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不利益遡及立法事件、最高裁で敗訴

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発表 実務に役立つ判例紹介

しばらくぶりの更新です。

確認を怠っていた間に、重要な最高裁判決を見落としていました・・・

 

最高裁平成23年9月22日第一小法廷判決(TAINSコードZ888-1614)

最高裁平成23年9月30日第二小法廷判決(TAINSコードZ888-1615)

 

平成16年度税制改正の際に、土地建物等の譲渡損失に関する損益通算を

禁止する旨の改正がなされましたが、平成16年3月31日に公布された

改正法の内容が1月1日に遡って適用されることの是否を巡って争われた

一連の事件が、この2件の最高裁判決によって結論が出されたわけです。

 

その結論は・・・納税者全面敗訴。

国民に不利益に改正された法律を遡って適用することを違憲ではない、

と判断を下したのです。

 

最高裁の論理は、両事件とも同様で、次のようなものでした。

「憲法84条は、課税要件及び租税の賦課徴収の手続が法律で明確に

定められるべきことを規定するものであるが、これにより課税関係における

法的安定が保たれるべき趣旨を含むものと解するのが相当である

(最高裁平成18年3月1日大法廷判決)。」

「法律で一旦定められた財産権の内容が事後の法律により変更される

ことによって法的安定に影響が及び得る場合、当該変更の憲法適合性に

ついては、当該財産権の性質、その内容を変更する程度及び

これを変更することによって保護される公益の性質などの諸事情を

総合的に勘案し、その変更が当該財産権に対する合理的な制約として

容認されるべきものであるかどうかによって判断すべきものであるところ

(最高裁昭和53年7月12日大法廷判決)、

暦年途中の租税法規の変更及びその暦年当初からの適用によって

納税者の租税法規上の地位が変更され、課税関係における法的安定に

影響が及び得る場合においても、これと同様に解すべきものである。」

 

つまり、国民に不利益な改正が行われても、その政策目的に合理性があり、

該当する国民に過度な不利益を被らせるものでなければよい、というのだ。

 

この事件の場合は、1年間のうちでも3ヶ月間に限られており、1年間を

通しては全体として公平が図られている、という点が重視されたようです。

 

租税法律主義が必要とされる沿革的な意味合いを考えれば、実に不合理で、

将来に禍根を残しかねない事件なだけに、私としても、論文を通じて

批判してきたわけですが、全面敗訴の結果は残念でなりません。

 

税理士に対する専門家責任がさらに大きくならざるを得なくなる事態に

危機感を感じざるを得ません。(その理由は税法学561号(2009年5月)

掲載の「情報発信に伴う税理士の専門家責任」に書いたとおりです。)

今年のように、税制改正大綱どおりに税制改正が行われない場合には、

クライアントに対して責任の取りようがないんですがね・・・

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