく製造コストの削減が必要になります。

超伝導は、電力の送電ロスを大幅に減らせる技術として以前から注目されていますが、本格普及しない理由は販売価格の高さにあります。

同日付の記事によると、第2世代の超電導線材は半導体と同じような製造プロセスを必要とするため、新しい製造設備への投資が必要になります。

半導体と同様に、その投資回収するには量産効果を出す必要があり、近々でそのような大型需要をつかめるかどうかがキーになります。

古河電工は、スーパーパワーの買収で、上記海外の大型プロジェクトを獲得することで、需要獲得することを決めました。

超電導はこれから本格普及に入ります。半導体のように、技術開発は国内メーカーが先導し、実需を後追いの韓国や台湾企業に取られないように、迅速な意思決定による事業スピードで加速していくことを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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