日経記事;腰据えた現地化に果実 M&Aに賭ける(中) に関する考察 - M&A - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:事業再生と承継・M&A

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;腰据えた現地化に果実 M&Aに賭ける(中) に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 事業再生と承継・M&A
  3. M&A
M&Aコンサルタントとしての活動 M&Aの実行と課題

皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

日経新聞は、10月13日から15日まで3日連続で、「M&Aに賭ける」のタイトルで特集を組んでいます。
本日は、この特集から10月14日に書かれました『腰据えた現地化に果実 M&Aに賭ける(中)』の記事について考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。
 
『3割近くを出資したブラジル鉄鋼2位のウジミナスを足場に米大陸を攻める。新日本製鉄のこんな世界戦略に思わぬ影が差してきた。伏兵は現地3位のCSN。ウジミナス株を市場で1割強買い集め、9月に入り他の大株主からも株を買い取る動きを見せているのだ。

対象の大株主は2社で26%の株を保有。CSNが引き取ると筆頭株主の座を奪われる。幸い新日鉄はこの大株主と親密で保有株の優先買い取り権を持つ。が、買い取りには2000億円を超す資金が必要だ。新日鉄首脳が頭を悩ませる。

決定時に耳目を集める日本企業の海外M&A(合併・買収)。しかし難局はその後に訪れる。大型買収からしばらくして多額の損失を計上――。古くはソニーの米コロンビア・ピクチャーズから最近では第一三共のインド後発薬メーカー、ランバクシー・ラボラトリーズまで、つまずきは枚挙にいとまがない。

デロイトトーマツコンサルティングの調査によると2000年以降にM&Aをした日本企業中「目的の80%程度を達成出来た」と考えるのは3割に過ぎない。

だがそれは成果が出るのに時間がかかることを映した面もある。最近は買収後の難しさは覚悟の上で腰を据えて取り組む企業が多く、一部で成果もあがる。

共通するのは買収先の力を生かすしかけの工夫。いまや利益の過半を海外で稼ぎ「買収の優等生」といわれるまでになったJTが参考になる。

特徴は「現地に任せる」手法だ。1999年に1兆円近くを投じたRJRナビスコの海外たばこ事業では当時、まだ本社に海外企業を経営できる人材がいないと判断。RJRに権限を残し、JTの海外事業も託した。

続く07年の英ガラハー買収ではこれが進化。前線に立ったのは旧RJRのメンバーだ。目先の損得に傾きがちな社風を、長期戦略重視に修正する仕事を担わせた。

ハイテク企業も似ている。08年に1700億円でドイツの同業大手エプコスを買収したTDK。「文化の違いを埋めるのに苦労した」と上釜健宏社長は振り返る。

業績不振下で買われた心情にも配慮し当初は独立性を尊重。TDKの全体戦略への組み込みを本格化するまでに1年以上期間をおいた。その間、社長自ら日独の現場を歩き目指す未来図の共有を地道に説いた。また、本体の一部部品事業をエプコスに合流させた。

今月初め、千葉・幕張で開かれた見本市シーテックにはエプコスとの共作部品があった。稼ぎ頭のパソコン用磁気ヘッドが苦戦し始める中、市場も「産業用など新しい収益源を手に入れた」と買収を再評価する。

毎週木曜夕刻。三井物産本社で中堅社員が財務や経営論などの講習を受ける。「(海外企業を買う)資金は豊富でも人材が足りない」。こんな危機感から、200人のCFO(最高財務責任者)育成を目標に09年から続く取り組みだ。

海外を切り回す人材が乏しい日本企業は強力な支配で買収先を一気に戦力化する力はまだ弱い。しかしランバクシーの製品管理の不備でつまずいた第一三共が現地に任す方針を修正。幹部の派遣などで本社の経営関与を強め、短期で立て直すといった例も出てきた。

 海外展開が死活問題の日本企業に「買収下手」の評判を気にする暇はない。「買収後の戦略に標準はない」とA・T・カーニー日本代表の梅沢高明氏。重要なのは試行錯誤で、日本企業はその積み重ねの最中だ。』


上記記事は、M&Aの最も難しい「買収後の組織融合」について書いています。私もその組織融合の難しさを何度も体験しています。

私は若いころ、当時勤務していた会社で、事業本部長の直属スタッフ(経営管理)を担当していました。その本部長の意向で米国のあるベンチャー企業を買収しました。その企業は天才的なエンジニアが起こした会社で、同好の士的な優秀なエンジニアが働いていました。

その当時、その企業の技術力は圧倒的で、自社の事業拡大のためにその技術力が必要となり、未だM&Aと言う言葉が使われていない時に買収しました。

買収5カ月後、全てのエンジニアが退職してしまいました。残ったのはほとんど無価値のオフィスと小さな工場のみでした。

原因は幾つかありましたが、最大の要因は合併後の組織融合と運営のまずさです。本社から送り込んだ日本人が組織運営に不向きだったのです。この失敗から私たちは多くのことを学びました。

M&A行為自体は複雑でそのプロジェクト運営を行う時にある種の高揚感があります。しかし、買収後の融合が最も難しく、地味ですが一番大事なのです。

買収後の融合を上手く行うには、マネジメント能力が必要です。買った企業と買われた企業は、今まで全く異なった組織体ですで、企業文化や組織の在り方、人事評価制度、専門用語、仕事の進め方、従業員の平均的な実力など非常に多くの点で異なります。

一般的に買われた企業は、買った企業の方に吸収されます。私はこの過程を組織融合と言っています。この融合に失敗しますと、上記したように買った企業の貴重な財産である「人」がいなくなってしまいます。

実力ある人ほど離反する確率が高くなります。買収後のキーマンは当然のごとく実力ある人達です。これらの人達のモチベーションを上げながら買った企業の組織に融合を図ることがとても大事です。

融合の第一歩は、買った企業の状況を良く理解して、新組織への融合ポイントを把握することです。これはその事業を束ねる人が自ら行うことが鉄則です。私の会社勤務時期の経験や、経営コンサルタントとして独立した後の中小企業のM&A支援を行ってきた案件をみても、この鉄則は生きています。

その他、買収後の組織融合には、行わなければならない鉄則が幾つかあります。これらの鉄則をきちんと踏んで、M&Aを計画・実行することが成功の秘訣です。

M&Aを考えていて、組織融合までの最終段階までの実行に不安がある方は、私までご連絡ください。ご支援いたします。
ご連絡は、私のWebサイトの 「お問合わせコーナー」 からお願いたします。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「M&Aコンサルタントとしての活動」のコラム

このコラムに類似したコラム

日経記事;"海外M&A成功の秘訣 買収は契約後が勝負"に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2012/08/10 17:41)

日経記事;国内シェア,JX/住生活躍進M&Aで勢力図変化に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2011/07/25 08:13)

M&Aは本当に必要ですか,或いは期待した効果が得られていますか? 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2010/11/16 07:17)

アジア展開を行う上でのM&A/アライアンスの手段選択に関する考察 山本 雅暁 - 経営コンサルタント(2010/07/02 05:41)

5月20日(水)事業承継セミナー開催のお知らせ 濱田 浩三 - 事業承継アドバイザー(BSA)(2015/05/08 11:00)