「マンション売却の極意」~売却時に利益の出るマンション~ - 不動産売買全般 - 専門家プロファイル

中石 輝
株式会社リード 代表取締役
神奈川県
不動産業
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「マンション売却の極意」~売却時に利益の出るマンション~

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不動産市況レポート

 新築マンションの販売を5年、中古マンションの仲介を10年近く経験してきた私には、すごく当たり前に感じることなのですが、一般のお客様や仲介営業マンですら意外と知らないマンションの価格のことについてお話します。

 

まず、大きな相場の動きですが、以下が過去20年間くらいのマンション価格推移のイメージです。

注1)場所・広さ等の条件が同じ新築マンションが、その時期でいくらくらいしたか、の例えです。

注2)横浜・東京エリアにおいて、あくまでも個人的な感覚です。

 

・バブル時の平成2~3年が価格の頂点 …………… 1億円

         ↓

 毎年ジリジリと価格相場が下がる

         ↓

・平成15~16年が新築マンション価格の底値 …… 4~5,000万円

         ↓

・ミニバブルの影響で価格が急上昇

 平成17~18年、「新価格」と呼ばれる …………… 6,000万円

 平成19年、業者の売り惜しみも発生、「新々価格」 … 7,000万円

         ↓

 平成19年のサブプライムローン問題、

 平成20年のリーマン・ショック以降、新築マンションの供給が激減

         ↓

・平成23年の現時点では、新築マンションの供給数も回復、

 ミニバブル時の価格相場からは価格帯が下落 …… 5,500~6,000万円

  

現時点(平成23年10月)の価格相場は平成17年前後の価格帯に落ち着いているように感じます。

現時点の価格相場は、底値圏の平成15~16年の価格帯と比べると、まだ高い水準にありますが、平成19年ごろのミニバブル時の価格帯と比べると、それなりに割安感がありますので、供給者側もある程度利益を確保しながら市場の様子見をしているところなのではなでしょうか。

 

このようにマンション相場が乱高下した状況下では、底値圏であった平成14~16年辺りに購入したマンションを、築後7~9年経過した段階で中古マンションとして販売した場合、新築購入価格よりも高く売れた、なんてことが実際によく起こります。

 

不動産は個別性の高い商品ですので、エリアや物件によって異なりますが、同じような場所・グレードの新築マンションであったとしても、その販売時期によってこれだけの差が出てきます。

 

この相場の波を読むことは非常に難しく、‘持ち家を必要とする時期’ というものも各家庭の事情によるところが大きいですから、売却時に利益の出ている方は ‘結果オーライ’ 的な状況の方が殆どです。

 

では、購入したタイミング以外で、売却時に大きな利益が出ているマンションに見られる傾向には何があるでしょうか。

この点を考えたとき、真っ先に思いつくのは「大規模物件」であること。

尚且その物件の中でも利益の出やすいマンションには共通の傾向があります。

 

中古マンションの販売の場合、売主は一般個人の方である場合が圧倒的に多く、個人の事情で販売に出していますので、売り出されるタイミングもバラバラです。

また、売り手は一組、買い手も一組いればいいわけですから、多少強気な価格設定をしたとしても、御縁とタイミング次第で売れてしまうこともよくあります。

 

それが新築マンションの販売となると、ある程度の期分けはあるにしても、その物件を一斉に売り出すことになります。

どんなに良い物件であったとしても、総戸数500~1,000戸超もあるような大規模物件を全て売り切るのは、想像以上に大変な作業です。

 

同じマンションの中で、様々な条件のお部屋がありますが、価格がみんな同じであれば、条件の良いお部屋にお客様が集中してしまうのは当たり前のことなので、お部屋の条件によって分譲価格には価格差を設定していきます。

 

この新築マンション分譲時の各お部屋間の価格差と、中古マンションとして売りだされた際の価格に、大きなズレが生まれるケースが多く、新築時には割安な価格設定であったお部屋のほうが、当然売却時に利益が出やすくなります。

 

この典型的な事例をタワーマンションで多く見ることができます。

 

日本人には「南向き志向」が根強く、新築マンションの価格設定でも、南向きの住戸の坪単価を高く設定します。

平均売出坪単価が@190万円の物件であったとしたら、

西向き @175万円/坪、

東向き @185万円/坪、

南向き @210万円/坪、

という割り振りになるのではないでしょうか。

 

これが中古マンションになると、各住戸が同時に売りだされているわけではないので、新築分譲時ほどの価格差は付かず、‘あのマンションの相場はだいたいこれくらい’ と一括りになる場合が多くなります。

 

「北向き住戸」となると、新築時の価格設定は、かなり割安感を付けたものになる傾向が強いですが、現在タワーマンションの中古市場を観ると、実際に売れ筋で人気があるお部屋は以外にも北向きが多いのです。

 

例えば、品川区港南エリアにある「ワールドシティタワーズ」の場合、レインボーブリッジと東京タワーを望む北東向きの住戸、横浜市中区の「元町・中華街」駅周辺にあるタワーマンションも、山下公園と海を望む北向住戸の人気が圧倒的に高く、南向きよりも成約価格が断然高いのです。

 

では、新築時の価格は…というと、北向きであるために、割安感のある価格設定に抑えられている場合が多いのです。

 

安く買って、高く売れるわけですから、当然のことながら利益額も大きくなります。

 

「向き」以外の要素では、鉄板ですが、

・今後、再開発の進むエリア

・新駅の開通予定があるエリア

 

この要素を含むマンションは、価格の上昇幅も大きい傾向があります。

 

先に事例を紹介した横浜市中区の「元町・中華街」駅周辺にあるタワーマンションは、みなとみらい線の開通前(開通は平成16年2月)、尚且新築マンション価格も底値であった平成14~15年に建設されている物件が多いため、竣工から8~9年が経過している現在でも、山下公園と海を望む北向上層階であれば、新築時価格から1,000万円以上価格を上乗せした金額で取引されています。

 

‘それほど長くは住まないが、いいマンションがあれば購入し、いずれは売りたい’ とお考えの方は、上記の内容を頭の片隅に入れておいていただくと、良い買い物が出来るかもしれません。

 

 

過去の関連コラム  大震災以降の不動産価格

              中古マンション価格、今後の推移

 

株式会社リード

中石 輝

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